「今市そば」といえば、どこの都道府県の名物?

「そば」といえば、戸隠そば、出雲そば、岩手のわんこそばが日本三大そばと言われています。でも、そんな日本を代表するそばにひけをとらない、隠れたそばの名所があります。

そば好きの舌をうならせる「今市そば」とは?

栃木県今市市は、かつて日光市の隣にあり、現在は市町村合併により日光市の一部となっています。日光へ向かう「杉並木街道」も、その大部分は旧今市市の中に入っています。今市は、日光詣へ向かう人達が過ごす宿場町であり、そして日光連山から流れ落ちる豊富できれいな水を利用した農業地域でもありました。しかし、現代のように寒冷地に適応するように品種改良された米がなかった時代、夏が短く山から吹き下ろす風が強いこの地区で、多く育てられていたのは蕎麦でした。

今でも、杉並木街道沿いの畑の一部では、初夏に美しい花をつける蕎麦が育てられるのを見ることができます。今市では、そうした背景のもと、自然にそばが食べられるようになっていきました。今市ではそばは当たり前のように食べられてきました。だから、地元住民は実はあまり蕎麦が名物になるとは思っていませんでした。ところが、観光名所日光へ行く人が増えるにつれ、その通り道である今市でそばを食べていく人も増えるようになったとき、そのそばのおいしさが少しずつ話題になっていったのです。

そして、おいしいそばがあるなら、どこにでも行くそば好きがそれを聞きつけ、そばを目的に今市を訪れるようになりました。そこでやっと、今市の人たちは、自分たちのそばがおいしいものだと気づき、名物としてアピールするようになったのです。それが「今市そば」です。

今市そばはどこで食べられる?

現在日光市では「日光手打ちそば」の会」が結成され、日光市内(旧今市市、藤原町、栗山村を含む)のそば店、そばを出す食堂など100店舗近くが加盟しています。その中でもやはり多数を占めるのが、今市地区のお店です。今市地区でも、特にそば店が多いのが、日光街道を中心とした東武日光線下今市駅と、JR今市駅に挟まれた地域です。

県外からアクセスしやすい東武線下今市からも徒歩圏内に数件あるので、食べ歩きも可能です。秋の新そばの時期には、県外からのそば好きで賑わうこともあります。また、日光街道の道の駅「ニコニコ本陣」では、地元産そば粉を使ったそばを食べられるだけではなく、そば粉を安く購入することもできます(時期による)ので、そばを打てなくてもそばがきやそば粉のガレットなどを自宅で食べられます。

今市へのアクセスと名所

栃木県の隠れた名物「今市そば」を食べられる、栃木県日光市の今市地区への行き方です。
鉄道:東武日光線下今市駅、JR日光線今市駅下車。
車:東北自動車道宇都宮ICから日光宇都宮道路に入り、今市ICで降り、国道119号線へ。もしくは宇都宮ICで降り、国道119号線を日光方面へ。

首都圏から電車で行く場合は、JRより東武線の利用が便利です。今市地区の名所としては、まず日光杉並木街道。そして、東武線下今市駅から徒歩3分ほどの場所に、今市の地で生涯を終えた二宮尊徳を顕彰した二宮神社があります。二宮神社境内には、二宮尊徳の墓もあります。道の駅「ニコニコ本陣」は、二宮神社から徒歩1分ほどです。また、国道119号線を日光方面に向かった、上今市駅の近くにある今市総鎮守・瀧尾神社は、境内に風車が奉納され、並んでいる神社として有名です。そして、下今市駅はSL「大樹」号の基地となっていて、機関車が転車台に乗せられ、回転する様子などをみることができます。

今市はそばを食べるために立ち寄る価値あり

世界遺産に登録された後、海外からも注目されるようになった日光。その手前の今市はイマイチ注目されていません。でも、東武日光駅から電車で10分ほどの今市は、そばを食べるためだけに立ち寄る価値はあると思いますよ。特に秋の新そばの季節がおすすめです。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 「今市そば」といえば、どこの都道府県の名物?

A.栃木県