熊本の高級名産品といえば馬刺し。そんな馬刺しをなんと納豆に混ぜて作る少々変わった居酒屋メニューがあるのをご存知ですか?
熊本の名物メニュー「さくら納豆」
「さくら納豆」は馬刺しに納豆を混ぜただけのシンプルな熊本の郷土料理。
意外な組み合わせかもしれませんが、馬肉と納豆がまろやかでとても美味しくベストマッチ。
熊本ではメジャーな酒の肴・小皿料理で、馬肉料理店のほか大抵の居酒屋で出している人気のメニューです。
作り方はとっても簡単!包丁で細かくたたいた馬肉に納豆を合わせ、器に盛り付けます。葱やあさつき、海苔などを散らし、中央に窪みを作り、うずらの卵を落とします。味付けは甘めの醤油がおすすめ。みりんやごま油等でお好みに仕上げます。
その店毎にバリエーションも様々で、馬肉を細かく切るのか叩くのか、納豆も馬肉と一緒に叩くのか、納豆はそのままか、ふたつを混ぜるのか納豆の上に馬肉を乗せるのか、そして薬味に何を添えるのか等・・・色んな店で食べ比べてみるのも楽しい一品です。
生産量日本一の熊本の馬刺しとは?
馬刺しの生産量としても日本一を誇る熊本県ですが、馬肉の消費量も日本一と言われています。
熊本の馬刺しは、臭みもなく独特な甘みがあり、柔らかく口の中でとろける様な食感が特徴です。
馬刺しはとてもヘルシーな食材で、低カロリーな上に、低脂肪、低コレステロール。さらには栄養も豊富で鉄分、カルシウム、ビタミンA・Eが含まれています。熊本の馬刺しは、臭みもなく独特な甘みがあり、柔らかく口の中でとろける様な食感です。
もちろん地元熊本でも馬刺しは高級食材で、お祝いの席には「馬刺し」は欠かせません。ご馳走メニューの中でも一際喜ばれるとっておきの食材です。
馬肉が「さくら肉」と呼ばれる理由とは?
昔から、馬肉はさくら肉と呼ばれていますが、その語源には諸説あるようです。
- 隠語説
馬肉を公に食べることができなかった時代に「桜」と置き換えて呼ぶようになった説。
- 桜の季節が美味しい説
馬が餌を沢山食べて冬を越し、脂が乗って一番美味しい旬が、桜の咲く時期だった説。
- 桜色説
新鮮な馬肉が桜色で、捌いてすぐの馬肉は淡い桜色をしている説。
- 地名説
千葉県佐倉市に幕府直轄の牧場があり、江戸時代の人々のイメージが「馬といえば佐倉」だった説。
馬肉は昔からたくさんの人に親しまれていたようで、語源を探るだけでも歴史や食文化までも感じられます。
馬肉=さくら、鹿肉=もみじ…なぜ肉なのに植物の名前?
馬肉を「さくら」と呼ぶ以外にも食肉には別の呼び名がありますが、肉の別称にはこのようなものがあります。
・馬肉(さくら)
・鶏肉(かしわ)
・鹿肉(もみじ)
・猪肉(ぼたん)
九州のスーパーでは、鶏肉をかしわで表記する店も多いのですが、なぜ、食肉には花の名前がついているのでしょう。先に述べた隠語説を用いて探ってみます。
食肉に別称が付けられたのは、江戸時代前期。五代将軍・徳川綱吉によって施行された「生類憐みの令」により、生き物を食べることが禁忌となり、それまで食用として扱われていた家畜や野生の動物や鳥の殺生も禁止となりました。禁令が厳しさを増す中、町民たちが苦肉の策として始めたことが、肉に別の名前を付けること。畜産では「さくら」や「かしわ」、狩猟では「もみじ」や「ぼたん」と肉に植物の名前をつけ、世の中に流通させました。この言い換えを「肉の隠語」と呼び、人々に深く浸透し、禁令が廃止されたあともいまだ広く使われ、現代まで受け継がれてきているようです。
猪肉については「山くじら」という隠語もあったようです。くじらは魚の扱いで「生類憐みの令」から外れていたのもおもしろいですね。
自宅で「さくら納豆」を楽しむには!
お取り寄せを使って、おうちで「さくら納豆」!
最近では、ネット販売などで熊本のおいしい馬肉が全国どこでも手に入ります。生食用の馬肉は、国産・外国産を問わず法律により冷凍が義務付けられていて、食肉加工後、48時間以上をかけて中心まで凍結させることで流通できるようになります。ご家庭には冷凍された状態の新鮮な馬肉が届きます。ぜひ、生食用の馬刺しを使ってご家庭でもさくら納豆にチャレンジしてはいかがでしょう?
お取り寄せの馬刺しを使う際のポイントは、できるだけ調理・提供の直前に解凍することです。氷温でじっくり解凍し、半解凍でスライスするのがおいしさの秘訣です。袋ごと、氷を入れた水に漬ける「氷水解凍」も失敗しにくくお奨めです。
まだ硬さの残る半解凍状態なら、きれいに適切な薄さでスライスできて、盛り付け・提供する間にほどよく自然解凍します。馬ユッケを使用すれば、手数だけでなく心配も低減することができます。
お酒が進む「さくら納豆」。ちょっと贅沢なおつまみを、ご家庭でもいかがでしょうか?
ザ・ご当地検定の問題
Q.馬刺しと納豆を混ぜて作る、熊本の居酒屋メニューは?
A.さくら納豆