「利尻昆布」といえば、どの都道府県の名産品?

料理にうま味を加えるために欠かせない「出汁」。特に日本料理ではだしは味付けの基礎となっています。野菜のおかずを中心として米飯を食べることが主体であった日本ではそれ自体うま味の少ない野菜にそれを補うべく、だしの文化が発達したとも言われています。

日本料理においてはカツオ節と昆布からとるだしが代表的なものですが、今回はだし昆布として有名な産地から、特に高級品として扱われている「利尻昆布」についてのご紹介します。

高級品として有名な「利尻昆布」

利尻昆布は名前の通り、北海道北部の日本会場にある利尻島で採れる昆布です。一般的な昆布に比較して甘味が強く、真昆布に比較すると歯ごたえがと塩味も強く感じられるのが利尻島の名産の利尻昆布です。外見は幅が狭く、くさび状になっているのが特徴です。また、他の昆布の場合は乾燥させた後も青味が残っており深緑色に見える事例が多いですが、利尻昆布の場合は黒褐色に変化し青味は感じられません。

利尻昆布からとれる出汁は風味が濃い上に香り高く、透明度が高いため湯豆腐やお吸い物、鍋物に適しており、また、漬物に使用しても美味しく仕上がります。京都の会席料理でもかかせないものとなっています。

利尻昆布は出汁をとる用途で加工をせずに出荷される割合が多いですが、硬くて削ったとしても変色しないという強みを活かし、高級おぼろやとろろ昆布としても加工されます。

利尻島はここにあります

利尻島は北海道の最北部、稚内にある宗谷岬から西方の日本海に浮かぶ島です。ほぼ円形の形をしていて日本の島では18番目に広い面積だそうです。島の中央には利尻山がそびえおり、独立した火山島です。

JR稚内駅から歩いてすぐの稚内港から定期船が出ていて島へ渡ることができます。札幌からの航空便もあり、空からもアクセスが可能です。

豊かな海が利尻昆布をつくる

日本料理では欠かせない食材として京都はもちろん全国各地で使用されていますが、流通しているだし昆布の多くが北海道で得られた物であり、その割合は流通量の全体の95%にもなるほどです。

名前に利尻という島の名称が付けられている様子からもわかるように、利尻昆布が生息しているのは利尻島や隣り合う礼文島の周囲から、留萌よりも北側や稚内にある野寒布岬、宗谷岬やオホーツク海岸まで広く分布します。

その中でも利尻昆布が希少性が高く、高級である理由は昆布が育つ海の環境の特殊性から。北海道の北東にあるオホーツク海は、北側からのリマン海流と南側からの対馬海流の2つの海流が合流しています。

北側と南側から合流するこの海域には、各方面からプランクトンが豊富に流れ込み、昆布にとって重要な栄養が一年中豊富に存在し続けているのです。

そのため利尻昆布は見た目や風味だけでなく、その栄養素も高く、ミネラルを豊富に含んでいることから最近では食品だけでなく美容商品の原材料にも使われています。

観光地としても人気の利尻島

利尻島は周囲約63Kmの円形に近い形で、そのほぼ中央には標高1721mの利尻山がそびえています。春から夏にかけては高山植物が見頃になり、原生林や沼地など、絶景スポットが数多くあります。ハイキングやキャンプを楽しむことができます。

また、周囲を囲む豊かな海もも観光スポットとして見逃せません。南端にある仙法志御崎公園では野生のゴマフアザラシをみることもできます。そしてなんと言っても海の幸。とりわけウニは名産品として有名で、絶品と言われています。グルメ目的の観光でもきっと満足できるでしょう。

この島に訪れる観光客は年間約40万人。気候が和らぐ6-9月頃が狙い目の観光地です。夏の旅行計画の候補地に検討してみてはいかがでしょうか。

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Q. 「利尻昆布」といえば、どの都道府県の名産品?

A.北海道