茨城県筑西市で食べられる「しょーぴきもち」に使われる魚とは?

茨城県筑西市とその周辺地域の家庭で食されている「しょーぴきもち」。お正月の三が日に食べるという風習があります。「しょーぴき」は、焼いた切り餅と一緒に食べます。

しょーぴきもちは正月三が日

茨城県筑西市と周辺地域のお正月の三が日の朝食はしょーぴきもちだけを食べるそうです。さらに男性が支度(調理)をします。普段炊事している女性に、正月の三が日んの朝くらいは休んでもらうためだそうです。食べ方としては、焼いた鮭の身をほぐし、焼いたもちに、つけたり、のせたり、はさんだりして食べます。鮭ともちが絶妙にマッチし、塩鮭の塩加減がちょうどよい感じになります。家によっては、焼いた餅を一升枡にいれ神棚にお供えした後食べることもあります。食されるようになった由来ははっきりしませんが、戦国大名佐竹氏家臣の正月膳の一品であった、お歳暮の定番塩引鮭とお正月のもちを一緒に食べたことからという説があります。

鮭が帰ってくるまち筑西市

茨城県筑西市は、2005年に1市3町が合併して誕生しました。生産量県内1位の梨の生産や小玉スイカを生産しています。自然豊かで筑西市を流れる勤行川(ごんぎょうがわ)は、サケが帰ってくる川として有名です。「鮭が帰ってくるまち筑西市」と銘打ち、鮭の遡上期間中にイベントを開催しています。勤行川では、遡上するサケの魚影や、産卵の様子を河岸から間近に見ることができます。

サケには、母川回帰(ぼせんかいき)という習性があります。生まれた川に帰ってきて産卵するということです。稚魚は4センチ~10センチくらいになると、川を下り一気に海へ出ます。日本からおホーツク海、ベーリング海を回遊し、4年という歳月をかけて再び日本へ帰ってきます。遡上産卵を見ることができる期間は、11月上旬から12月上旬くらいで、ピークは11月中旬頃だそうです。地元有志による河川の清掃活動により、大切に守られ育まれています。

交通アクセスは、車なら、東北自動車道佐野・藤岡I.Cから国道50号で60分、常磐自動車道谷和原I.C.から国道294号で60分、北関東自動車道桜川筑西I.Cから国道50号で20分。電車なら、JR水戸線下館駅下車です。

自然の神秘と人が作り出す芸術

サケの遡上は自然の作り出す神秘です。ここ茨城県筑西市には、多くの史跡、文化財があり、人が作り出す芸術にも触れることができます。

しもだて美術館は、日本芸術院会長の池原義郎氏により設計され、ガラス張りの空中回廊からは、関東の名峰筑波山を見ることができます。しもだて地域交流センター3Fにあり、周辺には歴史的建造物がが点在しており、散策しながら楽しめます。芸術教育のためにと、高校生以下は入館無料となっており、芸術意識の高さが感じられます。

板谷波山記念館は、陶芸界で名を馳せている板谷波山氏の作品や、実際に使用していたロクロ台や道具なども展示されています。名前の「波山」は故郷の名山「筑波山」に因んだものだそうです。陶芸家として初の文化勲章受章者であり、陶磁器づくりのためには一切の妥協を許さなかった波山の生涯は映画にもなっています。

筑西市は自然環境を大切にし、エコな取り組みをしています。「筑西遊湯館」は、ごみ処理の過程で発生する蒸気を利用して、温水プールやお風呂を運営いています。健康増進施設となっており、1Fには、癒し処、食事処、広間、研修室があり、2Fには、スイミングプール、和風風呂・洋風風呂・露天風呂、サウナ、トレーニングルームなどがあります。低料金で1日を満喫することができます。

郷土料理しょーぴきもちに魅せられて

茨城県筑西市のしょーぴきもち。料理一品の由来を知ることで、奥深く知ることや、横道にそれて知ることもあります。そんな思いにふけりながらしょーぴきもちを食してみると、一味も二味もちがった味わい深いものになります。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 茨城県筑西市で食べられる「しょーぴきもち」に使われる魚は?

A.サケ

Q. ガラス張りの空中回廊が特徴的な、茨城県筑西市の美術館は?

A. しもだて美術館