福井県の名物で、ある魚を丸ごと一匹串焼きにした料理といえば?

魚の美味しさを存分に堪能できる福井県の名物をご紹介します。その独特な焼き方は傷みやすい魚を遠方へ運んだり、腐らないように保存するために考案されたといわれています。今回はそんな料理の作り方や歴史について紹介します。

浜焼き鯖の作り方をチェック!

鯖を開き、太い串に刺して焼きあげて作る浜焼き鯖は、豪快な見た目も特徴的です。しかし実際の作り方には繊細な技術が必要な部分もあり、この技術は鯖の扱いに慣れている若狭地方の職人だからこそ生み出せたものともいえます。まず基本的に、水揚げされたばかりの鯖は水分や脂がたっぷりと含まれているため、焼いている間に鯖の身が崩れてしまわないように、特別な技術を用いて開く必要があります。

さらに焼き方も重要で、一般的な作り方では串に刺した鯖は15分以上焼かれることが多いのですが、この時にポイントとなるのが鯖の身の色や脂の出かたです。脂が出すぎても味に影響がありますし、生焼けのまま火からおろしてしまうと保存性に問題がでる可能性があります。ちょうど良い加減に焼ければ、鯖のうまみが凝縮された浜焼き鯖が出来上がります。

ふっくらジューシー!浜焼き鯖の美味しい食べ方は?

浜焼き鯖を食べる時は電子レンジやトースターなどで温めて、醤油やポン酢などをつけて食べるのがおすすめです。一緒に生姜や大根おろしなどの薬味をつけて食べるのも鯖との相性が良いアレンジ方法です。温かい浜焼き鯖は格別な味わいで、ぱりっとした皮を箸で開けば、脂ののった鯖の身が姿を現します。ふっくらとした身はなにもつけずに食べても美味しく、白米と共に食べると箸がとまらなくなってしまいそうです。鯖を丸ごと使って作る浜焼き鯖ですが、素材の良さと高い技術が用いられている製造方法のおかげで、最後まで飽きずに食べ進めやすい一品になっています。

福井県内には浜焼き鯖を食べられる食事処なども多数存在します。店によってはご飯や味噌汁などと浜焼き鯖がセットになった定食を提供するところもあり、和食を食べたい気分の時や、福井県の名物を味わってみたい時にもぴったりです。なかには食べ残した浜焼き鯖を持ち帰ることができるお店もあるため、完食できるか不安な人はこういったサービスを行うお店を探してみると良いでしょう。

鯖街道をとおって京都へ!若狭湾でとれた鯖の歴史

福井県と京都府の間に存在する若狭湾は、昔から美味しい鯖がとれるエリアとして知られていました。この若狭湾でとれた鯖は行商人の手によって京都へ運ばれることも多く、京都祇園祭で赤飯と共に食べるご馳走としても重宝されていたそうです。浜焼き鯖という鯖の保存方法は若狭の港から京都へと鯖を運ぶために考案されたものという説もあり、若狭の鯖が京都の人々の間でも愛されてきた証にもなっています。

この地域には鯖などの魚介類を福井県から京都府へと運ぶための街道も存在し、特に鯖が盛んに運ばれたため、「鯖街道」と呼ばれるようにもなりました。鯖街道には複数のルートが存在したといわれており、小浜から九里半街道へ向かって今津に行き、そこから琵琶湖を渡るルートなども存在したそうです。小浜から熊川宿へ向かい、滋賀県の朽木村を通過して大原へ行き、大原から大町という街道の終着地点に行くというルートは利用者も多く、馬を使って夜通し荷物を運ぶ人も大勢いたといわれています。

また、鯖街道では生の鯖に塩をふりかけたものも頻繁に京都へ運ばれていました。浜焼き鯖は魚介類が傷みやすい夏場に、水揚げされたばかりのものを若狭の浜で焼いて運んでいたそうです。若狭地方には季節を問わず美味しい魚介類を食べたいという願いを叶えるため、様々な工夫が考案されてきた歴史があり、浜焼き鯖はその伝統を受け継ぐ名物として今も愛されています。

海の恵みがつまった名物!浜焼き鯖を食べて福井の歴史を感じよう

独自の技術で生産される浜焼き鯖は、若狭地方から届く美味しいご馳走として昔から福井県内のみならず京都でも愛されてきました。日本海が恵んでくれる海の幸の素晴らしさをとじこめた浜焼き鯖は、一度味わえばとりこになるような魅力がつまっています。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 福井県の名物で、ある魚を丸ごと一匹串焼きにした料理といえば?

A. 浜焼き鯖