千葉県南房総市のご当地グルメである、地元産のフルーツを使ったカレーとは?

温暖な気候で冬でも花が楽しめる場所として知られる千葉県南房総市。その冨浦地区にある道の駅で抜群の人気を誇っているカレーがあります。名前を聞くと、ちょっと意外な組み合わせと思われるかもしれませんが、いったいどんな特徴があるのでしょうか。

びわカレーなのにびわが見当たらない?その理由は…

カレーといえば、様々な隠し味で無限のバリエーションが広がるメニューです。そのバリエーションの中にはフルーツカレーというものもあり、リンゴやパパイヤ、パイナップルなどを加えることで甘さと酸味が加わり、子どもでもおいしく食べられるカレーに仕上がるとして人気があります。ただ、そうしたフルーツカレーはフルーツをカレーの具として用いるものですが、びわカレーにはびわの姿はありません。一見するとどこが普通のカレーと違うのかわからないほどです。

実はびわカレーに含まれているびわは、ピューレにしたもの。つまり隠し味としてびわが使われているのです。中辛のカレーにびわピューレを加えることで、適度な辛さがありながらまろやかさが加わり、コクのあるまろやかな味わいに仕上がっています。大人のカレーは辛すぎてまだ無理、という子どもたちでもおいしく食べられますし、同時に大人の味覚にも耐えうるというのが大きな特徴となっており、小さな子供からお年寄りまで幅広い層に支持されています。

明治の頃から皇室御用達!房州びわはまさに日本を代表するブランド

千葉県南房総市で獲れるびわは「房州びわ」と呼ばれ、江戸時代から生産されている地元の特産品です。びわといえば水分をたっぷりと含み、口に入れると爽やかな甘みが広がるのが特徴ですが、中でも房州びわは粒が大きく肉厚で瑞々しさの点でも優れています。
旬はハウスものが5月、路地ものが6月で、まさに初夏の風物詩といえる果物です。

びわの生産量は長崎県がトップで千葉県が2位となっており、この2県で全国の生産量のほぼ半分を占めています。千葉県内では南房総市が県出荷量の8割以上を占めており、全国有数の産地ということができるでしょう。加えて房州びわには「皇室献上品」という大変名誉な称号があります。皇室への献上は明治42年から続けられており、毎年地元生産者の組合が選びに選び抜いた品を届けています。

なお「房州びわ」が地域団体商標に登録されたのは2007年のことです。260年以上にわたり品種改良を続け、房州ならではのおいしさにたどり着いたびわは、これによりますますブランド力を高め地域の活性化にも一役買っています。

都心から車で100分・冨浦は気軽に行けるリゾート地

びわカレーはびわの生産地・南房総市冨浦にある道の駅でレトルトカレーとして販売されており、また併設のレストランでも味わうことができます。オンラインショップでも取り扱いがあるので全国どこでも手に入れることができますが、旅の思い出が重なればおいしさもまたひとしお。冨浦へは東京湾アクアライン経由で都心から車で1時間40分ほどと気軽に行ける距離なので、観光やレジャーを兼ねて訪れてみるのも良いでしょう。

自然豊かな冨浦には海水浴場のほかキャンプやハイキングが楽しめる自然公園がありますし、日本で2番目に点灯した「野島崎灯台」といった名所もあります。さらにめずらしい「びわ狩り」ができる農園も。もぎたてのびわをその場で食べる贅沢な体験が楽しめます。

また、この道の駅にはカレー以外にもびわ製品がたくさんあります。びわピューレをたっぷり使った「びわゼリー」や「びわキャンディ」といったスイーツ類はもちろん、びわの葉エキスを使った化粧品やボディケア用品も人気となっているので、興味のある人はぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

びわカレーを生んだ房総の大自然を一緒に味わいたい

道の駅のお土産品として一躍有名になったびわカレーですが、その背景には長い年月をかけてびわを大切に育ててきた地域の歴史があります。ネット通販で気軽に楽しむのも良いですが、やはり一度は現地を訪れてその美しい自然と共に味わってみたいものですね。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 千葉県南房総市のご当地グルメである、地元産のフルーツを使ったカレーは?

A.びわカレー

Q. ある2県のびわの生産量を足すと、国内生産量の約半分を占めます。何県と何県?

A. 長崎県と千葉県