富山銘菓「甘金丹(かんこんたん)」で、スポンジ生地の中に入っているものとは?

甘金丹(かんこんたん)は、富山県に本社を置くお菓子屋・リブランが販売する富山銘菓です。リブランの店舗は県内各地にあるため、その購入しやすさも魅力の1つになっています。今回ではそんな甘金丹の情報について紹介していきます。

しっとりとして美味しい!甘金丹ってどんなお菓子?

リブランの定番商品でもある甘金丹(かんこんたん)は、黄色のスポンジ生地のなかに滑らかなカスタードクリームが入っているお菓子です。ほのかに甘くしっとりとした食感のスポンジ生地は、富山の綺麗な水で蒸して作られています。カスタードクリームはとろりと炊き上げられており、スポンジ生地の優しい味に合わせて、素材の味わいが感じられるようなくどすぎない甘さに仕上がっています。

柔らかい食感のお菓子なので子どもや老人でも食べやすく、レトロなデザインのパッケージはどこか懐かしさを感じられるものになっています。賞味期限は約10日で、1個の値段は160円前後となっています。3個セットや12個入りの箱詰め、リブランのほかのお菓子とのセットの商品なども店舗や公式のオンラインストアで購入可能です。

甘金丹は過去に全国菓子大博覧会の金賞を受賞したこともあり、富山銘菓として観光客からの人気が高いだけではなく、地元の人も毎日のおやつや大切な人へのギフトなどに利用することが多いようです。さらに全国推奨観光土産品の審査会から推奨も受けており、優れたお土産として全国観光土産品連盟や日本商工会議所から認められた実績があります。

富山の薬売りが関わる!甘金丹の名前の由来

甘金丹という名前の由来には、富山県で生まれたお菓子ならではのストーリーが秘められています。富山県は昔から薬種商(薬を扱う商店)が盛んだった地域です。1639年に加賀藩から富山藩が分藩されたのですが、当時の富山藩の領地はそれほど生産性が高くなく、参勤交代や江戸幕府の指図による普請などが原因となって財政難に陥ることになります。この苦境を脱するために推進されたのが製薬などの産業です。

17世紀の終わり頃の話として、富山藩の2代目の藩主である前田正甫が、胃痛などに効能があるとされた反魂丹を開発したことが富山の売薬のはじまりになったという伝承も残っています。ただし実際の話としては、反魂丹という薬は既にこの時期にも流通しており、特に和泉国を中心に生産されていたそうです。別の伝承には、前田正甫は1690年に江戸城を訪れた際に、腹痛に苦しんでいた三春藩の藩主に対して反魂丹の服用をすすめ、三春藩主の腹痛を治したという話もあります。これがきっかけで富山の売薬が全国に広がったという説もあるのですが、この説の裏づけとなる史料は残っていないそうです。

歴史を受け継ぐ!甘金丹と反魂丹のつながり

前田正甫は反魂丹の販売や生産に関する体制を整備し、諸大名に許可をとって、「他領商売勝手」という売薬人が全国の領地に赴いて商売を行える政策を実地します。また富山城下の薬種商に対してはその商売を保護して、売薬をはじめることを奨励していきます。この政策が功を奏して、18世紀頃には富山の売薬は藩の主要事業となります。

この時期になると商売に関する道徳を示した反魂丹商売人への心得ができて、富山の売薬が発展する要因にもなりました。さらに売薬人に資金を与えて援助したり、罰則を課したり、賦課金を徴収する反魂丹役所という組織も設立され、数が増えた売薬人をうまく統制できるようにしました。甘金丹という名は、甘金丹の特徴である「甘」さと「金」色の見た目に加えて、このように富山ととても関わりが深い薬・反魂丹の名前をもじってつけられたそうです。富山の売薬にまつわる歴史は定番のお土産にも関わっており、県内各地で大切に受け継がれています。

この地ならではの銘菓!富山県に来たら甘金丹を味わおう

食べやすい甘さで地元の人からも愛されている甘金丹は、富山に訪れたら是非手に入れたいお菓子です。一口ほおばれば思わず笑みがこぼれるような、優しい味わいのお菓子が食べたくなったら、リブランへと足を運んでみてはいかがでしょうか。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 富山銘菓「甘金丹(かんこんたん)」で、スポンジ生地の中に入っているものは?

A.カスタード