ジャムなどの加工品に多く用いられる「多伎いちじく」はどこの都道府県の名産品?

夏から秋が旬のいちじく。ぽってりとした涙型のフォルムで手で簡単に割れ、中には小さなプツプツが詰まっています。このプツプツの食感が楽しく、そして甘くておいしい果物です。日本の各地で様々な種類のいちじくが生産されていますが、「多伎いちじく」という絶品のいちじくはどこの都道府県で生産されているか、ご存知でしょうか?

島根県出雲市多伎町の名産ブランド

「多伎いちじく」は島根県出雲市多伎町の名産ブランドとして知られるいちじくです。ここでは、「蓬莱柿(ほうらいし)」という品種の、ほとんど西日本でしか生産されていないという、とても貴重ないちじくが栽培されています。蓬莱柿は「中国の蓬莱というところから来た、柿に似て甘い果実」という意味で名前が付けられたとも言われています。熟すると星形に先が開き、小振りで甘味が強いのが特徴。蓬莱柿はいちじくの中でも一番、栽培が難しいとされていますが、海岸沿いの多伎町は日本海に面した水はけが良い土壌に、潮風、山おろしといった気候風土で、いちじく栽培には好適な土地。その環境に加え、農家のたぬまぬ努力と徹底した管理によって、質の高いいちじくが生産されているのです。

甘くておいしい多伎いちじく

果実の先端が開いている状態が食べ頃という多伎いちじく。開いていると鮮度が落ちて劣化していると誤解されることもあるそうですが、この状態が一番おいしいそうです。食べてみると、爽やかさを残しつつも風味豊かでしっとりした上品な甘さが口に広がります。

多伎いちじくの多彩な加工品

多伎いちじくの最大の難点と言えるのが、食べ頃は収穫してから3日までという、とても短い間ということ。形がふぞろいなものは、ジャムをはじめ、コンポート、ゼリー、干いちじくなどさまざまな加工品になっています。

多伎いちじくジャムは完熟したいちじくを皮ごと使い、いちじくの風味と手作りのやさしさが存分に味わえるもの。トーストやクッキーに合わせたり、お菓子などの食材にも幅広く使えます。多伎いちじくとライトでくせのない甘みとやわらかな香りの「島根わいん」で作られたゼリーは、果肉たっぷりのゼリーがぷるぷるで、口の中でとろけます。多伎いちじくの干いちじくはコーヒーや煎茶によく合う味で、ブランデーやホワイトリカーに漬け込むと、また異なる風味が楽しめる一品。また、パンやパウンドケーキの素材としてもぴったりです。これらはインターネット通販などで販売されているので、気になった方は購入してみてはいかがでしょうか。

いちじくの健康・美容効果

「不老不死の果物」とも呼ばれ、薬として扱われていたほど、実にも葉にも健康効果があるといういちじく。どんな栄養があるのでしょうか?

いちじくには、水溶性の食物繊維「ペクチン」が豊富に含まれています。整腸作用があるペクチンは、腸のぜん動運動を促して下痢や便秘を改善したり、乳酸菌を増やしたりと、腸内環境を整えてくれます。腸内環境が良くなると免疫力も高まり、さまざまな病気の予防効果が期待できます。カルシウムや鉄分などのミネラルをバランスよく含んでいるので、イライラや鉄欠乏性貧血などの予防・改善も。体内の余分な水分やナトリウムを、汗や尿などで体外へ排出してくれるカリウムも豊富に含まれているので、むくみ予防にもなります。また、近頃注目されているのが、いちじくのアンチエイジング効果です。いちじくにはポリフェノールの一種「ザクロエラグ酸」や「アントシアニン」が含まれていますが、これらは、シミの元になるメラニン色素を作ったり、老化の原因となる活性酸素を除去する効果があるのです。おいしくて、健康や美容にも嬉しいいちじく。積極的に食べていきたいですね。

ザ・ご当地検定の問題

Q. ジャムなどの加工品に多く用いられる「多伎いちじく」はどこの都道府県の名産品?

A. 島根