今注目されている、岐阜県の郷土料理とは?

日本の海に面していない山間部では、他県には知られていない独自の食文化が根付いているのです。その独自に発展してきた食文化の中で、未来の食糧事情を解決する可能性を秘めている、岐阜県の郷土料理を紹介します。

岐阜県の郷土料理へぼというのはスズメバチのこと

未来の食糧事情を解決する可能性秘めている岐阜県の郷土料理へぼとは、岐阜県でのスズメバチ全般の地元名です。岐阜県は長野県と連なる山間部で、標高の高い山と森林でおおわれている自然豊かな土地が特徴になります。岐阜県の大垣市が名水百選に選ばれることで分るとおりに山々から質の良い水が流れているので、食生活の多くは清らかな水を使って栽培されたお米や穀物そして山菜とイノシシや鹿といったジビエ料理が中心です。

そんな岐阜県でへぼ料理が出来た背景には、やはり海側と違ってタンパク源が少ないことが挙げられます。先にイノシシや鹿といったジビエ料理があるといいましたが、これらの食材というのは痕跡を探すのに手間がかかるだけでなく収穫するのも命がけなので安定した収穫にはならないです。タンパク源というのは筋肉を作るうえで重要な栄養素で、岐阜県は夏場は暑く冬場は豪雪地帯になるのでこの土地で生きていくためには強い筋肉の維持が欠かせない事情があります。

強い筋肉を維持するためのタンパク質をジビエに頼らずに得るためにはどうすればよいのか考えた時に、昔の人たちがこぞって食べていた昆虫に目を付けたのです。昆虫の表皮はタンパク質で構成されており、昆虫を丸ごと食べることで足りないタンパク質を補給するのにうってつけの食材になります。特に岐阜県は清らかな水と森林地帯が覆っているので、スズメバチにとっては快適な環境条件が整っています。

そこで岐阜県の人たちは、米作の際に近くによって来るコオロギやバッタなどの昆虫を採取したり養鶏の出荷の際に鶏を切り落とした際に残る切れ端を使ってスズメバチの働き蜂を呼び寄せます。そして呼び寄せた働き蜂が餌に食い付いている間に、目印となる紙で作ったこよりを巻き付けて巣まで案内してもらうのです。巣まで案内してもらったら、完全防備をしたうえで巣に弱らせるための草を燃やした煙をかけた後に穴を掘って巣を採取するのです。

巣を採取すると生き残った働き蜂や女王蜂が生み出した卵と幼虫がいるので、それらすべてを箸やピンセットを使って丁寧に回収します。回収したら、スズメバチの働き蜂は焼酎やミツバチが作ったはちみつに漬けて保存食にするのです。そして卵や幼虫は貴重なタンパク源なので、山で採れた山菜と一緒に炊き込みご飯にしたり、醤油や砂糖と一緒に煮詰めて佃煮そしてバターや野菜と一緒に炒めものにして食べます。上級者に至っては、お造りというかたちで醤油やワサビと一緒に生で食べる場合もあるのです。

ただスズメバチの巣を探すのも手間がかかるだけでなく、スズメバチは猛毒を持っているので命がけです。そのため現地でも、キイロスズメバチや大型で獰猛なオオスズメバチのへぼとなると1キロ単位で1万円以上もする高級品となります。そのため安定した収穫するために、スズメバチの中でも攻撃性の低いクロスズメバチの女王蜂を採取して養殖するという形を取っています。養殖システムは軌道に乗っており、岐阜県の山間部のスーパーではへぼ料理セットという形で販売されて昔ながらの食文化として未来に継承されているのです。

なぜへぼが未来の食糧事情を解決する可能性があるのか

なぜへぼ料理が注目を集めているのかというと、これから先の未来は昆虫が食料自給率を向上させるうえで重要視されているからです。地球の葬人口が増加傾向にあり、農作物や養殖そして酪農は食料になるまでに時間がかかってしまうため自給率に追いつかなくなるといわれています。そこで昆虫の場合だと、例えばスズメバチで分かるとおりに鶏肉の切れ端やほかの昆虫を餌にするだけでよいので成長させるまでに時間がかからないです。

一度に大量の卵を産むの量が取れるだけでなく、栄養素もタンパク質だけでなくビタミンやミネラルも豊富なのでへぼを含めた昆虫料理が未来の食糧事情を解決する理由になります。

日本は昆虫食先進国という事実

日本の土地柄として森林地帯が多いので、豊富な昆虫が取れることで料理法も確立しているのです。この各地で根付いた昆虫食の文化を発信していれば、日本が世界の食糧自給を助ける先駆者として活躍できる可能性があることを示しているのです。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 次のうち、岐阜県の郷土料理として実在するものは?

A.へぼ料理

Q. 岐阜県の「へぼ料理」といえば、どんなものを使った料理?

A.昆虫