かつて「飛騨べんとう」の名で親しまれていたお弁当は、現在何という名前で売られている?

豊かな自然に恵まれた岐阜県では、地域ごとの特産品である食材を使ったお弁当も注目を集めています。誕生当時「飛騨べんとう」の名で親しまれて、名前が変わった現在も人気のこの駅弁、新鮮な伝統野菜を使った中身に魅力が溢れています。

白川郷の家屋をイメージ

もともと「味の合掌づくり」というのは2008年(平成20年)まで「飛騨べんとう」の名で地元民や観光客に親しまれていました。JR高山駅構内で購入でき、主に「金亀館」という店舗で購入している方が多いようです。飛騨べんとうは1960年(昭和35年)に初めて誕生し、世界遺産にも登録されている白川郷の合掌造りの家屋をイメージして製作された弁当デザインが注目され、同年に全国駅弁コンクールにも入賞歴のある一品でした。虹鱒の甘露煮や椎茸、ふき、タケノコといった岐阜県内で穫れた自然の恵みがふんだんに使われています。

味の合掌づくりも前身の飛騨べんとうとコンセプトは大差ないものの、魚や肉はほとんど使われていません。使用具材は山の幸が中心となっていて、健康志向を極めた内容になっています。「東北自動車道全線開通記念弁当」として発売が開始され、価格は1030円とそれほど高くなくリーズナブル。掛け紙のデザインは変わっておらず、1960年当時の高山市内の中学生が制作したとされる合掌造りの版画が元になっています。飛騨べんとうの要素をふんだんに引き継いで生まれ変わったお弁当だと言っていいかもしれません。

気になる味ですが、幕の内弁当のような味わいになってはいるものの、何といってもご飯が固すぎず柔らかすぎない食感になっています。なので飽きずに食べ続けることができ、更にこの白米には錦糸卵も乗っているので一緒に食べれば満足感は増すでしょう。このご飯は雪の積もった屋根をイメージしているらしく、白川郷の風景を想像して電車の中などで食べれば味わい深い体験ができることは間違いありません。

岐阜県の絶品野菜!安全・ヘルシーに作る取り組み!

味の合掌づくりに使われている野菜の中の椎茸やれんこんは、岐阜県の中でも比較的生産高が高い野菜です。お弁当のパッケージの掛け紙に「精進仕立」とある通り、野菜の豊富さが大きな魅力です。それだけに栄養価は抜群、「ダイエットに取り組んでいるけれど観光地に来たら食べ物も楽しみたい・・・」と考えている方にもオススメです。岐阜県が県を上げて取り組んでいる「野菜ファーストプロジェクト」という県民の野菜摂取量を増やそうという取り組みがありますが、JA全農岐阜でも行われている「ぎふクリーン農業」というプロジェクトも存在し、岐阜県では野菜の品質を高めてもっと野菜を食べて貰おうという姿勢が見られます。

特に後者の「ぎふクリーン農業」というのは野菜に対し農薬や化学肥料を30%以上削減するというものなので、観光客にとってもそういったプロジェクトに積極的な地域で作られたお弁当というのは信頼を置きやすいものになるかもしれません。岐阜県は標高0mから1200mの高低差による気候を生かし、様々な形での野菜や果物の栽培が行われています。主要都市である東京や大阪にも野菜を大量に出荷していることもあり、農業に関しては全国的にも欠かせない存在であると言えるでしょう。

主要販売地・JR高山駅の観光スポット!

このお弁当は主にJR高山駅構内で販売されています。高山駅では新駅舎が出来たことによって駅の規模が大きくなり、中には売店もあるのでそこでお土産も見て回ることができます。しかしそれだけではありません。高山は「小京都」と観光スポットとして知られているように、高山市上三之町といった伝統的建築物保存地区を歩いて回るだけでも古き良き日本の味わいを楽しめる街なのです。味の合掌づくりだけでなく飛騨高山の伝統野菜は有名ですし、一度グルメに焦点をあてた旅行をしてみるのもいいかもしれません。

味の合掌づくりと一緒に、岐阜県を味わい深く楽しむ。

前身の飛騨べんとうの長い歴史を引き継いだ駅弁、味の合掌づくり。豊かな大地を持つ場所であり、そして野菜の品質向上と健康問題に積極的に取り組む岐阜県。目で見て楽しめるヘルシーでユニークなお弁当と共に、高山観光を楽しんでみてはいかがでしょうか。

ザ・ご当地検定の問題

Q. かつて「飛騨べんとう」の名で親しまれていたお弁当は、現在何という名前で売られている?

A. 味の合掌づくり

Q. 岐阜県の名物駅弁「味の合掌づくり」のパッケージに書かれている言葉は?

A. 精進仕立