全国的に有名な手延べそうめんのブランド「揖保乃糸」といえば、どこの都道府県のそうめん?

夏の暑い時期に食欲が落ちても、つるっと食べられるのがそうめん。夏の定番メニューの1つですね。そうめんの代表的なブランドに『揖保乃糸』があります。その『揖保乃糸』はどこで作られているかご存知ですか?

そうめん作りに最適な地域

揖保乃糸は播磨の小京都と呼ばれる兵庫県たつの市を中心に、宍粟市・姫路市・揖保郡・佐用群で生産されています。近隣で質の良い小麦や赤穂の名産である塩があり、播磨五川のひとつ清流・揖保川は軟水でかつ豊富な水量を誇っています。この地方は雨が少ないというのも、そうめん作りの条件にぴったりあてはまり日本有数の産地になりました。

揖保乃糸の歴史

この地域でのそうめん作りの歴史は古く、揖保郡太子町にある斑鳩寺の室町時代の古文書には『サウメン』という記述がありました。神社の社殿造営の祝言にそうめんが使われた、という記述もみられます。

本格的に作られるようになったのは江戸時代の中期頃だと考えられており、当時は龍野藩から保護育成され生産量が増加しました。そうめんを作る農家が多くなり生産量が高まるに従い、粗製乱造する者が出てくるようになりました。そこで産地のそうめん屋仲間が集まり、品質などについて取り決めを交わしたのが『素麺屋仲間取締方申合文書』です。

良質なそうめんを生産する伝統は現在でも受け継がれ、徹底した品質管理で製麺されたそうめんは、兵庫県の手延素麺協同組合の検査指導員によって厳格な検査が行われます。厳しい基準をクリアしたそうめんだけが『揖保乃糸』として出荷を許されるのです。

ブランドそうめん『揖保乃糸』の7つのランク

揖保乃糸は原材料や小麦粉の質や麺の細さ、製造時期などの違いによって等級が分かれています。

最高級なのは『三神(さんしん)』。原料は厳選されたものだけを使用し、手延素麺協同組合が選抜して指定した、数軒の熟練した製造者にしか作れません。製造時期も厳寒期の2か月間のみと短く、麺ももっとも細く何と毛髪の約6本分!揖保乃糸の全体の製造量の中で占める割合も非常に少なく、あのマツコ・デラックスさんも絶賛したというそうめんです。

『特級品』は厳寒期の3か月で上質の小麦粉を使用して作る、揖保乃糸で2番目に等級の高いそうめんです。そうめんは寒い時期に作られるほどおしくなると言われるので、寒い時期にしか作られないのが『特級』のゆえんかもしれません。贈答品に用いられることが多いのもこの『特級』です。

『縒つむぎ(よりつむぎ)』は国内産小麦だけを使用して作られたそうめんで、その束は紫色の高貴な帯に巻かれています。程よい弾力でもちもちとした食感と小麦粉のうま味が楽しめます。

『播州小麦』はその名前の通り播州地方で作られた小麦を使っているのが特徴です。粘りと弾力性が強い小麦粉2種類を絶妙のうまくブレンドさせて、もちもちとした食感を出しています。つるんとした喉ごしも楽しめる一品です。

『熟成麺』は製造後、専用の倉庫で1年間じっくりと熟成され、コシが強く、さらに風味もよくなったそうめんです。金色の帯で巻かれているのがゴージャスですね。

赤い帯で巻かれているのは『上級品』です。スーパーなどでよく目にする揖保乃糸はこちらのもの。10月末から3月末の間に2昼夜36時間かけて作られ、全体の生産量の多くを占める主力商品です。

『太づくり』は揖保乃糸の中で唯一やや太麺に仕上げたもの。原料には北海道産小麦「きたほなみ」を使用し、歯切れがよく弾むような食感を存分に味わえます。

資料館で手延べそうめんを体感しよう

たつの市には揖保乃糸の資料館『そうめんの里』があります。こちらは手延べそうめんの伝統の技を体験することができる施設です。そうめんの歴史や製造工程を学習ができ、さらに館内のレストランでは四季折々の料理と本場のそうめんが味わえます。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 全国的に有名な手延べそうめんのブランド「揖保乃糸」といえば、どこの都道府県のそうめん?

A. 兵庫