兵庫県豊岡市出石町の郷土料理「出石そば(いずしそば)」。通常、一人前は何皿?

兵庫県豊岡市の出石と言えば、関西屈指のそば処として有名です。そして出石の郷土料理と言えば、もちろん出石そば。300年以上の伝統を誇るこのおそばは、ちょっと変わった食べ方をするのです。

そばが盛られた小皿がずらりと並ぶ

出石そばは、出石焼の小皿に盛られた皿そばを、何枚も食べる独自の食べ方をします。基本的に一人前が5皿で、まだまだ食べたい!という時は、多くのお店で一皿ずつ追加注文することができます。

薬味は玉子、とろろ、ネギ、大根おろし、塩、わさび、生卵など。まずは徳利に入ったつゆを少しだけそば猪口に注ぎ入れ、そこにそばをつけて食べます。一皿目は何もつけずにそのままいただき、そば自体の味を味わいましょう。お次は薬味のねぎやわさびを足して、さっぱりといただきます。その後に生卵やとろろを入れて味のバリエーションを楽しみます。最後はそば湯で締めましょう。

出石そばのルーツを辿る

出石そばは、江戸時代中期の宝永3年(1706年)に、信州上田藩から但馬の出石藩にお国替えとなった仙石政明氏が、信州からそば職人を伴ってきたのが始まりと言われています。

信州そばの技法に、出石に元からあった技術が加わり、出石そばが生まれました。出石そばの信条である「挽きたて」「打ちたて」「茹がきたて」の「三たて」の製法は、現在に至るまで受け継がれています。

出石焼とは

出石そばで使われる出石焼の特徴は、国内でも珍しく白磁がメインになっているという点です。一点のにごりもなく焼き上げられた磁器は、他に比べられないほどの白さです。

伝統がある白磁の彫刻一本を極める窯元や、繊細な絵付けのタッチでオリジナルに溢れた器を作る窯元などそれぞれの窯元で様々な出石焼が作られているのです。艶やかで美しい白さをもつ出石焼の器は、日常的の食器として使っても申し分ありません。

但馬の小京都「出石」を巡ろう

立派な石垣を持つ出石城跡に、日本最古と言われる時計台が佇む歴史的で情緒ある街並みは「但馬の小京都」と称され、ぜひ訪れてみたいところ。魅力あふれる観光スポットをご紹介しましょう。

まずは、辰鼓楼(しんころう)の大時計。出石のシンボル的な存在で、日本最古の時計台です。明治4年(1871年)旧三の丸大手門脇の櫓台に建設されました。明治14年に寄贈されてから、代替わりされながら今も現役で時を刻んでいます。観光センターの近くにあり、周辺にも見どころが色々とあるので、街歩きの目印にもなります。

もちろん、出石そばの食べ歩きも外せませんね。町にはたくさんのそば屋があり、お店ごとに特色があって、どのお店に入ろうか目移りしてしまいます。

但馬國出石観光協会では、出石皿そば巡りとして「出石皿そば巡り巾着セット」が販売されているので、これを利用して巡ることもできます。出石の特産品「出石ちりめん」を使用した巾着の中に、永楽通宝が3枚入っており、永楽通宝1枚で出石皿そば一人前(3皿)が食べられます。

食べるだけでなく、自分でそばを打ってみる「そばうち体験」ができるお店もあります。自分で打った出石そばはまた格別の味がすることでしょう。

そして、近畿最古の芝居小屋「出石永楽館」もぜひ訪れてみたいところ。明治時代に建てられたこの芝居小屋は、上方歌舞伎(主に関西地方で上演される歌舞伎)の役者を招いての上演会が開催され、全国から観客がやってきて満席になるほど大人気です。舞台のすぐそばまで席があり、臨場感も味わえるこの芝居小屋は古き良き昔ながらの雰囲気を今に残しています。

出石城跡は出石藩5万8000石の藩庁であり、藩主の居城だった出石城でした。本丸より上に稲荷神社が建立されている稲荷郭があり、桜の名所としてお花見シーズンには多くの人で賑わいます。

観光にグルメに盛りだくさんの出石、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 兵庫県豊岡市出石町の郷土料理「出石そば(いずしそば)」。通常、一人前は何皿?

A. 5皿