名産のさといもを使った「さといもコロッケ」で知られる埼玉県の市は?

コロッケと言えばホクホクのじゃがいもがお馴染みですね。しかし埼玉県では、さといもを使ったコロッケがご当地グルメとして知られています。今回は、クリーミーでクセになると好評のB級グルメ、「さといもコロッケ」をご紹介します。

さといもコロッケ、どんなもの?

さといもコロッケのレシピは、一般的なじゃがいものコロッケと基本的には同じです。ただひとつ大きく違うのは、「じゃがいも」ではなく「さといも」を使ってあるということです。コロッケにおいて「いも」はベースですから、ひき肉などの具材は同じでも、いもの種類を変えたら別物になります。さといもコロッケは、外側のカリッとした衣に対しての、内側のネットリしたクリーミーさが特徴です。コクもあるのでソースなどの調味料を付けずにそのままでも美味しく食べられます。

そして後味があっさりしているので何個でも食べられると評判で、「埼玉B級ご当地グルメ王決定戦」でも上位に選ばれました。この珍しい「さといもコロッケ」は、埼玉県狭山市の農家の若者たちのプロジェクトから誕生しました。さといもの増産やブランド化に取り組む農家チーム「さやま里芋増産倶楽部」のメンバーは、地元を盛り上げるために自分たちにできることはないかと考えて、廃棄されている「親いも」に目をつけたのです。

いも類は「親いも」から「子いも」「孫いも」が派生してどんどん増えていくものですが、出荷されるのはその「子いも」や「孫いも」で、「親いも」は廃棄されていました。繊維が堅くて食べにくいと言うのが理由です。その廃棄されてしまう「親いも」を生かせないかとチームのメンバーは頭を絞りました。そしてチーム外の地元農家や食品業者、流通業者からも協力を得て生まれたのが「さといもコロッケ」でした。「親いも」の堅くて食べづらいという欠点が、コロッケにすることで「もっちり感」という利点として活かされたのです。

こうして生まれた「さといもコロッケ」は、市内の精肉店などで売られるようになり、学校給食のメニューにもなって地域に根を下ろしています。コロッケと言うとB級グルメのイメージですが、給食にも出るくらい、さといもは栄養豊富です。主成分はでんぷんですが、いも類のなかでは低カロリーで、ビタミンB1やビタミンCや、里芋特有のぬめりを生み出す、マンナン、ムチン、ガラクタンなどが含まれています。

マンナンは便秘予防に効能があると言われる食物繊維のひとつで、海藻などにも含まれています。ムチンは納豆や山芋などにも含まれる成分で、粘膜を保護して消化器官を健康に保ったり、たんぱく質の吸収を促がしたりする働きがあるとされます。ガラクタンはコレステロールを下げる効果や、腸の老廃物を排泄する効果があると言われています。このように「さといも」の成分には意外とあなどれないものがあり、摂りたい野菜のひとつです。「さといもコロッケ」なら美味しく手軽にさといもを食べることができますよ。

さといもコロッケを食べるには?

「さといもコロッケ」は、ネットでもさまざまなレシピが公開されているので、自宅で作ることもできます。けれども一般的なスーパーでは、なかなか「親いも」は手に入りません。一度は試しに「親いも」から作った本場のコロッケを食べに狭山市へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

「さといもコロッケ」の販売所は狭山市観光協会の「さといもコロッケ販売先一覧」などでチェックすることができます。ほかにも取り扱い店舗は増えているようですが「さやま里芋増産倶楽部」が公認したお店のみ「さやま里芋増産倶楽部」の名前の入った赤いノボリが立っているそうです。いろいろと食べ比べるのもおもしろそうですね。狭山市以外では、関越自動車道の「上里SA(上り)」や「高坂SA(下り)」でも取扱いがあります。狭山市へ行くには、電車の場合は「西武新宿線」や「西武池袋線」、車の場合は「圏央道」の「狭山日高インターチェンジ」からアクセスできます。

さといもコロッケ、狭山市で召し上がれ!

さといもコロッケは、埼玉県狭山市の農家チームの地元愛と、さといも愛から生まれたグルメです。揚げたての衣のサクサクした食感と、クリーミーなさといもの鮮やかなハーモニーを、ぜひ狭山市で味わってみてください。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 名産のさといもを使った「さといもコロッケ」で知られる埼玉県の市は?

A.狭山市