茨城県の郷土料理「パイタ焼き」に使われる魚とは?

潮汁や浜焼きなど、海の幸を使った漁師めしはシンプルだからこそ素材の味を楽しめる料理です。また、全国各地にはその土地ならではの漁師めしが存在します。今回は、茨城県の漁師たちから広まった「パイタ焼き」を紹介します。

漁師めしから始まったパイタ焼き

アジを細かく叩いて薬味と混ぜる「なめろう」という漁師めしがありますが、パイタ焼きも似たような料理です。ただし、使用する魚はサンマで、叩いた身を焼いて食べるのが特徴です。言うなれば魚肉ハンバーグになります。
パイタ焼きは、まだ船を手漕ぎで操っていた時代に生まれた料理と言われています。漁師たちが漁を終えて浜に戻った時に、船を漕ぐ櫂(かい)の平らな部分でサンマを叩き、直火で炙って食べていたのがパイタ焼きの始まりです。櫂の板の上で料理をしており、そのためカイイタがなまってパイタという名前になったとされています(船の端板を使っていたという説もあります)。

パイタ焼きは漁師たちから他の人たちへの間にも広がっていきました。現在では茨城県の郷土料理になり、主に魚料理を提供する飲食店でも取り扱われています。味付けは味噌で、ねぎ、しょうがといった薬味を加えて焼かれます。材料のサンマは新鮮な生サンマが最適です。そのため、サンマの旬である秋がもっともおいしく食べられる季節です。

パイタ焼きのレシピを紹介

パイタ焼きの主な材料はサンマなので、家庭でも作ることができます。4人分の場合は、材料の分量は次のようになります。
サンマ 4尾・ネギ 適量・ショウガ 適量・味噌 大さじ2・卵 1個・ごま油 適量。
まずサンマは、三枚におろして皮を剥いでいきます。内臓を取り出した時点で、水できれいに洗うようにしてください。血が残ってしまうと生臭い仕上がりになってしまいます。さばき終えたらサンマの身を包丁で叩きて細かくしていきます。身に粘り気が出るようになったら十分です。
次に、ネギとショウガをみじん切りにしていきます。切り終えたら、サンマ・ネギ・ショウガ・味噌・卵を一緒にして混ぜていきます。粘り気が出たらタネの完成です。

あとは焼いていくだけです。フライパンにごま油を入れてなじませていきます。火加減は中火にします。パイタ焼きのタネを形作って焼いていくのですが、ハンバーグよりも薄めにするようにしてください。ハンバーグのように厚くすると、中まで火が通るように焼いているうちにサンマがパサパサになってしまうからです。
両面にこんがりと焼き目がついたらお皿にもちつけましょう。これでパイタ焼きの完成です。

宮城県の海の名所

宮城の海と漁師たちが生み出したパイタ焼き、本場の味を堪能するなら宮城県に観光に行ったときにいただくのがいいでしょう。海岸沿いには新鮮な魚介類を料理してくれるお店もあります。
ここで一つ、宮城県に旅行を考えている人のために、宮城の海辺の名所を紹介します。それは松島です。松島は松島湾にある諸島を指します。日本有数の景勝地として知られ、日本三景の一つにも数えられています。仁王島・双子島・かえる島など、海上には浸食された結果ユニークな形になった島々がいくつもあります。松島湾を巡る遊覧船があるので、それに乗れば松島の景色を一通り楽しむことができます。

海周辺の高台や丘からは松島の壮観・麗観・幽観・偉観が見ることができると言われるように、陸地から松島を眺めると、場所によって風景の印象が異なるというのも特徴の一つです。松島の海岸沿いには、伊達政宗が建てたとされる「五大堂」というお堂があり、こちらは国の重要文化財に登録されています。

パイタ焼きは家でも手軽に作れる料理

パイタ焼きは宮城県の郷土料理ですが、家庭でも再現しやすいのでお試しください。ミンチにするので魚を三枚に上手におろせない人でも、見た目を気にせず料理できます。ハンバーグのようにすれば、魚嫌いの小さな子供でもおいしく食べられます。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 茨城県の郷土料理「パイタ焼き」に使われる魚は?

A.サンマ

Q. 宮城県の松島の海岸沿いにある、伊達政宗が建てたとされるお堂は?

A.五大堂