秋田県仙北市の「あいがけ神代カレー」であいがけになっている2種類のカレーとは?

大手食品企業の協同組合の調査では、日本人は一年間で一人当たり約73回もカレーを食べているそうです。カレーはバリエーションも豊富ですが、秋田県には「あいがけ神代カレー」という他にはないような見た目のカレーがあります。

あいがけ神代カレーはどんなカレー?

家で食べるカレーと言えば、ご飯にルーをかけるタイプを思い浮かべるでしょう。秋田県仙北市神代地区の名物「あいがけ神代カレー」も同様のタイプのカレーですが、一般的なカレーと決定的に違うのは、1つのお皿に2種類のルーをかけるという点です。あいがけ神代カレーに使うお皿は長細の皿で、2種類のルーが混ざらないように真ん中にご飯を乗せて両サイドに別々のルーをかけます。2種類のルーを相がけするから、あいがけ神代カレーという名前になっているのです。
カレーのルーは、片方が多くのレストランで食べられているようなデミグラスソースを使った欧風カレー、もう片方が1950年代~1960年代に秋田県で食べられていた昔風のカレーです。

その年代の秋田県は牛や豚といった肉が入手しづらい環境でした。そこで、畜肉の代わりに魚肉の缶詰や魚肉ソーセージを使用しました。カレーのコクを加えるブイヨンも、鰹節や煮干し、昆布といった出汁をとる素材を使い、和テイストのカレーを作って食べていたのです。そのレシピを再現して、欧風カレーとマリアージュさせたものがあいがけ神代カレーとなりました。
あいがけ神代カレーは、トッピングに半熟卵をご飯の上に乗せて、漬物にいぶりがっこ(燻製たくあん)を添えるのが通常となっています。

あいがけ神代カレーの誕生と活躍

秋田ならではの食材を使った和風カレーは、市販ルーやレトルトカレーの登場によってその姿は徐々に消えていき、一部の家庭で作られるのみになりました。その昔風カレーが再び脚光を浴びたのは2005年になります。仙北市の町おこしとして、地元の特産品を使ったメニューが考えられたのです。そこで遡上に上げられたのが魚介を使った昔風のカレーです。これに欧風カレーを一緒にするというアレンジを加えてあいがけ神代カレーが誕生しました。

あいがけ神代カレーの地域PR効果は上々で、2009年のB1グランプリで4位を獲得して、テレビや雑誌でも取り上げられたこともあります。あいがけ神代カレーの誕生によって「神代カレンジャー」という戦隊風のキャラクターも生まれ、あいがけ神代カレーや仙北市の宣伝マンとして活躍するようになりました。
本場のあいがけ神代カレーは、田沢湖付近にある複数の飲食店で食べることができます。

あいがけ神代カレー発祥の地 秋田県仙北市ってどんなところ?

秋田県仙北市は岩手県に接する自治体です。冬は雪深くなる豪雪地帯で冷え込みも激しいですが、夏になると秋田県の他の地域よりも気温が高くなる傾向があります。
観光地としては日本で一番深い湖「田沢湖」が有名ですが、他にも「かたくり群生の郷」や「田町武家屋敷通り」といった観光名所もあります。かたくり群生の郷は広さ20ヘクタールの土地に、かたくりの花が群生している土地です。間近でかたくりの群生が見られるのは日本では珍しいと言われています。田町武家屋敷通りは江戸時代の雰囲気を色濃く残しており、その場所がある角館町は「みちのくの小京都」とも呼ばれています。

地元のブランド農作物を使用した加工食品も数多く開発していて、それらの商品はアンテナショップ「食彩 町家館」で購入することができます。町家館では「メイドインアキタ」と銘打って、県産の青豆を使った食品やクラフトビール、燻製食品を販売しています。町家館は角館町にあり、「みちのくの小京都」に観光に来た人たちのために、ホテルも併設されています。

秋田県仙北市に来たらあいがけ神代カレーをご賞味あれ

あいがけ神代カレーはレトルトにもなっていますが、本場の味を堪能したいなら地元のお店で食べるのがおすすめです。仙北市を訪れた際は、あいがけ神代カレーを味わってはいかかでしょうか。お店によって味付けも違うので食べ比べをしてもいいでしょう。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 秋田県仙北市の「あいがけ神代カレー」であいがけになっている2種類のカレーとは、昔風のカレーと?

A.欧風のカレー

Q. 秋田県仙北市の「あいがけ神代カレー」のつけあわせとして欠かせないものは?

A.いぶりがっこ

Q. 秋田県の漬物「いぶりがっこ」の原料となる野菜は?

A.ダイコン

Q. 秋田県の漬物「いぶりがっこ」は、「たくあん」と比べて何が違う?

A.燻製にしている