ころんと丸くてみずみずしいカブ、クセがないので苦手な人はあまりいないのではないでしょうか。農作物の生産量は北海道に目がいきがちですが、カブの生産量全国1位は北海道ではありません。そんなカブについて紹介していきます。
カブの生産量は千葉県が日本一
過去のカブの生産量を見てみると、千葉県がダントツに多く国内シェアは3割前後となっています。次いで埼玉、青森と続きますが、2位の埼玉でシェアは1割程なので、千葉県が群を抜いているのが分かります。ちなみに他の都道府県では0の割合も多いです。千葉県の中でも柏市は全国一の収穫高で、東庄町、松戸市と続いています。地域的にみると、千葉北部で生産が盛んなようです。カブは春の七草の「ナズナ」として古くから食されてきましたが、実は元々は日本が原産の農作物ではありません。
あまりイメージにありませんが、カブはアフガニスタンや地中海沿岸地域が原産地とされていて、ヨーロッパでは紀元前から栽培されてきました。日本に持ち込まれた経緯や時期は正確には不明ですが、どうも弥生時代に中国あたりから伝えられたという説が有力のようです。その後、主食に代わる農作物として栽培が行われていたとの記述が「日本書紀」にあります。いずれにせよ、古くから栽培され食べられてきた農作物のようです。
カブはざっくり分けると実が大きいものと、小さいものに分けられます。大きいものは主に西日本で作られる千枚漬けや漬け物の類いに用いられ、千葉県では小さいサイズのカブが主流です。千葉県でどのようにカブが栽培されるようになったのか、こちらの経緯もはっきりとは分かりませんが、春先に出荷できる青物(ほうれん草や小松菜など)が少なく、それを補うために大正時代に東京都(当時は東京府)の金町小カブが持ち込まれ定着した、という説が有力です。
先程も紹介しましたが、柏市は全国1位の生産量を誇っていますが、知名度はさほど高くありません。そのため、柏市やその周辺地域ではもっと知名度をあげようと様々な試みが行われています。柏市が隣接する手賀沼周辺地域の果物や野菜をテーマにしたイベントやクルーズを行ったり、同じく手賀沼花火大会では市のキャラクター「カシワニ」とカブを型どった花火を打ち上げたりするなど、かなり力を入れています。さらに、市内でとれるカブのうち、規格外になって販売できないものは、蕪のソフトクリームにして道の駅で販売するなど、無駄のない活用で知名度アップと地域活性化も目指しています。
カブの栄養価や美味しく食べる方法
カブは根と葉に分けられ、普段私たちがカブとして食べているのは根の部分です。ここには消化酵素のアミラーゼを含んでいて、胃もたれや胸やけを和らげたり、整腸作用もあります。七草粥に用いられるのはこういった働きがあるからです。また、葉の部分はβカロテン、ビタミンC、カルシウム、カリウムが豊富で、髪の毛や皮膚、粘膜を正常に保つ効果が期待できます。さらに呼吸器系を守ったり、免疫力を高めて風邪をひきにくくしたり、肌荒れ予防や疲労回復など、様々な効果が期待できる野菜です。
このようにみると、カブは根よりも葉の部分に多くの栄養があることが分かります。カブは葉も捨てずによく洗い、軽くゆでてお味噌汁の具にしたり、おひたしにしたり、炒めてふりかけにしたりすると無駄なく食べられます。根の部分もよく洗えば皮ごと食べられます。特に、旬の時期は苦みも少なく甘みがあるので、塩揉みしてサラダにしたり、出汁と煮たりするだけでも美味しく食べられますよ。
カブはあまり知られていない健康野菜
このように、カブはあまり知られていませんが葉も含めて栄養価の高い野菜です。普段はあまり食べない人でも、健康維持のためにおすすめなので、見かけたら手に取ってみてください。その際、葉も捨てずに調理すると良いですよ。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 平成25年、カブの生産量が全国1位の都道府県は?
A.千葉県