横須賀市の名物である、旧日本軍の食事が由来のカレーライスとは？

横須賀市の名物である、旧日本軍の食事が由来のカレーライスをご紹介します。横須賀市では、古いレシピを忠実に再現したカレーをまちおこしに活用しています。歴史あるカレーの魅力とカレー関連のイベントなどをご紹介します。

栄養バランスが整った理想的なメニュー

海軍に関する文献にカレーライスが初めて登場するのは、明治41年に海軍で発行された「海軍割烹術参考書」であるといわれています。そこには、牛肉やタマネギなどといったごく一般的な具材に、小麦粉やカレー粉で作ったルーを混ぜいれてしっかりと煮込んだおいしいカレーライスのレシピが記載されていました。海軍カレーは明治時代初期に海軍で大流行した脚気対策として考案された、栄養バランスの整った軍隊用メニューです。海軍軍医だった高木兼寛の発案により、イギリス海軍のカレーシチューを参考として旧日本軍用に白米に合うように開発され、軍用メニューとして採用されました。「日本の家庭に広く普及したカレーライスのルーツがこのカレーである」というような説もあります。

現在でも海上自衛隊ではカレーライスのメニューがあり、毎週金曜日に提供されています。長く海上生活を続けていると、隊員たちが曜日の感覚をはなくしてしまうことがあるそうです。そこで１週間のサイクルを意識しやすいように、カレーライスを金曜日の定番メニューとして出すようになりました。栄養のバランスが整っていること、調理や片づけなどがわりに簡単なことなどもこのカレーライス定着の一因になっています。

よこすか海軍カレーのルーツは自衛隊地方総監のお別れパーティにあった！

横須賀市は神奈川県南東部に位置し、東京湾と相模湾の両方にに面しています。明治22年に軍の要請により横須賀線が開通、海軍を中心とする軍港都市としての役割から大きく発展していきました。敗戦後は自衛隊やアメリカ軍が駐留する他、横浜や東京などの都心に近くアクセスも良いことからベッドタウンとしても発展をとげました。

「よこすか海軍カレー」は平成10年、海上自衛隊横須賀地方総監のお別れパーティの席上で総監が「海軍カレーを横須賀市の地域活性化に活用してみてはどうか？」と発案されたことから始まりました。翌年には、「カレーの街よこすか推進委員会」が発足、その後「当時の海軍カレーの味を再現しよう」を合言葉に「海軍割烹術参考書」のカレーライスレシピを忠実に再現しました。こうして作られた横須賀オリジナルの海軍カレーは次第に全国でも話題となり、横須賀市の名物として子供から大人まで大変人気になっています。

カレーの街よこすかをみんなで楽しもう！

「カレーの街よこすか」が開発した歴史あるブランド「よこすか海軍カレー」は横須賀市内認定店での提供の他、お土産用のレトルトとしても販売されています。金曜日には「金曜日はカレーの日」として、市内の認定店では大盛りサービスや割引サービスなどさまざまなサービスをおこなっており、観光客や地元の人たちにとても好評です。そして、ついに平成21年の朝日新聞のアンケートでは、よこすか海軍カレーがご当地カレーの日本一に選ばれるという嬉しい結果が発表されました。

横須賀市では「カレーの街よこすか」を盛り上げるため、「よこすかカレーフェスティバル」「全校一斉カレーの日」「歳末チャリティーカレー」など、カレーに関連したさまざまなイベントを毎年実施しています。特に「よこすかカレーフェスティバル」ではよこすか海軍カレーバイキングという「10種類以上の海軍カレーブースからお好みの４種類を選んで味わえる」イベントがあり、遠方からの参加者も多い人気の企画となっています。この機会に横須賀市自慢の海軍カレーの味をいろいろと食べ比べてみるのも楽しいですね。イベントには「カレーの街よこすか」の公式マスコットキャラクター「スカレー」も登場し、お客様を大いに盛り上げています。カモメをモチーフにした可愛らしいキャラクター「スカレー」は子供にも大人にも大人気！みつけたらいっしょに写真撮影しても楽しいですね！