青森県弘前市で食べられる、イカのゲソを材料にした揚げ物とは?

青森県弘前市を中心にその名を広めているイカを使った揚げ物を紹介します。独特の触感と香り、ボリュームが魅力です。ゲソをふんだんに使った揚げ物で、エコやフードロスという言葉が広まるずっと前から、地元民が工夫を重ねて作った一品です。

楽しみ方はバージョンアップ

いが、は津軽弁でイカのことです。弘前市は青森市や八戸市と違って内陸部に位置しているため、かつては新鮮なイカを手に入れることが困難でした。そこで、貴重だったイカを余すことなく使い切る料理の開発が進められたのです。身は煮物や寿し漬、刺身などに使われましたが、ゲソの部分を美味しく食べることができるメニューが少なかったからです。いがめんちは終戦後の混沌とした食糧難時代にも活躍し、庶民が愛するソウルフードになっていきました。

作り方としては、イカのゲソを包丁でたたき、タマネギやニンジンといった季節の野菜を細かくして混ぜます。小麦粉を加えたら、あとは形を整えて揚げたり焼いたりします。そんな定番を基本にして、それぞれの家庭で工夫がなされます。フキノトウやタケノコで触感を高めたり、青じそを入れて香りを強めたり、なかにはキムチやカレー粉をミックスしてホットでスパイシーな品々を楽しむ家庭も現れました。味がバラエティでも、その最大の特徴はなんといってもゲソの歯ごたえと甘みです。小麦粉の効果でボリュームがあり、食べ盛りの子供たちはもちろん、酒の肴にもうってつけです。給食にも出されるという超がつくほどメジャーなフードですので、津軽地方のスーパー各店や弘前市民御用達の弘前中央食品市場などで店頭販売されてします。通販で購入することも可能です。

いつでもどこでも大活躍のいがめんち

青森県弘前市といえば弘前城です。イメージキャラクターのたか丸君は、鎧兜の上に弘前城の天守閣をのせているほどです。関東より北に位置する城のなかでは、江戸時代に造られた天守閣が唯一残っているところが特徴的で高価値です。ゴールデンウィークに合わせるかのように咲き誇るソメイヨシノや枝垂れ桜は見ごたえ充分です。ほかの土地で見られる桜よりも花のボリュームがあるのは、桜ドクターの桜守の手で丁寧に育てられているからです。桜は、市の花にも選定されています。満開の木の下で催される観桜会は、雪深い地方で暮らす津軽人にとって特別な楽しみでした。銘酒を持ちより、重箱に料理を詰めこみ、友人知人にも声をかけて足を運ぶのです。

その際、シャコを茹でたものやトゲクリガニという津軽人でなければあまり馴染みのないカニを持参しました。定番料理のなかに陣取っている揚げ物がいがめんちです。アツアツはもちろん、冷めても美味しいからです。もちろん、お弁当にもぴったりです。

ゆっくりと散策したい弘前市

弘前市は、博物館や史料館、郷土文学館などがある文化と歴史の街です。車で移動するより、歩きながらゆっくりと散策したほうがより魅力を発見できます。センスが光るカフェはもちろん、クラシカルで渋みのある喫茶店も多く、思わず足を休めたくなります。県庁所在地は青森市ですが、国立大学である弘前大は弘前市にあります。学生たちが落ち着いて勉学に励むにはうってつけの環境が広がっています。

さらに弘前市はリンゴの生産量が日本一です。桜の花が散りはじめると、今度はリンゴの花が咲きはじめます。花は小ぶりですが、リンゴ畑のスケールは大きく、可憐な花々に思わず目を奪われます。市内にあるリンゴ公園に足を運べば、リンゴの収穫を体験することもでき、シーズンになるとたくさんの観光客が訪れます。

いがめんちは創意工夫の賜物であり時代の最先端を行く

いがめんちは知恵と愛情がこもった郷土料理です。フードロスが問題視されている時代にこそ、いがめんちを開発したころの考え方を再利用すべきです。工夫しだいでより美味しい料理へと姿を変え、時代を超えて愛されるソウルフードにまで成長するのです。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 弘前市で食べられる、イカのゲソを材料にした揚げ物の名前は?

A.いがめんち