沖縄の方言で「雑炊」や「炊き込みごはん」を指す言葉は?

沖縄には独特の名前の料理がたくさんありますが、今回ご紹介する料理も、知らない人が聞けばどんな料理か想像できないもの。元々は祝膳料理や法事料理として出されていたものですが、今ではコンビニやスーパーでも売られているほど親しまれている食べ物です。

「ジューシー」って?

ジューシーとは、豚バラ肉とひじきやにんじんなどの野菜を具材を、豚肉のゆで汁と昆布のだし汁で炊き込んだ沖縄風の「炊き込みご飯」です。沖縄では昔から冠婚葬祭の席や季節の行事などでは、必ず振る舞われる料理です。お盆には、那覇では生姜の葉を入れる「ウンケージューシー」、冬至には里芋や田芋を入れた「トゥンジージューシー」が定番で食べられています。食堂ではよく沖縄そばとのセットになっており、人気メニューの1つです。

「ジューシー」の名前の由来

「ジューシー」と呼ばれるようになった由来は、冷やご飯を活用する方法として誕生した「雑炊(ぞうすい)」が転じて、琉球語となったものと言われています。一緒に炊き込む具材によって呼び名が変わり、ニラなら「チリビラジューシー」里芋が入っていたら「チンヌクジューシー」、よもぎ入りだと「フーチバージューシー」などなど。旬の食材を取り入れた季節のジューシーができますね。

「ジューシー」には2種類ある

一般的にジューシーは「炊き込みご飯」と説明されていますが、実はジューシーには「ヤファジューシー」と「クファジューシー」の2種類あります。

ヤファジューシーは「ボロボロジューシー」とも呼ばれ、雑炊やおじやのような柔らかいもの。もう1つのクファジューシーは固いジューシー、こちらが炊き込みご飯のことをいいます。クファジューシーの方が行事料理として作られていましたが、最近ではコンビニでもジューシーおにぎりとして売られ、普段でも食べられています。

沖縄のお盆

ウンケージューシーが食べられる沖縄のお盆は、様々な行事や神事が旧暦に合わせて行われます。旧暦でお盆を行うため毎年旧暦の7月13~15日までがお盆の日となっています。沖縄の旧盆は、清明祭や旧正月と並ぶ、沖縄の大きな行事の一つとされています。

沖縄のお盆は3日間あり、1日目が(ウンケー)、2日目を(ナカヌヒー、ナカビ)、3日目は(ウークイ)といいます。

お盆の初日に当たる「ウンケー」では一般的に、まずご先祖様を家に迎える行事が行われます。ウンケーにてご先祖様を迎えた後のナカヌヒー(中日)とウークイ(最終日)は、一日三食料理を作り、ご先祖様と共にするのです。

お盆2日目の「ナカヌヒー」は、仏壇がない家では仏壇のある家を回り「お中元」を親戚中に届けてまわります。お仏壇がある家では、初日(ウンケー)と同じように、ご先祖様と共に過ごす一日です。食事は、朝食はまずお茶をお供えし、ごはんとおみそ汁、そして「ウサチ」と呼ばれる酢の物をお供えします。昼食はそうめん(にゅう麺)が定番で、お団子も一緒にお供えします。夕食になるとご飯とおみそ汁の他に、煮物料理を出します。

ウークイ(お盆最終日)は、ウンケー(初日)でお迎えしたご先祖様が、あの世へお帰りになる日です。ウークイの儀礼は夕方以降に行うので、朝と昼はナカヌヒー(中日)と同じように過ごしますが、夜には「ウサンミ」というお供え物である重箱に詰められた料理を食べます。この時に家族や親族が集まって賑やかに、お供え物を下ろして一緒にいただく「ウサンデー」を行います。

そして、最後に拝みを捧げて、ご先祖様があの世でお金に困らないよう「あの世のお金」である「ウチカビ」を燃やしてご先祖様をお見送りするのです。あの世ではウチカビ1枚が1万円だそうです。

沖縄の旧盆行事で欠かせないのが「エイサーの道ジュネー」です。今ではお祭りのイベントとして有名になりつつありますが、本来は地域の青年会がそれぞれの型を持って旧盆の夜に地域内を踊りながら練り歩く、沖縄の伝統芸能のひとつです。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 沖縄の方言で「雑炊」や「炊き込みごはん」を指す言葉は?

A. ジューシー