「B−1グランプリ」でグランプリに輝いたこともある、山梨県のご当地グルメとは?

さかのぼること16世紀。甲斐の国として栄え、武田信玄が戦国大名として天下統一を目指したことで有名な山梨県ですが、ここにはさまざまな特産品があります。そのなかでも人気なのがご当地グルメといわれ、2010年に開催されたB-1グランプリin厚木で第1位のゴールデングランプリ賞を受賞しました。今回は、1位を受賞したグルメの特徴や歴史を紹介するとともに、山梨県の特徴やそのほかの特産品、観光スポットなどについても紹介します。

甲府鳥もつ煮ってどんな料理?その歴史は?

甲府鳥もつ煮はレバー、砂肝、ハツ、ヒモ、キンカン(生まれる前の卵)を、甘く濃厚な醤油だれで照りが出るまで煮た甲府独自の料理です。甲府市内のそば店などで味わうことができ「ほうとう」などと並んで甲府のご当地グルメのひとつとなっています。その歴史は戦後間もない1950(昭和25年)ごろ、食糧や物資が不足していた時代にさかのぼります。当時食肉加工・販売業者をしていた店主が、甲府のそば屋「奥藤」本店の2代目店主に「大量に捨てられた鳥もつを使って、何か料理を作れないだろうか」と相談しました。この相談を受けて、当時の奥藤本店の料理担当者が試行錯誤を重ねて「甲府鳥もつ煮」を完成させたのが始まりだといわれています。

そして2008年「鳥もつ煮で、町おこしを!」と考えたのが、甲府市職員の10人のメンバーでした。彼らは甲府のB級グルメとして「甲府鳥もつ煮」を全国に向けてPRし始めます。それと同時に、鳥もつ煮の考案者や奥藤本店の職人さんたちの協力を得て、鳥もつ煮の作り方などを学びました。そして2010年に開催された第5回B-1グランプリin厚木に初出場をして、見事第1位のゴールデングランプリ賞を受賞したのです。第1回大会を除き、初出場での優勝はこれが初めてでした。B-1グランプリ優勝後は鳥もつ煮が全国的に知られ甲府に食べに行こうという観光客が増え、それに関連する地域や産業に大きな経済効果を与えました。

山梨県とその他の特産品

山梨県は日本列島のほぼ中央、東京の南西に位置し東京都のほかに神奈川県、静岡県、長野県、埼玉県に囲まれている海のない内陸県です。県土の約78%を森林が占めていて、富士山や八ヶ岳、南アルプスなど自然豊かな県となっています。特に富士山には北側斜面を登る道があることから、年間何十万人もの人が登山に訪れています。また、富士山の噴火によってつくられた湖である富士五湖エリアは、ハイキングや魚釣り、スキーで有名な地となっています。

山梨県の特産品ですが、まず思い浮かぶのは桃と葡萄ではないでしょうか。フルーツ王国とも呼ばれる山梨県では、特に桃と葡萄、すももが国内最大の生産量を誇っています。葡萄は栽培面積・生産量ともに日本一を誇り、栽培の歴史も古く1300年前からつくられていたといわれています。主につくられている葡萄の品種は「巨峰」「甲斐路」「ピオーネ」「デラウェア」などです。また「甲州」といわれる品種からはワインが作られ、これが山梨の特産品として有名な「甲州ワイン」です。桃も生産面積と生産量が日本一となっており、7月の東京中央卸売市場で出回る桃の約90%が山梨県産です。主に作られている品種は「白鳳」「浅間白桃」で、県オリジナルの「夢しずく」という品種もあります。

そしてあまり知られていないかもしれませが、すももも山梨県は栽培面積と生産量ともに日本一となっているのです。「大石早生」「太陽」そして果肉が赤い「ソルダム」などの品種がつくられています。山梨では銘菓も有名です。山梨県の圧倒的ナンバー1を誇る銘菓は、桔梗屋の「桔梗屋信玄餅」です。ふるさとの味をコンセプトにしていて、きな粉をまぶした3切れのお餅に特性の黒蜜をかけて味わいます。山梨県に行ったことがある人や家族や知り合いが山梨へ行ったという人は、1度は口にしたことがあるのではないでしょうか。また、澤田屋の「くろ玉」も山梨県の銘菓として有名です。明治創業の老舗のロングセラー商品で、青えんどう豆を煮て作った緑色の餡を丸めて、黒糖ようかんをかけた一品です。熟練の職人たちが一つひとつ丁寧に手作りしています。

甲府鳥もつ煮の一般的なレシピと作り方!

