秋に河原で里芋などを煮込んだ鍋を作って食べる、愛媛県のイベントは?

東北地方の秋の風物詩と言えば「芋煮会」。この芋煮会、実は東北だけのものではないのです。愛媛県でも同じような風習があるのをご存知でしょうか?

愛媛の郷土料理でもある「いもたき」

愛媛県では「芋煮会」ではなく、「いもたき」と言います。秋に東北地方と同じように​大きな鍋で食材を仕込み、地元の人々などで親睦を深めるという行事です。河川敷などで行われることが多く、「いも」は里芋(大洲地方では夏芋と呼ぶ)がよく使われます。他の具材は地域によってさまざま。大洲市が始まりと伝えられていますが、現在では南予を中心とした愛媛県下で広く行われている行事です。

「いもたき」の歴史

いもたきの起源には諸説あるようですが、発祥地は大洲市と言われています。江戸時代、大洲では春と秋の年2回「お籠もり」という住民が集まる行事がありました。秋のお籠もりでは、各農家が肱川が運んできた肥沃な土で育った夏芋(里芋)を河原へ持ち寄って、肱川の鮎からとった出汁で炊いた鍋を食べるのが慣例で、これを食べながら相談事などを行い、親睦を深めていました。

先祖代々の風習を観光行事化したものが、現在の「いもたき」となりました。現在では河原にゴザを敷いて、お​月見を兼ねて屋外で鍋を囲むのが主流となっています。東北ではお昼に開催されることがほとんどで、鍋の食材も持ち寄って作られることが多いのですが、愛媛では暗くなった時間にお月見と合わせて、食材も持ち寄りではなく、業者がセッティングして宴会のように行われます。家庭でも作られることが多く、給食や市役所の食堂のメニューにも並び、秋の訪れを感じる風物詩となっているのだそう。

「伊予の小京都」大洲

山々に囲まれた町に、清流「肱川」が流れる大洲は「伊予の小京都」と呼ばれる風情ある町。江戸時代から明治時代にかけての昔ながらの家や町並みが当時のまま残されており、趣のある懐かしい景色と出会うことができます。昔の町割が残る通りには武家屋敷と商家が通りを挟んで建ち並び、歴史を感じさせるノスタルジックでどこか懐かしい場所、自然を満喫できる美しい場所など、名所の数々が今も息づいています。

「大洲城」は、明治時代に解体された天守を10年もの歳月をかけて復元されました。4階4層の天守は古絵図や古写真などの資料をもとにして、全て木造で復元され、全国でも珍しい天守として高く評価されています。吹き抜けの構造の内部は、創建当時の様子を再現したジオラマなどが展示されており、大洲城の歴史を学ぶことができます。毎月第3土曜日には、無料で「大洲藩鉄砲隊」の演武を公開され、観覧することができます。

「臥龍山荘」は肱川流域随一の景勝地に佇む三千坪の山荘です。「臥龍院」「知止庵」「不老庵」の三つ建築物はそれぞれ風情ある数寄が凝らされており逸品揃い。肱川を借景に眺めながら呈茶を楽しむこともできます。ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで一つ星に選ばれた人気スポットです。

大洲の肱川び「大洲のうかい」は、岐阜の長良川、日田の三隈川に並んで「日本三大鵜飼い」として知られています。鵜匠船と客船の屋形船が併走しながら川を下るという国内唯一の「合わせ鵜飼い」といわれる手法が特徴です。目の前で鵜がアユを捕る、迫力と臨場感にあふれる様子を見ることができます。

「風の博物館」は、風のまちとして知られる肱川町にあるユニークなミュージアムです。「心に風を」をキャッチフレーズに、風に関して人が作り上げてきた文化資料を中心に収集・調査し、発信しています。館内にはタイトルに「風」が付く図書や映画、音楽、書籍などが収集され、風にちなんだ遊び道具もたくさんあるので、ご家族で楽しめますよ。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 秋に河原で里芋などを煮込んだ鍋を作って食べる、愛媛県のイベントは?

A. いもたき