大阪名物の「てっちり」といえば、どんなフグ料理?

大阪は「粉もん」文化が根付いており、B級グルメの宝庫と言っても良い町ですよね。さらに大阪湾で水揚げされる約230種類の魚介類は脂の乗りが良く、味が良いことで有名です。今回は、そんな大阪で昔から好んで食べられてきたフグ料理を紹介していきます。

てっちりの由来やおすすめのお店まで紹介!

大阪で有名なフグ料理と言えば「てっちり」です。てっちりはフグの鍋料理を指し、漢字で書くと「鉄ちり」となります。「ちり」はフグを生で食すのに抵抗がある外国人が、鍋にちりちりと湯通しして食べたことが由来とされています。もう一つのフグ料理に「てっさ」がありますが、こちらはフグの刺身です。「鉄砲の刺身」が略されて「てっさ」になったと言われています。大阪ではフグが持つ猛毒に当たると死んでしまうことから、同様に危ないという意味でフグは鉄砲と呼ばれていました。

こうした隠語が生まれた背景には、江戸時代のフグ食禁止令があります。猛毒によって多くの武士が亡くなったために発動された禁止令です。禁止令の対象は武士の間だけで庶民は食べることができましたが、大声でフグを食べるというのは憚れたために隠語で呼ばれたと言われています。本来は庶民の食材だったフグが高級魚となったのは、資格を持たなければ調理できなくなったことも影響していると考えられます。

てっちりは、冬に旬を迎えるトラフグを主に使った鍋料理です。昆布出汁で野菜やきのこなどをフグと煮込み、ポン酢で食べるのが一般的です。フグの味は基本的に淡白ですが歯ごたえと旨味があり、特に脂が乗っている冬場に人気が高まります。フグから旨味成分であるグルタミン酸やイノシン酸が出た汁にご飯と卵を入れて、雑炊でしめるのがポピュラーな食べ方です。

フグに含まれる栄養は、骨を強くするカルシウムやビタミンD、疲労回復や血圧安定効果が期待できるタウリンが代表的です。そして、皮や骨の周囲はコラーゲンが豊富で、健やかな皮膚をキープする効果が期待できるナイアシンも含有しています。ナイアシンは糖質や脂質、タンパク質をエネルギーに変換する働きもあり、低カロリーのため、ダイエット中の人や美容効果を求める人に最適な食材と言えます。

トラフグの水揚げ量全国1位は山口県下関市ですが、消費量全国1位は大阪府です。ですから、割烹料理店などに行かずとも、繁華街をぶらりと歩くだけでてっちりやてっさなどのフグ料理を食べられる店に出会えます。てっちりを看板に掲げる居酒屋も珍しくありません。例えば都島区の「てっちり海鮮居酒屋 小若」では、5000円で利用できる「てっちりメインのふぐを堪能する松コース」を用意しています。店内のいけすで泳ぐトラフグを調理するので鮮度はバツグン。トラフグの旬は冬ですが、一年中水揚げされる上に養殖もされているため、季節を問わず味わえますよ。

国産のトラフグにこだわりたい人は、北区の「ふぐ好」がおすすめです。居酒屋と割烹店を足して2で割ったような雰囲気の店内は、デートにも接待にもぴったり。てっさとフグの唐揚げが楽しめるコース「ふぐミニ会席」は4900円、お一人様でも利用できます。同じく国産トラフグを使用し、国産うなぎも看板メニューに並べている中央区の「とらふぐ城」もおすすめです。熟成させることでトラフグの旨味をアップさせています。養殖のトラフグを使った「本丸コース」は5700円、天然トラフグを使った「本丸コース」は12000円です。シーンに合わせてコースが選べます。冬場になると、フグ料理店の多くがフグの白子を提供し始めます。濃厚な味わいで、大阪では冬の味覚として大人気。季節は1~3月が旬と言われているので、白子を狙うなら冬に訪れるといいでしょう。

白子も食べるなら冬がイチオシ!

大阪では昔からフグが食べられてきており、現代でも全国消費量の6割を占めると言われています。フグを看板に掲げる居酒屋も少なくなく、町では気軽にフグ料理が堪能できます。年間を通して食べられますが、白子が出回る旬の冬がイチオシです。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 大阪名物の「てっちり」といえば、どんなフグ料理?

A.鍋

Q. 大阪名物の「てっさ」といえば、どんなフグ料理?

A.刺身