第1回全国丼グランプリ金賞!長野県産の野菜とお肉を使った、ご当地丼とは?

信州そばやおやきなどの郷土料理が人気の長野県であっても、新たなご当地グルメを開発し、町のPRに励んでいます。松川町で開発されたご当地丼は、第1回全国丼グランプリ金賞を受賞しました。本記事では、その特徴や魅力などを紹介します。

地産地消をコンセプトにしたご当地丼

長野県の南部、そして伊那谷のほぼ中央に位置する松川町は農業を基幹産業とする町で、りんごや梨などの果樹栽培が盛んです。そんな松川町で開発されたのが「ごぼとん丼」です。ごぼとん丼に使われる黒豚は、地元で栽培されたりんごや梅などのフルーツを食べて育っているのが特徴です。豚のエサは、肉の味に影響を与えます。甘みの強い食物を食べさせると肉にも甘みが出るため、さつまいもやビートを与えられて育つブランド豚は少なくありません。りんごを食べて育ってもやはり肉に甘みが出て、さらに肉質が非常に軟らかくなると言われています。

ごぼとん丼は、2005年に地元有志が開発しました。地産地消をコンセプトにしているので、ごぼうも地元産を使用しています。地元産の豚肉とごぼうを使っていれば、飲食店ごとに味付けは自由です。ただし、厚切りの黒豚ばら肉と歯ごたえを残して甘辛く煮たごぼうが共通点です。味付けはとろみのあるタレを絡めたタイプが主流で、見た目がチャーシューのようなタレなしタイプもあります。肉のとろける食感と歯ごたえのあるごぼうの食感はコントラストが利いていて、食べ進めても飽きません。

ごぼとん丼を提供するのは松川ごぼとん丼会の会員になっている飲食店に限定されており、2019年6月時点では5店舗あります。2014年に第1回全国丼グランプリのご当地丼部門で金賞を受賞したのは、会の代表である和食料理店の「美富久」です。なお、全国丼グランプリは、全国丼連盟主催のイベントです。第1回目には全国約1300店舗から応募が集まり、第1次審査で全国丼連盟が300店舗に絞り、第2次審査はインターネット投票にて行われました。美富久が作るごぼとん丼は、2cm以上の厚切り肉と軟らかめに煮たごぼうに、コクのある甘めのタレがかかっているのが特徴です。

松川町の養豚場の一つに、「さんさんファーム」があります。遊休農地の増加や宅地化に伴う農地の減少を問題視した町内の農家4軒が合同で設立した会社です。借りた遊休農地で黒豚を飼育し、フンから作った堆肥で果樹を育てる循環型有畜複合農業を行っています。加えて、果樹は減農薬栽培です。ソーセージやハムなど、黒豚の加工品も製造・販売しており、果樹もジュースなどに加工して販売しています。ソーセージ類はできるだけ副材料も地元産を使用し、りんごのチップでスモーク、無駄な材料は使っていません。加工場は旧生田村役場の建物を借りて移築および改装した建物で、味わいがあります。さんさんファームでもレトルトパウチ加工した独自のごぼとん丼を用意しているので、松川町を訪れた際は足を運んでみてはいかがでしょうか。

夏はキャンプも楽しめる松川町

アルプスに抱かれた里山風景が魅力の松川町では、自然を活かした観光活動を行っています。春から晩秋にかけておすすめなのが、「くだものの里まつかわ」で実施する「ツリードーム南信州まつかわ」です。ツリードームはベルギー発祥の木に吊るしたテントを指し、樹芸家と建築家が合同で考案したと言われています。野外宿泊でありながら、準備不要の手ぶらキャンプが最大の魅力です。また宙に浮いているため、アリなどの地上を歩く虫が入ってきにくいのも嬉しいところ。宙に浮いているのは心許無いという人は、据え置きテントも選べます。

ツリードームの中はテーブルやチェアだけでなく、ソファベッドも備えられており、ホテルライクです。オプションでバーベキューなどの食事や体験プログラムが用意されており、入浴は近所の天然温泉施設を無料で利用できます。高速インターチェンジから約5分と、交通アクセスも良好です。

フルーツ収穫体験もおすすめ

フルーツを食べて育った柔らかな黒豚を使用したごぼとん丼を、ぜひ食べてみてくださいね。また、松川町では様々なフルーツを栽培しています。各農園で収穫体験を行っているので、好きなフルーツが収穫できる季節に訪れるのもいいでしょう。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 長野県産の野菜とお肉を使った、ご当地丼といえば?

A.ごぼとん丼