「キングオブパスタ」というイベントを行うなど、「パスタのまち」を売りにしている群馬県の市とは?

群馬県のとある市は「パスタのまち」と呼ばれています。最近はやりの町おこしムーブメントの一つかと思いきや、歴史ある街です。パスタのまちと言われる理由と、毎年行われるキングオブパスタという大会の概要を見ていきましょう。

なぜパスタのまちなのか?

群馬県高崎市は古くから日本有数の小麦の産地で、小麦粉を使った料理「粉もの」が多く存在します。うどん、そば店は香川県についで2位の店舗数で、中でも有名なのは日本三大うどんとも言われる「水沢うどん」です。ほかにも太田市の「太田焼きそば」、桐生市の「ひもかわ」が有名です。パスタを扱う店の数は高崎の人口に対して日本一で老若男女問わずたくさんの市民に愛されたソウルフードなのです。

たくさんのパスタ店が増えたのは昭和47年から続く老舗イタリアン「シャンゴ」の存在が大きかったようです。ここの店の特徴は「大盛り」です。Sサイズ、Mサイズとサイズが選べますが、Mサイズは220gと標準と言われる120gから150gよりも多くなっています。これは「シャンゴ」創業者の「おなか一杯食べてほしい」という願いからきたものです。高崎のパスタ店の中にはこの「シャンゴ」で修業をした後に高崎で独立、出店をした人も多く、「シャンゴ」創業者の教えが受け継がれている結果なのです。それ故に高崎のパスタは「大盛り」が多いことも納得できます。

麺の硬さはアルデンテとは言い難い柔らかめの麺で昔ながらの喫茶店のような、洋食店のような懐かしさがあります。味も群馬ではなじみの「辛口味噌ラーメン」の辛みそ味から着想を得たものや、ハヤシライスのような甘辛味など年代を問わず愛されるものが多いのも「高崎パスタ」のオリジナルかもしれません。ボンゴレのゆで汁を捨てるのがもったいない!とゆで汁に味をつけてスープ多めに提供したスープパスタも1970年代から存在するなど、高崎はパスタのアイディアと可能性がたくさん詰まった街なのだと実感します。ちなみに、「高崎パスタ」を名乗るには何か決まった食材を使わなければならないのかというと、高崎で作られたおいしいパスタであればそれだけでよいとのことです。

パスタ店が増えた背景には味や年代のターゲットの研究ももちろんですが、立地にも恵まれています。都会とは違い、車社会の群馬県ですので駐車場の確保が必ずや必要になってきます。この駐車場を確保するのに十分な土地があったことでファミリー層の外食に拍車をかけているのです。また新潟方面の国道が市内を縦貫しており、色々な土地の人々の行き来が多いのも特徴です。

キングオブパスタとは?

キングオブパスタとは、高崎市内でパスタを扱う店が出店して来場者の投票で優勝を決めるコンテスト形式のイベントです。2009年に第1回が開催されて2018年には10回目の記念開催をしました。主催は地元の若手経営者が実行委員となって行っています。毎年11月、高崎市役所近くの「もてなし広場」で開催しています。来場者は1人で6食分(5食で1人前くらいの量)のチケットを購入し、チケットの半券を投票券としておいしかったお店の投票箱に投票していく、というスタイルです。 2018年は18000人が来客し大盛況でした。

食材などの指定はないので毎年出店しているひいきの店が「今年はどんな味で勝負してくるのか」「意外な組み合わせで新たなおいしさを発見!」なんてこともあるかもしれません。パスタのまちに根付いた、お客様に「お腹いっぱい食べてほしい」「幅広い年代の人に愛されたい」と切磋琢磨しあうキングオブパスタに行くしかないですね。

群馬県高崎市は間違いなくパスタのまちでした!

バブル期に全盛だった「イタメシ」という言葉が流行る前からしっかりと根付いていた「高崎パスタ」文化はパスタを作る店主の「幅広い年代の人に愛されたい」という強い思いを感じずにはいられない「愛情郷土料理」です。ぜひ味わっていただきたいです。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 「キングオブパスタ」というイベントを行うなど、「パスタのまち」を売りにしている群馬県の市は?

A.高崎市