千葉県佐原地区のご当地グルメ「すずめ焼」は何の魚を焼いたもの?

千葉県香取市の佐原地域では、「すずめ焼」という料理が愛されています。鳥のすずめを焼いて作った料理と勘違いをする人が多いといわれていますが、実はある魚を焼いた料理なんです。なぜすずめ焼と名付けられ、そしていつの時代に生まれた料理なのでしょうか。

すずめ焼の歴史

すずめ焼で有名な佐原地域は千葉県北東部に位置する香取市にあり、関東三大祭りの一つとされる佐原の大祭が行われ、水郷の町としても知られています。水郷の町といわれている通り、町には利根川が流れており、それが霞ヶ浦に繋がっている影響から多くの川魚を使用した料理が食べられるのです。特に有名なのがすずめ焼です。すずめ焼は、主に利根川で獲れるフナの背を開いて串に数匹刺して焼いたものです。この料理が生まれたのは明治時代中期で、麻生屋という店が製造したのが始まりです。すずめ焼という名前の由来は、諸説あるといわれています。

まず、小さなフナを背から開いて串に刺して焼いたその姿が木や枝にとまっているすずめのように見えるからだという説です。もう一つは、ある殿様が利根川付近で休憩をしていたところ大量に捕獲したフナを従者が河原で焼き、その姿を見た殿様がフナではなくすずめを焼いたものだと勘違いしたところから名付けられたという説です。この個性的な名前の料理を食べてみたいという多くの観光客が香取市を訪れます。

すずめ焼のレシピと栄養

すずめ焼の作り方は、実にシンプルです。まず、上述の通り小さなフナの背を開きそれを串に刺します。それを、醤油をベースにして作った甘めのタレをつけて焼くことで完成です。これ以外にも背を開くのが手間だということから、背を開かずにそのまま串に刺して作る方法もありますが、開いて作る方法が一般的です。このようにして作られるすずめ焼には、どのような栄養が含まれているでしょうか。まず、フナにはビタミンB1が魚類の中でも豊富に含まれています。これは、脳や手足の神経を正常に保つ効果があり、不足するとめまいやイライラが起こりやすくなり疲労感を感じる可能性があります。

次に、亜鉛が挙げられます。これには貧血を予防する効果や血糖値を減少させる効果を持つインスリンの合成を促進する働きがあります。さらに、タンパク質も多く含まれています。これには疲労回復や、筋肉を強化する働きがあります。このように、すずめ焼を食べると多くの栄養を摂取することができます。その材料であるフナは古くは縄文時代の人々が食べていたといわれており、貴重な栄養源として重宝されていたのです。

佐原地域の町並みと見どころ

佐原地域は、かつて伊能忠敬が住んでいたことから伊能忠敬旧宅が残っていることでも知られ、古くからの歴史を持つ地域でもあります。上述の通り、水郷の町であることから町にはいくつかの川が流れており、その川を小舟で行き交う風景を楽しむことができます。このような町並みの佐原地域には、人気の名所がいくつかありますが、その中でまず香取神宮が挙げられます。ここは国の重要文化財に指定されているところで、楼門が鮮やかだと人気の名所です。また、ここに生える杉の木はパワースポットとしても広く知られており特に女性が多く訪れています。

次に、水郷佐原あやめパークが挙げられます。ここは地域を代表する名所で、菖蒲の花やハスで川面が覆いつくされ小舟に乗ってパーク内を周遊することができるため、多くの観光客が訪れます。そして、樋橋も有名です。一見すると普通の橋なのですが、江戸時代に架けられた橋で環境省の「残したい日本の音風景100選」にも選定されています。木製の橋と周囲の住宅とがマッチして歴史を感じることができるということで、多くの人がこの橋を渡ります。

千葉県を代表する名物「すずめ焼」

千葉県香取市の佐原地域で誕生したすずめ焼は、この地域の郷土料理として知られています。その名称から食べるのに抵抗があるという人も多いといわれていますが、いざ食べてみるととても美味しく、癖になると評判の料理です。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 千葉県佐原地区のご当地グルメ「すずめ焼」はどんな魚を焼いたもの?

A.フナ

Q. 千葉県の佐原地域に残る、ある歴史上の人物の邸宅は?

A. 伊能忠敬旧宅