兵庫県明石市の名産「海藤花(かいとうげ)」は何の卵?

みなさんは『海藤花(かいとうげ)』をご存知ですか?「海の藤の花」という何とも優美な名前ですが、実は藤の花からはちょっと連想しにくいある生き物の卵なのです。

海藤花って?

『海藤花』とは、タコの卵から作られる食品です。ケシ粒状の卵の粒がびっしりと連なって、料理をした時に藤の花が垂れ下がるさまに似ていることから、江戸時代に明石藩の儒者によってその名前が付けられました。

どうやって食べるの?

さっと茹でて、お吸い物に入れたり、みりんとお醤油で甘辛く煮詰めて甘露煮風にしていただきます。新鮮な海藤花は塩出しにして、三杯酢に合わせると、とてもお酒に合うといいます。とは言え、海藤花が鮮魚店の店先に並ぶことはほとんどなく、明石ダコの海藤花は地域限定の味として受け継がれています。

歴史の町、明石

海藤花の産地・明石は、明石城を中心に城下町として栄えた町です。江戸時代の剣豪・宮本武蔵が明石の町割りをしたとも伝えられていて、万葉の歌人・柿本人麻呂が残した歌の石碑など、そうそうたる歴史上の人物にゆかりのある史跡が数多く残されています。

明石城は1619年(元和5年)に初代明石藩主の小笠原忠政(後の忠真)によって築城された、約400年の歴史を誇るお城です。1957年(昭和32年)に巽櫓・坤櫓が国の重要文化財、そして2004年(平成16年)には城跡(明石公園の一部)が国の史跡に指定されました。別名「喜春城」とも呼ばれ、堀や石垣も広範囲に残っており、2006年(平成18年)には「日本100名城」にも選ばれました。

善楽寺は戒光院・実相院・円珠院の総称です。明石で最も古い寺院で645年にインドの高僧・法道上人によって創建されたといわれています。のちに火災によって焼失しましたが、平清盛によって再興されました。その平清盛を供養したという『平清盛五輪塔』があります。また、戒光院は『源氏物語』に登場する明石の君の父・明石の入道の『浜の館(たち)』跡とされており、境内には『明石入道の碑』や『浜の松の碑』が建立されており、源氏物語に描かれた情景を偲ぶことができます。円珠院には宮本武蔵が作庭したと伝わる枯山水があります。

世界最長の吊り橋・明石海峡大橋

明石海峡大橋は明石海峡を横断して架けられた全長3,911メートルの世界最長の吊り橋です。海面にそびえ立つ2つの主塔は海面から約300メートルの高さがあり、圧巻です。『パールブリッジ』の愛称を持ち、夜にはライトアップされ、真珠を連ねたような美しく雄大な全容を見ることができます。

「時と宇宙」をテーマとした博物館

明石市立天文科学館は、1960(昭和35)年に東経135度の日本標準時子午線上に建設されました。シンボルの文字盤の直径6.2mの塔時計(3代目)が日本の標準時を示しています。現役では国内最古のプラネタリウムをはじめ、天体や宇宙に関する展示物も多く、多くの方々が訪れています。

新鮮な魚介類が食べられる明石

明石海峡付近は瀬戸内海でも有数の豊かな漁場です。そこで獲れた魚介類は、『昼網』と呼ばれる独自のセリにより、朝に水揚げされた魚が昼ごろには鮮魚店の店頭に並び、新鮮な海の幸が味わうことができるのです。卵がたっぷりのふわふわ生地の中に大きくて歯ごたえのあるタコが入った明石焼きは明石の名物です。

身の引き締まった明石鯛は、国内でも一級品として有名です。鯛の姿焼きは今でもお祝い事や贈答品として、重宝されています。地元で『うおんたな』の愛称で親しまれる魚の棚商店街では、鮮魚店や海産物の商店が100店舗以上軒を連ね、食べ歩きにも最適です。海藤花も食べられるかもしれませんね。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 兵庫県明石市の名産「海藤花(かいとうげ)」は何の卵?

A. タコ