栃木県宇都宮駅の西口に建っているのは何の石像?

栃木県宇都宮駅の西口に、ある食べ物をモチーフにした石像があります。いったいどんな石像なのでしょうか。宇都宮と石像の関係、そして名物の食べ物について紹介します。

石像があちらこちらにある不思議な町

栃木県宇都宮市は、大谷石も特産品の一つです。宇都宮駅から車で30分のところにある大谷町で採掘されます。そのため、市内の至るところに石像が設置されています。餃子像を見にきた人はその数に驚くかもしれません。餃子像が設置されているのは、宇都宮駅の西口です。設置年は1994年、このときは東口の歩行者広場に置かれていましたが、2008年に始まった駅前の再開発に伴い、西口に移動されました。

ところがこのときクレーンのワイヤーが切れ、その衝撃で像の足が折れるというハプニングが起きます。そればかりでなく、地面に落下したために像が上下真っ二つに割れてしまいました。パテで修復することができたので、後日無事に西口ペデストリアンデッキに移動させることができました。ただ、この場所はデッキ下となり人目に付きにくいという問題があったため、2014年に2階のデッキ上へ再移転されます。餃子の石像というだけでも珍しいですが、2回も引越しを余儀なくされた石像というのも稀でしょう。その上、新たな設置場所には巨大なカエル像があり、奇妙なコラボ風景が織り成されています。

餃子像は現代彫刻家の西松鉱二氏が餃子の皮に包まれたビーナスをデザインし、宇都宮市商業観光課職員の友人が彫刻しました。石像ができたのは、「おまかせ!山田商会」というテレビ番組での町おこし企画のお陰です。そもそも、餃子の町として町おこしをすることになったのは、一軒あたりの餃子購入額が日本一であったことと、餃子専門店が30店舗以上あったのが理由です。

宇都宮餃子は他の餃子とどう違う?

宇都宮市に餃子が入ってきたのは戦後、餃子の本場だった満州のチチハルから帰還した兵隊がレシピを伝えたとされています。昭和20年代後半に初めて飲食店で餃子がメニューに導入されました。レシピは元々満州のものでしたが、同じ材料を揃えるのは困難だったため、宇都宮で手軽に入手できる野菜を主役とするレシピがポピュラーになっていきます。野菜の中でも特に使われたのは白菜です。これは現代でも引き継がれており、宇都宮餃子の特徴にもなっています。肉よりも水分の多い白菜が多めなため、包む皮も厚めです。さっぱりとしていますが皮が厚い分食べ応えがあり、主食にもできます。

歴史的建造物や岩を掘り出した石像も見られる町

宇都宮市に行った際は、ぜひ壮大な石像や建築物を見てみてください。宇都宮駅より車で10分ほどのところにあるカトリック松が峰教会は、国の登録有形文化財指定の現存する大谷石建築では最大級の建築物です。そこから車で8分のところにある大谷石建築の宇都宮聖ヨハネ教会も、併せて見ておきたいところです。時間があれば、大谷町まで足を延ばしてみてください。町に入ると石造りの建物が目立ち、普通の町並みでない雰囲気が楽しめます。特にいくつかある石材店の社屋や蔵は圧巻です。石材店の一つである屏風岩の石蔵2棟は2006年に有形文化財として指定されており、見応えがあります。

屏風岩から車で1分のところには、昔の採掘場の岩壁を掘った平和観音像がそびえます。巨大な石像は高さ27mにもなるというのに、手彫りだというのですから驚きです。展望台からは、町を眼下に見下ろすことができますよ。すぐそばにある大谷寺には、日本最古の石仏と言われる大谷観音があり、他の磨崖仏9体と併せて国の特別史跡および重要文化財に指定されています。こちらでは縄文人が暮らした跡や1万年以上前と思われる人骨も展示中です。さらにここから数分のところには、昔の採掘場を資料館にした大谷資料館があります。巨大地下空間に入っていくので、まるで洞窟を探索するような気分が味わえます。

壮大な石像は一見の価値あり!

宇都宮餃子は現地に行かずとも、自宅や地元の飲食店で食べることが可能です。しかし、大谷石の建築物や石像は現地でしか見られません。日中は栃木の深い歴史や文化に触れ、夜は熱々の餃子とビールに舌鼓を打つという旅もおすすめです。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 栃木県宇都宮駅の西口に建っているのは何の石像?

A.餃子