北海道でなますにされる「氷頭」とは、どんな魚の軟骨?

北海道は、トウモロコシやジャガイモなどの農産物だけでなく、カニやイクラ、ウニなど海産物も日本で一番豊富といえる地域で、氷頭なますという郷土料理がありますが、それはどのような料理で、どうすれば食べることができるのでしょうか。

北海道の氷頭なますはどのようなものか?

北海道の郷土料理に「氷頭なます」というものがあります。氷頭とは鮭の鼻先から目にかけての軟骨部分のことで、氷のように透き通っていることからつけられた名称です。なますは生の魚介類や野菜、果物などを細かく切って、酢を主とした調味料であえた料理のことです。氷頭なますは、生鮭の頭部を薄切りにして塩で軽くもんだ後、酢で洗います。それをさらに酢につけてしばらく置いてから粗目に切った大根を合わせ、酢と砂糖、塩であえたものです。千切りにしたゆずの皮やイクラなどと和える場合もあり、紅白なますと同じく、正月や祝い膳などに用いられる料理です。

氷頭なますは北海道だけでなく、青森県や岩手県など北日本で鮭の獲れる地域では、新巻鮭を利用して古くから作られていて、郷土料理として親しまれています。氷頭はほとんどがゼラチン質で、コリコリとした触感が特徴です。生臭さはありますが、酢と混ぜ合わせることで生臭さは解消することができます。氷頭は鮭1匹からとれる割合は0.1%未満で、とても希少なものです。また氷頭は、低カロリーで、天然のコラーゲンやヒアルロン酸、カルシウムが豊富に含まれていることが判明し、健康や美容にも良いということでメディアに取り上げられてから全国に知られるようになりました。

氷頭はかつては「枕骨」ともいわれ、「和名鈔」という本では「色は氷の如く澄徹し、其味甘味脆軟」と記され、日本初の食の辞典である「本朝食鑑では「枕骨は軟質にしてめのうの如く、味亦佳也」と記されています。アイヌの人々は氷頭を白子とネギと合わせてまな板の上で細かくなるまでたたいて塩と酒で味をつけた「チタタップ」という料理にして食べていたといわれています。現在は氷頭は二杯酢を使ったなます料理で、高級珍味として食べられることが多いのですが、氷頭はなますにするだけでなく、片栗粉をまぶして油で揚げたり、なますの二杯酢をレモン風味の甘酢に変えて氷頭レモンとして爽やかに食する方法もあります。

地元住民はどのように氷頭なますを扱うのか?

北海道は広いので、年末年始のごちそうとして出される料理も地方によって異なりますが、氷頭なますは北海道全域で登場する郷土料理です。紅白なますは日本全域でおせち料理にも使われる料理ですが、北海道では年末になると、大根や人参とともに酢のものとなった氷頭なますがスーパーで販売されるほど、各家庭でもおせち料理の一品として食卓を彩ります。

北海道では鮭がとても大切にされ、学校で鮭についての授業を行っているところがあるほどです。塩漬けされた新巻鮭の塩抜きしたものをちゃんちゃん焼きにしたり塩焼きにしたり、ルイベ、シチューの材料などに使われ、氷頭の部分もなますなどにして食べるなど、鮭1匹丸ごと食することが北海道民の親から子に引き継がれる大切なことなのです。

北海道の氷頭なますの購入方法は?

北海道はウニやイクラ、カニなどたくさんの海産物が獲れ、土産物屋にも並んでいます。しかし北海道でお土産として生ものを持ち帰るには、日持ちの心配や荷物と一緒に入れることに抵抗があったりして、お土産として購入することをためらってしまうこともあります。そんな時、瓶詰で販売されていると日持ちの心配もにおいの心配もなく持ち帰ることができます。氷頭レモンとして瓶詰された生の氷頭を購入することができる佐藤水産というメーカーがあります。

ほかのお土産屋さんで瓶詰以外で販売されている場合は、直接冷蔵で自宅や送りたい人の家に送ってもらうことは可能です。また購入方法としては通販という方法が最適です。佐藤水産も通販を行っていますが、ほかにも吉粋、鮭の丸亀、函館えさん昆布の会、釧路市にある丸栄田村商店などが、氷頭なますが販売されているので、自宅からでも簡単に注文して購入することができます。

氷頭なますが北海道から全国に

北海道では鮭は大切な食材で、獲った鮭は新巻鮭にして保存し丸ごと食します。その新巻鮭から作られる氷頭なますもまた大切な郷土料理です。美容にも健康にも良い栄養が豊富で、コリコリとした氷頭なますが北海道から全国に知られ通販でも人気です。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 北海道でなますにされる「氷頭」とは、どんな魚の軟骨?

A.サケ