山梨県に伝わる、非常に強いコシで有名なうどんといえば?

山梨県の東部、富士山の南側に位置する富士吉田市とその周辺の市町村で作られるご当地うどんがあります。特徴はなんといっても太くて強いコシの麺です。さぬきうどんの数倍の硬さがあり、日本一コシが強いと言われています。この記事ではこの名物うどんについてご紹介します。

60以上の店舗がある「吉田うどん」

山梨県内の道の駅や観光案内所などにいくと、「吉田うどん店舗マップ」が置いてあります。このマップに載っている店舗だけでも55店舗は超えていますが、マップに載っていない、まさに知る人ぞ知るといったお店もあります。また、マップは富士吉田市内の店舗だけしか載せていませんが、近隣の富士河口湖町や都留市、忍野村などにも吉田うどんのお店がありますので、その数は60店舗を越えています。

そのほとんどのお店が自家製の手打ち麺を使用していますので店舗によって太さや硬さに違いがあります。しかし共通してとにかく強いコシが特徴です。手打ちの麺は日持ちしないので、その日に売り切れる分しか作りません。営業時間が午前11時から午後2時といった昼限定のお店も少なくありません。むしろ吉田うどんを夜に食べられるお店は極わずかです。民家のような店舗が多く、テーブルに相席というスタイルが定番です。地元の人たちはそれぞれ自分好みの麺の太さと硬さがあり、たいていの人は決まったお店に行きます。

男性による手打ちだから、とにかく硬い

吉田うどんの最大の特徴は強いコシの麺ですが、なぜそんなにコシが強いかというと誕生に秘密があります。山梨県は内陸に位置するため、昭和初期の頃から昭和40年代まで、主な産業は織物でした。甲斐絹というブランド名の織物で地域が活性化していたくらいです。中でも富士吉田市は標高が高く寒冷な気候で農業にも適さず、多くの世帯で女性が家で機織りをして家計を支えていたのです。そのため昼食の支度をするのは男性でした。力の強い男性の手で打つことから強いコシが生まれたのです。現在でもたいていの店舗で麺を打つ仕事は男性が担っています。中には女性が麺を打っていることをセールスポイントとしているお店もあります。

富士山の雪解け水をつかっているから汁がおいしい

吉田うどんのもう一つの特徴は、味噌と醤油をブレンドした独特の汁です。しっかりとしたやや濃いめの味付けが特徴で、強いコシの麺との相性は抜群です。山梨県は全域で水がおいしいのですが、特に東部の富士五湖地方は富士山の雪解け水が豊富な地域です。このおいしい水を麺と汁につかうのはもちろんのこと、汁に使う味噌もこの雪解け水で仕込んだ地元の味噌をつかっています。醤油との割合はお店独自の比率で、だしもいりこだし系、かつおだし系といった店舗ごとの特徴があります。関東のこってり醤油味、関西のあっさりだし風味ともまた違う、吉田うどんならではの汁は味わってみなければわからない、絶妙なブレンドなのです。

それから、吉田うどんに欠かせないのは独特の薬味です。七味唐辛子をごま油とラー油で練った「辛み」と呼ばれる薬味ですが、これも各店舗のオリジナルでお店ごとに若干の違いがあります。どの店舗の薬味もその店の汁と麺に合うように作られていて絶品です。この薬味だけ瓶詰にして売っているお店もあります。中央高速道の富士河口湖インターから15分、東富士五湖道路の山中湖インターから5分くらいのところに「道の駅ふじよした」があります。ここで吉田うどんが買えます。麺だけ、麺と汁がセットになってるもの、汁だけ、薬味だけなど様々な形態で販売していますので、自宅に帰って吉田うどんを再現したい人は買って帰ることをおすすめします。

山梨県にきたら絶対食べたい、強いコシが特徴の吉田うどん

吉田うどんは山梨県近郊のサービスエリアや道の駅などでお土産として半生麺で販売していますが、最大の特徴である強いコシは、打ったその日に食べてこそのコシです。吉田うどんを愛して止まない地元の人たちとテーブルを共にして食べてみてはどうですか?

ザ・ご当地検定の問題

Q. 山梨県に伝わる、非常に強いコシで有名なうどんといえば?

A.吉田うどん