かつて鍋を洗う時にスポンジの代わりに用いられていたことから、沖縄県の言葉で「ナーベラー」とも呼ばれる食べ物は?

チャンプルーやミミガーなど独特の言葉が多い沖縄県。「ナーベラー」もその1つで「鍋洗い」が転じたものと言われています。本州ではたわしなど日用加工品として利用されることが多いものなので、想像できるのではないでしょうか。

「ナーベーラー」って?

ヘチマはたわしや化粧水などに利用されるイメージがありますが、沖縄では「ナーベーラー」と呼ばれて、ゴーヤーと並ぶ夏野菜の横綱格です。開花から約2週間頃の若い実を食用にし、繊維があまり発達しない品種が栽培されています。ナーベーラーは熱帯アジア原産のウリ科の植物で、中国・インドでは古くから栽培され、日本には中国を経て渡来し、江戸時代前期に沖縄に渡った言われています。高温多湿を好むので沖縄の夏季の気候に適しており、品種により差はありますが、交配日から数えて夏は約10日、冬では20~25日で収穫することができます。果皮がやわらかいのでしなびやすく、冷蔵保存中の冷気や輸送中の衝撃などで黒ずんでしまうなど、品質を保つことが難しく、県外への流通は少なめなので、ほとんどが沖縄県内で消費されているようです。

おすすめの食べ方

調理すると実はトロッと種もやわらかくプチプチした食感になり、そのまま食べることができます。また、水分がたくさん出てくるので水を加えないで煮物をが作れます。沖縄での伝統的な食べ方は、「ナーベーラーンブシー」というヘチマの味噌煮や炒め物で汁物の具としても使われます。なめらかな食感とまろやかな甘みが食欲をそそり、夏バテ時にも好んで食されています。淡白な味ですが、そのため煮ても焼いても揚げてもおいしくいただける食材なのです。

ナーベラー(ヘチマ)に含まれる栄養の効果や効能

ヘチマにはミネラルの一種であるカリウムが含まれており、むくみの予防や改善、また高血圧の予防などの効能があります。また、ヘチマ含まれているサポニンには抗酸化作用があり、コレステロールを取り除き血流を改善して動脈硬化を予防し、免疫力を高めてくれる働きがあるので、アンチエイジング効果があるとされています。βカロテンやビタミンCも含まれており、これらにも抗酸化作用があるので、サポニンと同じように生活習慣病の予防やアンチエイジング効果が期待されます。

そして、水溶性と不溶性の2種類の食物繊維があり、老廃物を排出し便通が良くなります。ヘチマに含まれている水溶性の食物繊維であるペクチンは、血糖値が急激に上昇したり脂質の吸収を抑えてくれるため、糖尿病や肥満を予防する効果もあります。

食べるだけでなく、昔から化粧水として使われてきたヘチマ水には、たんぱく質、ビタミンC、ペクチン、サポニン、酵素などが含まれているので、肌にハリを与えてしっとりさせる働きがあります。塗り薬として、あかぎれや日焼けした後のほてりを和らげてくれる効果があると言われています。

そして、ヘチマのカロリーはほとんどが水分のため低く、100g当たりたったの16カロリーのみ。カロリーが低いうえに腹持ちがいいと言われているので、ダイエットに最適な野菜なのです。

ナーベラーの定番料理「ナーベーラーンブシー」の作り方

島豆腐とポークと一緒にじっくり煮込み、ヘチマの甘さで飯がすすむ「ナーベーラーンブシー」の作り方をご紹介しましょう。

材料はヘチマ、島豆腐、スパム、みそ、みりん、酒、水。ヘチマは1cmの輪切り、豆腐は大きめに、スパムは短冊に切ります。油を引いて、スパムを炒め、スパムの油が溶けだしたら島豆腐を炒めます。島豆腐は少々きつね色になるまで中火で炒めます。ヘチマを入れて、強火で全体的に火を通します。しんなりして、へちまの汁気がでてきたら、調味料を入れて、少しとろみがつくまで煮込んで完成です。

ザ・ご当地検定の問題

Q. かつて鍋を洗う時にスポンジの代わりに用いられていたことから、沖縄県の言葉で「ナーベラー」とも呼ばれる食べ物は?

A. ヘチマ