石川県白山市の『若竹』で提供される、卵かけご飯を丸く焼いた料理とは?

石川県のとある町で一段階進化してしまった卵かけご飯をご紹介します。名前もユニークなその料理とはいったいどのようなものなのでしょうか。さっそくご紹介します。

卵かけご飯さん、石川県で進化してしまう

日本人なら好きか嫌いかは別として、TKG=卵かけご飯を食べたことがない人はいないのではないでしょうか。では「TKGY」は?きっとどんなものかすらわからないという人のほうが多いでしょうね。「TKGY」は「T=卵、K=かけ、G=ご飯、Y=焼き」の略。ざっくり説明すると、卵かけご飯を焼いたものです。これは、石川県白石市にある鶴来という町の商工会青年部が開発した新しいご当地グルメです。開発というと大げさですね。どうやら、商工会青年部のメンバーがお好み焼き屋さんで卵かけご飯を食べようとして、それを何気なく鉄板で焼いてみたら、けっこうおいしかったというのが発祥のきっかけであるようです。

ただ、さすが商工会のメンバー。自分が楽しんで終わりにはしませんでした。彼は次に、この焼いた卵かけご飯をひっさげ、地元ご当地グルメ大会に参加します。するとここでも好評で、800食を完売。この新しい料理は「TKGY」と名付けられ、「つるぎTKGY戦略室」が立ち上げられて、鶴来のご当地グルメとして町内の飲食店で提供されるようになりました。なお、溶いた卵にご飯を混ぜて焼く料理は明治時代にすでに東京の洋食屋で開発されていることは秘密です。

TKGYは石川県内のスーパーでも販売されるように

TKGYの特徴は、石川県産の米と卵を使って、だし醤油で味付けしてあるということ。外はカリッと中はふわっと焼かれているということ。つるぎTKGY戦略室では、石川県産の米を白山の伏流水で炊く、調味料は鶴来製のものを使う、あと「T=つるぎ、K=から、G=元気と、Y=勇気を発信するつもりで焼く」という3か条も考えられました。3つ目のダジャレはともかく、地元産品を使うというこだわりは、ご当地グルメには必須のものではないでしょうか。逆に、これさえ守ればあとはアレンジ自由というのもまたご当地グルメらしいです。

TKGYは、2011年から鶴来の飲食店で提供されるようになりました。初年度の参加店は8店舗。その中でも第1号店と認定されているのが、お好み焼き屋さんの若竹です。明確には書かれていませんが、この若竹こそ、TKGYが生まれた店と言われています。その若竹では、和牛の牛すじ煮込みを混ぜたものと、カレー味のもの、2種類のTKGYが提供されています。他の店舗では、イタリアン風のもの、カニ玉風のあんかけタイプのものなどが食べられます。また、年ごとに参加店舗が増えており、現在では石川県内のスーパー「マルエー」でも販売されているようです。

鶴来への行き方と見どころ

TKGYは作り方を知れば自宅でも簡単に作れます。でも、地元産のものを使った鶴来の味は、やはり鶴来でしか食べられません。鶴来へは金沢駅からJR北陸本線で西金沢駅へ、西金沢駅から新西金沢駅に移動し、北陸鉄道石川線に乗り換えて鶴来駅下車。金沢からおよそ40分弱で行けます。北陸本線で首都圏から行きやすくなった金沢。そのついでに、鶴来までご当地グルメを食べに行ってみるのもまた楽しいかもしれません。

鶴来にもいくつか見どころがあります。まずは、日本有数の金運アップパワースポットと言われている金劍宮。伝説では3世紀ごろ創建と言われています。それは盛り過ぎとしても、すでに平安時代にはあったことが確かで「鶴来」の町名の由来ともなっている町の中心となる神社です。昆虫好きの人には石川県ふれあい昆虫館もおすすめ。単に昆虫標本が置いてあるだけの簡単なものではなく、温室で年中蝶が見られる「チョウの園」、広大なビオトープ「みどり池」などかなり本格的です。

白山の大自然に包まれながらTKGYを味わってみてはいかが?

TKGYが食べられる鶴来もある石川県白山市は、市全体で「白山手取川ジオパーク」をなしています。雄大な白山のふもとで、北陸独特の自然や文化、そして新しいグルメを味わうのも旅のだいごみではないでしょうか。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 石川県白山市の『若竹』で提供される、卵かけご飯を丸く焼いた料理は?

A. TKGY

Q. 石川県の鶴来にある、金運アップパワースポットとして有名な神社は?

A. 金劍宮