山梨のご当地グルメの代表格「甲府鳥もつ煮」は、もともと戦後間もない食糧難のときに生まれた料理からか、そのレシピは甲府市の公式ホームページをはじめ色々なところで公開されています。材料は4人前でレバー300グラム、砂肝250グラム、ハツ50グラム、ひも50グラム、キンカン(生まれる前の卵)50グラムと、たれに使う醤油100ccと上白糖100グラムを用意します。下ごしらえとして、レバーはハート形の赤い部分だけを小さく切り分け、白い部分は捨てます。砂肝は玉状のものが2つ張り付いているので白い部分をカット。切り離したら赤い部分のうち、少しピンクがかった部分も捨てて食べやすいサイズに切ります。ハツは半分にカットして血の塊を取り除き、ヒモは3センチほどに切り分けましょう。

そしてキンカンはつながっている場合に切るくらいで何もしません。カットしたもつ類は1リットルに35グラム位塩を入れた塩水で手早く洗い、ボールにあげて水を切りキッチンペーパーなどでしっかりと水分をとっておきます。生の鳥もつは味の劣化や傷みが早いのでできるだけ新鮮なものを使用し、下ごしらえは手早くしてまな板などの衛生面に気を付けましょう。下ごしらえができたら、フライパンに醤油と上白糖を入れて煮立たせます。ドロっとしている場合には酒や水を少々足します。ここからはずっと強火です。タレが泡立ったら、もつを全て入れてタレがまんべんなく絡むように優しくかき混ぜてふたをします。このときに、キンカンは1番火が通りにくいため真ん中に寄せておきましょう。

その後吹いて泡だらけになるので、その都度ふたをあけて優しくかき混ぜます。煮汁が半分くらいになってくると、あくが出てくる可能性があります。その場合は汁ごとあくを捨てましょう。さらに煮詰めていくともつが飴色っぽくなってきますので、さらにたれを絡めながら煮ていきます。そして全体的に照りが出てきたら完成です。盛り付けはお皿にサニーレタスを敷き、熱々のもつ煮を盛り付けると見た目がよくなります。鳥もつ煮は冷め始めると独特の照りが無くなり色も黒ずんでどんどん固くなりますので、作り置きはしないようにしましょう。

山梨県の観光スポット!

山梨県の観光スポットは、富士山をはじめ山中湖や河口湖、八ヶ岳など、自然をそのまま感じられる場所がたくさんあります。そのほかに「富士急ハイランド」や「富士すばるランド」などのテーマパークがあります。特に富士急ハイランドは日本国内からだけでなく、世界中から楽しさとスリルを求めてたくさんの人が訪れます。アミューズメントパークとして世界レベルの絶叫系アトラクション、かわいらしいキャラクターのテーマパークまで兼ね備えています。2018年7月14日から料金形態が変わり入場料が無料となったために、今まで以上に気軽に楽しめるようになりました。

また「アルプスの少女ハイジ」の世界が広がる、まるでスイスのような景色の「ハイジの村」や森の中の広大な敷地を利用してレストランやカフェ、クラフトショップなどが点在する清里の定番スポット「萌木の村」などがあり、観光客を飽きさせることはありません。

山梨良いとこ一度はおいで!

山梨県にはB-1グランプリで優勝した「甲府鳥もつ煮」をはじめ、葡萄や桃などの果物、信玄餅や黒玉などのご当地グルメが充実しています。また、日本の滝百選に選ばれた「仙娥滝」がある特別史跡名勝天然記念物の「昇仙峡」や「石和温泉」という露天風呂など、さまざまなお湯が楽しめる温泉街もあります。山梨県は「週末は山梨にいます」というキャッチフレーズがあるほど、身近で気軽に行ける観光地となっていますので、一度訪れてみてはいかがでしょうか。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 「B−1グランプリ」でグランプリに輝いたこともある、山梨県のご当地グルメは?

A. 甲府鳥もつ煮

Q. 山梨県の「甲府鳥もつ煮」で使われる、生まれる前の卵のことを何という?

A.きんかん

Q. 山梨県のB級グルメ「甲府鳥もつ煮」は、もともと何屋が考案したとされる?

A.そば屋

Q. 山梨県に存在する「みなさまの縁をとりもつ会」によってまちおこしの題材とされているご当地グルメは?

A. 甲府鳥もつ煮