寒ブリの産地として有名な「氷見市」は、どこの都道府県の市?

寒ブリの産地として有名な「氷見市」は、どこの都道府県の市かご存じですか?「ひみ寒ぶり」として登録商標もされており、全国的にも有名です。そのイメージを守るために徹底した工夫を凝らし、いまではウィンターブランドのエースとして認められるようになりました。

寒ブリといえば「ひみ寒ぶり」と言われるほどの人気

ブリは回遊魚のため通年漁獲できますが、冬季になると良質な脂を蓄え、寒ブリとして親しまれています。富山県といえば寒ブリですが、なかでも氷見市で水揚げされるものは高値で取引されてきました。格別な風味で人気を博してきたからです。2011年には「ひみ寒ぶり」の名称で商標登録されることになりました。氷見魚ブランド対策協議会が認めた一定期間内に富山湾の定置網で捕獲された寒ブリであり、氷見漁港で競られた6キログラム以上ものだけが「ひみ寒ぶり」として出荷されます。魚体と重量が基準を満たしていないものは除外されることになります。そのブランド力を守るための取り組みは徹底されており、1体に1枚の販売証明書が用意され、それぞれを専用箱に入れて出荷するほどです。

ブランドとして認められるのはワケがある

「ひみ寒ぶり」がただの寒ブリと違うのは、圧倒的な味はもちろん、何よりも貴重なブリだからです。ブリの産卵場所は九州の西方近海ですが、成長するとともに、春から夏にかけて日本海を北上していきます。やがて脂がのってくると、寒波に背を向けるようにして南下しはじめます。いよいよ寒ブリシーズンの到来です。この時期は、富山湾に雷鳴が鳴り響き、凄まじい強風が吹き荒れます。ブリの豊漁を兆すこの荒天こそが「鰤起し」と呼ばれるもので、富山湾の風物詩になっています。事実、漁獲統計でも、寒波のあとは漁獲高が上がることが証明されてきました。この強い低気圧に導かれるようにしてやってくる寒ブリたちが氷見沖で能登半島にぶつかり、富山湾へと入ってくるというわけです。しかし、タイミングよく寒ブリの群れが定置網に入ったとしても、漁師たちは安心できません。すばやく水揚げしないと網から逃げてしまうからです。

しかも、寒ブリが南下するのはシーズンでも数回きりですから、まさにタイミングの勝負であり、漁師たちの腕の見せどころというわけです。「ひみ寒ぶり」のブランドは、こうした漁の難しさが色濃く関係しているのです。

寒ブリを楽しむならシンプルに

全国各地で食品ロスが騒がれていますが、ことブリに関しては捨てるところがありません。頭から尻尾まで美味しく食べることができるのです。なかでも「神様からの授かりもの」と漁師たちから呼ばれている「ひみ寒ぶり」は、素材を生かしたシンプルな料理でその魅力を余すことなく堪能できます。「ひみ寒ぶり」の産地である氷見市内の飲食店では「キトキトさ」を生かしたメニューを楽しめる、と地元の人はもちろん、観光客にも大人気です。なんといっても定番は「ブリしゃぶ」です。ダシに軽く潜らせたらポン酢で食します。ポン酢の酸味が加わることで寒ブリの脂身がより甘く感じられます。ブリしゃぶのシメにはブリの旨味をたっぷりと味わえる雑炊やうどんが待っています。刺身やお造りはもちろん、ブリ大根やカブト煮、カマ焼き、なます、ブリ汁なども忘れてはなりません。変わり種といえばブリカツです。外はサクッと、なかはジューシーなレアになっていて根強い人気を誇ります。

そんな多種多様なメニューのなかでも、寒ブリの地元ならではの料理が肝の旨煮です。ダークホース的な存在に思えますが、鮮度に優れた「ひみ寒ぶり」を味わうなら外せません。どの定番メニューも富山県の地酒と相性は抜群ですし、口にすればたちまちファンになってしまいます。寒ブリは日本海の恵みです。「ひみ寒ぶり」をお腹いっぱい味わうことができるなら、日本海から吹きつける寒風もありがたく感じられてきます。冬の氷見市は、心とお腹を温かくしてくれるのです。

旨味の王様、寒ブリを味わいたいなら富山県氷見市へ

ワンシーズンに数回しか湾内に入ってこないという寒ブリの貴重さは他の追随を許しません。しかも、その濃厚な風味で食す者たちを虜にしてきました。肌を刺す寒風が吹き荒れる街だからこそ、世界に誇れる豊かな風味を楽しめるのです。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 寒ブリの産地として有名な「氷見市」は、どこの都道府県の市?

A.富山県