冬の寒い時期だけ作られる、福島県の特産豆腐とは?

煮物などに使われる保存食の高野豆腐。高野豆腐の他にも、凍り豆腐など呼び方は色々あります。今回は福島県福島市立子山の特産品である豆腐をご紹介します。

福島市立子山の特産になるまで

東北地方で、宮城県岩出山町と並んで凍み豆腐が有名な福島県福島市立子山。何故この立子山で凍み豆腐が特産品となったのかというと、その歴史は江戸時代までさかのぼります。信夫郡大森村円通寺の住職が、高野山での修業の際に精進料理だった高野豆腐(凍み豆腐)に出会い感激しました。その後、高野豆腐(凍み豆腐)を地元に持ち帰り、福島の気候に合わせた製法を編み出して地元の人々に伝えたことが始まりだとされています。高野豆腐も凍み豆腐も呼び方が違うものですが、品物自体に違いはなく同じものです。

そんな信夫郡大森村円通寺の住職によって福島に伝えられて地域に根付いた凍み豆腐ですが、立子山地区の特産品となったのは大正時代。地元の農業者管野總治郎氏が、地域の農業経済に光をと凍み豆腐の研究を始め、立子山の気候が凍み豆腐の生産に非常に適していることを見抜きました。そして300年前の製法を元にして研究を重ね、立子山凍み豆腐の製法を確立。その結果、地域の農閑期の重要な収入源として発展し、福島県福島市立子山の特産品になったようです。

立子山凍み豆腐の作り方

そんな福島県福島市立子山の特産品となった立子山凍み豆腐。凍み豆腐作りは、普通の豆腐よりも硬めの豆腐を作るところからスタートし、豆腐ができると1センチ程度の厚さに切って冷凍庫へ。そして、低温熟成させた凍らせた豆腐を藁で編み、屋外に1週間から10日程度干して完成です。

農家の農閑期の重要な収入源として栄えた凍み豆腐作りですが、最盛期には70軒ほど生産されていたものの徐々に減り、2017年には8~9件ほどになってしまいました。そんな中、立子山の凍み豆腐の伝統や食文化を残すために、地元の小学校の5~6年生の総合的な学習の一環として凍み豆腐の編み上げなどを教える授業も行っているそうです。

そんな立子山凍み豆腐は、タンパク質はもちろんのこと、カルシウムや鉄分など豊富な栄養素が詰まった食品です。一般的に煮物などで食すことが多いという印象を持っている方が多いかもしれませんが、煮物などの他にも衣をつけてフライにしたり、つくねの中に入れたりといった様々な調理方法があります。長期保存ができるというのも魅力的です。

福島県福島市の観光スポット

立子山地区のある福島県福島市は、福島県の県庁所在地でもあり、中通りの北部に位置しています。阿武隈川を中心に福島盆地を形成しているため、盆地特有の内陸性気候となっており、夏は暑く冬は寒い地域です。夏は風の弱い晴天が多いものの、フェーン現象による猛暑日を記録することも多くなっています。

福島県福島市の春の花見シーズンには、花見山公園が多くの観光客で賑わいます。この花見山公園は、福島市の花卉園芸農家の私有地ですが、所有者が公園として市民に無料で開放している公園です。園内はウォーキング型の花見スポットとなっているため、花見の宴会などをすることはできませんが、国内だけでなく外国からの観光客も訪れています。この花見山公園では、春にはソメイヨシノの他にも桃や梅、レンギョウといった様々な花であふれており、冬にもロウバイが見られます。女性芸能人や花の写真などで知られる日本の写真家・秋山庄太郎は、この花見山公園を訪れ、その美しさに「福島に桃源郷あり」と形容しました。

立子山凍み豆腐が作られている福島へ

江戸時代に福島県福島市に伝えられた立子山凍み豆腐。農家の農閑期の貴重な収入源から、福島市の特産品となった立子山凍み豆腐の作っている風景を見るのも良し、また味わうのも良し。是非、一度福島に行ってみてはいかがでしょうか?

ザ・ご当地検定の問題

Q. 福島市特産の食材「立子山○○豆腐」。○○に入るのは?

A. 凍み