餅粉を原料に、砂糖・水飴を加えて練り上げた、福井県の和菓子のことを、ある着物の名前をとって何という?

福井県で有名な和菓子をご紹介します。福井県周辺のサービスエリアでは必ず目にする人気の和菓子です。蓋を開ければ、絹のように美しい求肥が上品に並んでいます。見た目はシンプルな和菓子ですが、人気の秘密はどこにあるのでしょうか?

絹のように滑らかな食感

羽二重餅に使われる材料は餅粉、砂糖、水あめのみです。それだけ?と思われがちですが、口の中に入れた時の柔らかい食感と上品な甘さはシンプルだからこそ際立ちます。一風変わった「羽二重餅」という名前はどこからきたのでしょうか?

福井県は古くから繊維業が盛んでした。特に、よりのない経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を使って織った高級な絹織物の生産が行われていました。この織物こそが「羽二重」です。羽二重餅は、この羽二重の滑らかな手触りを、何とか和菓子で表現できないかと試行錯誤して生まれた和菓子なのです。口の中で感じる滑らかな食感は、絹織物の特徴を見事和菓子として再現しています。

餅粉や砂糖の配分はとても繊細で少しでも違えば絹織物が持つ、かげりのある白さとなめらかな食感は生まれないそうです。昔から、絶対にかえてはならないという配合を頑なに守り、添加物を一切使わず丁寧に作られているのです。

伝統を守りつつ進化していく羽二重餅

シンプルな和菓子の羽二重餅ですが、そのおかげで何にでも合わせやすく、様々な進化を遂げています。過去には生キャラメルや生ドーナツなどが人気ですが、とろとろの食感を楽しめる「生羽二重餅」はいかがですか?一見箱を見ただけでは羽二重餅と変わらないようですが、開けてびっくり。箱一面にとろとろの羽二重餅が広がっています。木製のスプーンですくって食べれば、まさに生食感を楽しむことができます。シンプルな羽二重餅の美味しさはそのままに食感を工夫した和菓子です。

羽二重餅の滑らかな食感を楽しみたいのなら「羽二重くるみ」をおススメします。甘く煮たくるみを羽二重餅に入れて練り込み、薄く焼いたシュー生地で挟んだお菓子です。和菓子と洋菓子のコラボとも言えるこちらのお菓子は「第22回全国菓子大博覧会内閣総理大臣賞」を受賞している人気商品です。和と洋のコラボと言えば、サブレとホワイトチョコレートで羽二重餅を挟んだ「羽二重サブレ」もありますよ。サクッとしたサブレの食感の後に羽二重餅のもっちりとした食感を楽しめるお菓子です。伝統の製法はそのままに、他のものと組み合わせることによって新しいお菓子として羽二重餅の良さを表現しています。この他にも羽二重餅を使ったお菓子はたくさんありますが、まずはそのままの「羽二重餅」の滑らかで上品な食感を味わってみてはいかがでしょうか?こちらで紹介した商品は、嬉しいことにインターネットでお取り寄せもできます。

福井商業高校がモデルのドラマ「チアダン」に羽二重餅が出演?

福井県の高校のチアリーダー部を舞台にしたドラマ「チアダン」。モデルとなった、福井商業高等学校チアリーダー部“JETS”の快進撃が話題になりましたね。JETSは2009年、全米チアダンス選手権大会で優勝しました。それだけにとどまらず、その後同大会で何と5連覇しているのです。映画が大ヒットしたことで、土屋太鳳さん主演でドラマ化されました。実はこのドラマの中でも羽二重餅は活躍しています。職員室や校長室でのシーンでは、教頭先生役の木下ほうかさんが羽二重餅をほおばっていたり、職員室でお茶うけとして置いてあったそうですよ。福井名物のお菓子は他にも出ていたようですが地元の高校生の頑張りによって、お菓子も全国的に有名になることができました。「チアダン」のホームページでは撮影に使用された福井のお菓子を、ぎょうさん(たくさん)福井!と紹介しています。

地元の職人が作る情熱と繊細さを味わえる羽二重餅

古くから地元の人たちが生産してきた絹織物をイメージして生まれた羽二重餅は、まさに絹を連想させる美しさと滑らかな舌触りを楽しむことができる和菓子です。作る職人さんの情熱とは裏腹に、繊細な和菓子。ぜひ味わってほしい逸品です。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 餅粉を原料に、砂糖・水飴を加えて練り上げた、福井県の和菓子のことを、ある着物の名前をとって何という?

A. 羽二重餅