印籠の形をした器が特徴の「印籠弁当」は、何県の駅弁?

皆さんは、「印籠弁当」をご存知でしょうか?水戸黄門様の印籠を重箱の形にアレンジした名物駅弁です。特徴的な器の形やその中身、購入できる場所などをご紹介していきます。

見て楽しい、食べて美味しい、食べた後まで楽しめる

茨城県の名物駅弁である印籠弁当、特徴的なのは何と言ってもその容器の形でしょう。時代劇「水戸黄門」でもお馴染みの印籠をアレンジした弁当箱になっています。本物の印籠は4段ほどありますが、この印籠弁当は2段の重箱型です。上段はおかずのみ、下段にはおかずと炊き込みご飯が入っていて、いずれも茨城県産の食材を使用しています。また、青梅の甘露煮、豚肉の梅和えなど「水戸の梅」にちなんだおかずが入っていて、目だけでなく舌でも楽しむことができます。

駅弁には、食べ終わった後の容器を洗うことで再利用できるものもありますが、印籠弁当もその一つです。2段に分かれているため、弁当箱だけでなく小物入れとして使うのもよいでしょう。旅の思い出になり、職場などに持っていけば会話のネタにもなるかもしれません。ただし折りたたみなどはできないため、持ち帰る場合は「かさばること」と「衛生面」に注意しましょう。

印籠弁当はどこで買える?

印籠弁当は、水戸駅の構内や改札外のコンビニ(ニューデイズ)で毎日販売されています。その他にも、製造・販売元である「お弁当の万年屋」の店舗がある鹿島臨海鉄道大洗駅やアクアワールド大洗、国営ひたち海浜公園内売店や梅まつり期間中の水戸偕楽園内売店でも購入することができます。特急列車などでの車内販売は行われていないため、移動中の食事として楽しむ場合は乗車前にコンビニや売店などで購入しておきましょう。

販売場所と関連する観光スポットとして、水戸偕楽園と国営ひたち海浜公園は見逃せません。水戸偕楽園では1月中旬から4月上旬頃までの間に約3,000本もの梅が咲き誇り、国営ひたち海浜公園はチューリップやヒマワリ、ネモフィラなど四季を通じて花々を楽しむことができます。どちらもおすすめですが、休日など混雑する日には売り切れてしまう可能性があるため注意しましょう。現地に向かう途中の売店で購入するか、早いうちに現地に行って園内で購入してから散策するのがよいと思います。荷物にはなってしまいますが、きれいな景色の中で食べるお弁当はまた格別ではないでしょうか。

茨城県内であれば電話での配送が可能ですが、県外から通販などで注文することはできません。インターネットで検索するとフリマサイトなどで弁当箱のみが出品されていることもありますが、あくまでも「空の弁当箱」なので注意が必要です。

印籠弁当の紆余曲折

食べる前から食べた後まで楽しめる印籠弁当ですが、実は人知れぬ苦労があるのです。現在の製造・販売元は大洗の老舗弁当屋である「お弁当の万年屋」ですが、元々は水戸の老舗弁当屋として有名な「お弁当の鈴木屋」が水戸駅の駅弁として製造・販売をしていました。この「万年屋」と「鈴木屋」は、それぞれ看板メニューを持つ弁当屋同士でライバル関係にあったそう。ところが、この鈴木屋さんが閉店することになったのです。

このとき、「印籠弁当の伝統を途絶えさせたくない」との思いから鈴木屋さんが万年屋さんに託し、万年屋さんがそれを受け継いだことで残ることができました。当初はイベント限定や予約限定での販売のみでしたが、水戸駅での販売再開やメニューのリニューアルを経て、水戸駅の名物駅弁として復活することができたのです。

「印籠」を思い出に

茨城県が誇る名物駅弁「印籠弁当」について、その魅力や歴史、楽しみ方などをご紹介しました。「駅弁は旅行の楽しみの一つ」という方もそうでない方も、茨城観光のお供として、旅の思い出として、ぜひ印籠弁当を購入してみてはいかがでしょうか。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 印籠の形をした器が特徴の「印籠弁当」はどこの都道府県の駅弁?

A.茨城県