江戸時代初期から大阪府泉州南部で栽培されたのが始まりとされる、野菜は?

お好み焼きやたこ焼きなど「粉もん」で有名な大阪府ですが、おいしい野菜もあります。大阪府泉州南部にはある品種の野菜が伝統的に栽培されています。以下では、大阪府の歴史ある野菜について紹介していきます。

栽培が難しく高価な野菜

ナスは数千年も前からインドで栽培されていた野菜です。日本へは中国を経て伝わったとされています。奈良時代にはすでにナスが栽培され食されていたという記録が残っていますが、ナスが日本にもたらされた正確な年代ははっきりしていません。ナスは日本に伝わった後、各地へ伝播して地域ごとに品種改良されていきました。現在、180種類以上ものナスが日本に存在しています。大阪府泉州南部で栽培される水ナスは日本全国でも知名度が高く、栽培が難しいので高価です。

水ナスの栽培は江戸時代初期に大阪府泉州南部で始まったと考えられています。泉州南部とは岸和田市や貝塚市、泉佐野市などを指します。水ナス栽培が泉州南部地域に定着した理由として、水ナス栽培に必要な量の水を安定して確保するための溜池が昔から多く存在していたことがあります。そして、泉州南部が温暖な地域であることや、海に近い地下水には程よい塩分が含まれていることも理由にあります。暑さや塩分のせいで水分が蒸発していくので、大量の水をため込んで産地に適合した結果、水ナスができたと考えられています。

水ナスは栽培された当初、熱中症の予防のために農作業の合間に食べるものでした。皮が薄すぎてすぐに傷がつく水ナスは流通には不向きで、デパートなどに並ぶようになるのは運送技術が発展する昭和初期になってからでした。しかし、昭和初期になって水ナスが流通するようになっても、傷つきやすいことや見た目が悪いことから、消費者には敬遠されがちでした。戦後になって水ナスの外見を良くする品種改良がなされ、徐々に消費者に受け入れられるようになっていきました。現在、水なすは大阪府の「なにわ特産品」にも選定されていて、大阪府の誇る農産物の一つとなっています。

おいしい水ナスの食べ方

水ナスは普通のナスよりも水分を多く含んでいて柔らかく、甘みが強いのが特徴です。生でそのまま食べることもできますが、漬物にして食べられることが多くあります。「水ナスの浅漬け」は簡単に作ることができ、ご飯のお供に最適です。まず、ボウルに水と塩を入れて塩水を作ります。ヘタを落とし縦半分に切った水ナスを塩水の中に入れて、5分程浸けてアク抜きをします。アク抜きが終わったらキッチンペーパーで水ナスの水気を拭き取ってください。次に、水ナスの漬け汁を作ります。漬け汁は水の中に昆布とカツオ節を入れて、塩と酢、醤油を混ぜ合わせて作ります。スパイスをつけるために輪切り唐辛子も入れると良いでしょう。ジッパー付きの保存袋に漬け汁と水ナスを入れて、冷蔵庫の中で1日漬け込みます。1日漬け込んだ水ナスを食べやすい大きさに切って完成です。カツオ節をトッピングするとよりおいしく食べることができます。

おすすめの水ナス

泉州南部で栽培されている水ナスの中でもおすすめなのが、大阪府貝塚市にある「中出農園」の水ナスです。55年以上の歴史がある中出農園の水ナスは全国的にも評価が高く、2015年に「大阪府知事賞」を受賞、2016年には「 第65回全国農業コンクール全国大会」で「名誉賞・農林水産大臣賞」を受賞するなど、多くの実績があります。数々のメディアにも取材されている中出農園の水ナスを食べたいという人は多く、生の水ナスはもちろん、水ナス漬けやぬか床などの商品はとても人気があります。特に中出農園の水ナス漬けは、化学調味料や保存量などの添加物で味を損なうことなく、水ナス本来の味わいを楽しめるように作られています。中出農園のこだわりは、おいしいだけでなく安全で健康的なものをつくるというところにあります。中出農園の商品は直売所だけでなく、「中出農園オンラインショップ」からも注文することができます。

一度は食べてほしい!歴史ある大阪府の水ナス

泉州南部で栽培されている水ナスは、大阪府の誇る歴史ある野菜です。水分が多くて甘みの強い水ナスは栽培が難しく、大阪府泉州南部ならではの野菜でもあります。漬物にするとご飯のお供に最適な水ナスを、ぜひ一度食べてみることをおすすめします。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 江戸時代初期から大阪府泉州南部で栽培されたのが始まりとされる、野菜は?

A.水ナス

Q. 大阪府の名物「水ナス」の特徴で、当てはまらないのはどれ?

A. 普通のナスより細長い