愛媛県松山市の土産物として人気である、夏目漱石の小説に由来するお菓子は?

夏目漱石は明治28(1895)年に、愛媛県松山市の松山中学校に英語教師として赴任しました。そして当時の経験を小説にしたタイトルが、今では愛媛県松山市のあちらこちらでみかけます。お土産物としても人気の名物お菓子もその一つです。

三食のかわいらしい名物土産

愛媛県松山市の道後温泉は3,000年以上の歴史があり、白浜温泉(和歌山県白浜町)、有馬温泉(兵庫県神戸市)に続き、日本三古湯のひとつとして知られています。道後温泉の名物といえばなんといっても「坊ちゃん団子」。

愛媛に訪れた際に見かけた方や、おみやげとしていただいたことがある、という方も多いかもしれません。 覚えやすい「坊ちゃん団子」という名前と、緑・黄・茶色の3色がかわいらしい見た目が特徴です。

道後温泉付近の商店街や売店はもちろんの事、地元百貨店や松山空港などさまざまなところで売られていて、今では四国みやげの定番のひとつとなっています。

夏目漱石の小説「坊っちゃん」にこのお団子が登場した事から、この名前で親しまれるようになりました。

夏目漱石の小説「坊ちゃん」由来

小説「坊っちゃん」の中で、道後温泉を訪れたさいに、団子を2皿も食べる場面が登場することから、「坊ちゃん団子」と呼ばれるようになった。という事だそうです。

明治39年に発表された、かの有名な夏目漱石の小説「坊っちゃん」。愛媛県松山市に赴任した当時の中学教師としての奮闘が描かれています。

その小説の中にこんな一文があります。

「大変うまいと云う評判だから、温泉に行った帰りがけに一寸食ってみた」

この小説に登場する団子は、当時「湯晒し団子」と呼ばれていたもので、現在の「つぼや菓子舗」(以前は「茶屋又」という屋号)さんがモデルとされています。実際に「夏目漱石は松山に赴任していた頃によくこの団子を食べていたという話もあります。当時の団子は米で作った餅に小豆あんをまぶしただけの素朴なもで「湯ざらし団子」として親しまれていたと言われていますが、小説「坊ちゃん」が発表されてからというもの、道後温泉の団子が有名になり、大正10年頃に今の3色の団子になったと言われています。

「つぼや菓子舗」さんは、当時の場所から少し移動した場所(道後商店街)で、今でも手作りにこだわった団子を作っています。

近年はお客様からの要望に応え、「湯ざらし団子」も復活してるそう。こちらは「坊ちゃん団子」よりも知名度が無いせいか、少量の販売で、売れたら作るというスタンスをとっているそうですが、そちらのほうが出来たてを食べられるという店主の思いやりでもあるようです。坊ちゃん団子も良いですが、出来立ての湯ざらし団子、食べてみたいですね。

現在、松山市で人気のお土産でもある「坊ちゃん団子」は愛媛県内で数々のメーカーや菓子舗が製造、販売しています。「坊ちゃん団子」は、求肥(ぎゅうひ)の餅丸くしてそれを抹茶あん、黄身あん、小豆あんの三色を、それぞれくるみ、三個串刺しにしたものが最もポピュラーなスタイルとなっています。各製造メーカーによって見た目は勿論、味も少しずつ違っているそうなので、食べ比べしてみるのも楽しいかもしれませんね。

「坊ちゃん」由来は他にも

愛媛県松山市には「坊ちゃん団子」をはじめ、数々の「坊ちゃん〇〇」が存在します。松山市内を走り訪れた人々の目を楽しませている「坊っちゃん列車」や、1時間ごとに坊ちゃんのキャラクターが動き出す楽しい「坊ちゃんカラクリ時計」。また、道後温泉付近の温泉を「坊ちゃん温泉」と呼ぶ人もいるのだとか。

夏目漱石の小説が地元の人々に愛され、根付いているのか、とてもよくわかりますね。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 愛媛県松山市の土産物として人気である、夏目漱石の小説に由来するお菓子は?

A. 坊っちゃん団子