長崎の名物「ざぼん漬け」。この「ざぼん」とは何のこと?

「ざぼん漬け」は長崎の有名な銘菓です。この「ざぼん」とは何でしょうか?何を何につけているのか気になりますよね。長崎に行った事があるのならお土産屋さんでみかけた事もきっとあるはずですし、食べたことがあるという人も多いでしょう。

ざぼん=ぶんたん=ぼんたん

ざぼんはみかんなどの柑橘類の一種でアジア南部原産です。ハッサクやグレープフルーツと同じ仲間で、地域によって呼び名は変わりますが「ぶんたん」や「ぼんたん」「ざんぼあ」「じゃぼん」などとよばれています。「ざぼん」という独特の言葉はポルトガル語だそうです。木の高さは三メートル以上に達し、とても大きな実をつけ、その果肉はおいしく食べる事はでき、かつては船員達が水がわりに食していた果物で、ちょっとほろ苦くて、果汁たっぷりなざぼんは長い航海の旅をしている船員たちの喉を潤したそうです。船に柑橘類とは、なんだか漫画ワンピースを思い出しますね。

ザボン漬けの歴史

ざぼんは1688年(元禄元年)から1780年(安永9年)の間に日本に伝わったとされています。広東と長崎を行き来する貿易船が遭難し、鹿児島の阿久根に漂着した際、船長の謝文旦から救助のお礼に贈られたという説もあります。この船長の名前である「謝文旦」=「文旦」=「ぶんたん」という名前になったという事です。

その後、インドシナやマレ-半島に広がりながら種類を増やしていき、ポメロの名で西に伝わり、中国から台湾や沖縄などの東には、「ざぼん」や「ぶんたん」の名前で伝わっていったのではないかと考えられています。

「ざぼん」の読みに関してはセイロン(スリランカ)で「ジャムボ-ル」と呼ばれたブ「ぶんたん」の実をポルトガル人が「ザムボア」と呼んでおり、それが日本に伝わったのではないかという説もあるようです。

中国から伝わった「ざぼん」は、春に驚くほど大きな果実をつけます。
しかし、その皮はとても厚く、皮を剥くと、直径20cmくらいのものも半分くらいの実になってしまいます。
柑橘系のくだものとしては水分が少ないく感じますが、しゃきしゃきとした食感とほんの少しのほろ苦さがくせになります。

さて、このとても厚く、実の約半分ぐらいである皮を美味しく食べたいと、ざぼんの中皮を砂糖漬けにしたものが、「ざぼん漬け」になります。
実は「ざぼん漬け」は、実ではなく「皮」を食べるのです。

長崎に「ざぼん」が伝わったのは1667年(寛文7)だそうです。商品として「ざぼんの砂糖漬け」は1869年(明治2)に鹿児島市の文旦堂初代坂之上次助によって開発されました。ざぼんの魅力の多くの人に届けたいと、試行錯誤して作り上げたそうです。

そんな「ざぼん漬け」は今では人気のお土産ですので、沢山の種類が出ています。
特殊な方法で中身を摘出された、見た目が嬉しいまるごとそのままの「ざぼん漬け」などはインパクト抜群ですね。また、限られた真夏の期間にだけ採れる若いざぼんを独特の製法で加工したものなど各メーカーで趣向を凝らした商品がでているようです。

ざぼん漬けの作り方

ざぼん漬けはご家庭でも作る事が出来ます。ざぼんを買ってきて、食べたは良いけれども、この分厚い皮を捨てるのはもったいない…。と思う気持ちは同じですよね。簡単なざぼん漬けの作り方を紹介しますので、ご家庭でも一度作ってみてはいかがでしょうか。

まず、ざぼんの皮を用意します。使用するのは黄色い部分ではなく、実と皮の間の白い部分ですので、一番外の皮はピーラーなどでのぞいておきます。食べやすい大きさにカットしたらお鍋にざぼんの皮がひたるぐらいの水をいれ、透明になるまで煮ます。煮あがったら水にさらして一晩おきアクをとます。鍋に砂糖と水を入れ、煮立ったらさぼんを絞り、なじませます。汁気がなくなるまで煮るとできあがりです。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 長崎の名物「ざぼん漬け」。この「ざぼん」とは何のこと?

A. 果物