横浜市の『ホテルニューグランド』で考案されたといわれるデザートは?

ホテルニューグランドでは、「ナポリタン」など、広く親しまれている料理が多く考案されています。考案された料理に関するエピソードや歴史、どのような味かなど、様々な視点から見ていきましょう。

誕生の経緯

ドリアを考案したのは、ホテルニューグランドで初代総料理長を務めていたサリー・ワイルでした。就任当初から、メニュー以外の料理の注文にも応じるスタイルをとっており、ある時体調の良くないお客様から「体に優しいメニューを」という要望を受けて即興で創作したものだったのです。その時に作ったものは、野菜と一緒に炊いたバターライスの上に海老のクリーム煮を乗せ、グラタンソースとチーズをかけて、オーブンでこんがり焼いた料理でした。これが好評だったため、その後「ドリア」として、ホテルニューグランドのレギュラーメニューとなったのです。

プリンアラモードは、もともとは終戦後の進駐軍に接収されていた時代、米兵の婦人たちのために、見た目が華やかでボリューム的にも満足できるデザートとしてパティシエが考案した一品でした。味だけではなく、量もアメリカの方に合わせる必要がありましたので、プリンの他にアイスクリームや果物、生クリームなどと組み合わせて出すことになったのです。ボリューム的に従来のデザート皿に乗せることは難しかったため、コルトンディッシュという特殊な皿を使用することになりました。その洗練されたスタイルから名付けられたのが、「プリンアラモード」だったのです。

優しく上品な味

コクがあるのに優しい味という点が、ホテルニューグランドのドリアの特徴です。チーズは仕上げの焼き色を付けるために少しだけ振る程度ですので、一般的なドリアの場合と比較して、コクがあるのにくどさを感じない味わいとなっています。海老と帆立で作るクリーム煮とお米を絡ませ、お米にも旨味をしっかり含ませているところも、あっさりいただける味に仕上がっているポイントです。保温性の高い食器を使用していますので、時間が経っても温かいまま、最後まで熱々で食べることができます。

プリンアラモードの特徴は、やはり硬めに焼かれているプリンと、上品な甘さである点でしょう。懐かしい味わいのプリンであるともいえます。手作り感のある濃厚なカラメルソースが、プリンの味をさらに引き立たせています。それに加えて、バニラアイスと甘さ控えめのクリーム、リンゴやキウイ、オレンジなどのフルーツの酸味が、絶妙にマッチしている一品です。

横浜を見守る老舗ホテル

神奈川県に位置するホテルニューグランドは、2017年に開業90周年を迎えました。横浜の街を古くから見守り続けている、老舗ホテルです。アメリカの連合国軍最高司令官・マッカーサーや、喜劇俳優・チャップリンなどを迎えた、伝統的なホテルでもあります。ヨーロピアンテイストをメインとした華やかな館内も、見どころの1つです。日本にいることを忘れそうになるほど、美しいヨーロッパの雰囲気が漂っているホテルです。目の前には、山下公園や大桟橋埠頭があり、観光の拠点としても利便性の良い立地条件にあります。宿泊しなくても、レストランで食事をすることが可能です。

レストランには、開業当初から特に力を注いでいました。「最新式設備とフレンチ・スタイルの料理」をキャッチフレーズとし、ドリアやナポリタン、プリンアラモードなどをはじめとした日本の食文化に、多大な影響を与えています。レトロで落ち着いた雰囲気の店内も魅力です。

受け継がれている志

変わらない味を守っていく上で、大切にされているのが、初代料理長から受け継がれている志です。まず最初にお客様が喜ぶおいしいものを出す、ということがあり、その気持ちが、ホテルニューグランドの味を守ることに繋がると考えられているのです。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 横浜市の『ホテルニューグランド』で考案されたといわれるデザートは?

A.プリンアラモード

Q. 横浜市の『ホテルニューグランド』で考案されたといわれる料理は?

A.ドリア