高知県では「ながれこ」と呼ばれる、アワビに似た食用の貝は?

みなさんは高知県で「ながれこ」を食べたことがあるでしょうか?「ながれこ」という名前は聞きなれませんが、これは高知県の呼び名で、みなさんもよく知っているあの食べ物です。アワビに似た…でピンときた人もいるのでは?さて、「ながれこ」とはどんな食べ物なんでしょうか。

「ながれこ」はトコブシの方言

「ながれこ」とは主に高知県で使われている「トコブシ」の方言です。「トコブシ」というとアワビに似ている事で有名ですので、ご存じの方も多いと思います。高知県では「流れ子」と書き「ながれこ」と読むのが一般的なようです。「ながれこ」はミミガイ科の巻貝の一種で、全国的には「トコブシ(床臥・常節)」と呼ばれています。

高知県最南端の土佐清水市の「ながれこ」の旬は4月~8月で、夏の味覚としても親しまれています。岩の表面を流れるように這う様子から「流れ子」と呼ばれるようになったといわれているそうですが、「ながれこ」を捕獲する際に石などをひっくり返した時の水の流れにのってフワフワと流れるようににげていく様を指しているという説もあるようです。「ながれこ」と似ているといわれるアワビは水に流される事なく岩や石などにじっとへばりついているそうですので、アワビより小さいので「子」流れるので「流れ」で流れ子となったのではないでしょうか。

「ながれこ」とアワビは名前のラベルでもなければ、とてもよく似ており、小さなアワビと思う人も多いそうです。「ながれこ」もアワビと同じく漁業法で守られている貝なので、見つけても獲ることができませんので注意が必要です。

「ながれこ」とアワビはどう違う?

「ながれこ」は一見アワビの小さいサイズのもの?と思いがちですが、「ながれこ」が大きくなっても、アワビにはなりません。
しかし、同じミミガイ科なので「ながれこ」とアワビは仲間ではあります。

むき身にしてしまえばアワビと区別がつきにくく、見分けるのは難しいですが、「ながれこ」の殻とアワビの殻は形がすこし違います。アワビは殻に空いた穴が突起状に上に延びるのですが、「ながれこ」の突起は伸びてなく殻が平たくなっています。また、アワビの突起は平均して約4個ですが、突起は平均して約6個とアワビよりも多いのです。アワビと「ながれこ」の一番簡単な見分け方は、殻を見る事ですね。

ともに日本海全域や太平洋側にも生息しています。生息域もアワビは20mぐらいまでの深い場所にも生息しているようですが、「ながれこ」は比較的浅場に生息していることが多いです。

どちらも昔は磯で簡単に取れたようですが、近年では「ながれこ」も捕獲量が減少し、高価にはなってきていますがそれでもアワビほどの価格ではありません。
「ながれこ」が殻から外され身のみになっていると、なかなか見分けがつきません。アワビと偽って「ながれこ」を出すような店に騙されないように注意が必要です。
悪質なお店ではアワビの殻に「ながれこ」を入れて出すようなところもあるのだとか…。こうなってしまっては見分けがつかないですし、見分けがつかないのであれば「ながれこ」でもアワビでも良いとは思いますが、やはり騙されるのは気分が良くありません。また、もちろん食感などが違いますのでわかる人には違いがわかるそうです。

「ながれこ」の料理としての魅力

「ながれこ」はアワビよりも小さいため、アワビでよく見るステーキにはできません。身もアワビより小さいため、はなやかな料理などでは添え物になってしまいがちですが、「ながれこ」はアワビのように加熱しても身が固くなりにくいため、刺身で食べるときにはアワビよりも柔らかく、「ながれこ」のほうが好きな人も多くいるようです。また「ながれこ」はコレステロールの上昇を防ぐ栄養素が高く、鉄分やリン、銅、亜鉛など多くのミネラルが含まれています。高たんぱく低カロリーで健康に良い食材です。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 高知県では「ながれこ」と呼ばれる、アワビに似た食用の貝は?

A. トコブシ