広島県に本社を置く田中食品が製造する、主に西日本で販売されているふりかけは?

ご飯のお供に欠かせない「ふりかけ」。皆さんも「推し」ふりかけのひとつやふたつ、あるのではないでしょうか。今回ご紹介するふりかけは、東日本の方にお住まいの方は馴染みが薄いかもしれませんが、試してみれば好きなふりかけの1つになるかもしれません。

ふりかけ「旅行の友」って?

広島県広島市の田中食品株式会社が製造している「旅行の友」は、青地に赤・黄・緑の原色のシンプルかつレトロかわいいデザインのパッケージ。普通、ふりかけのパッケージを見れば「鮭」や「かつお」「梅」はたまた「すきやき」などが大きく書かれており、味がわかるものですが「旅行の友」は一見したところ、何の味かわかりません。「小魚のふりかけ」と記載されているので、小魚をベースにしたふりかけのようです。食べてみると、魚とゴマの香ばしさに海苔の香りが口に広がり、少し甘めの味付けでどこか懐かしい味わい。間違いなくごはんが進みます。小魚・ごま・海苔・卵の自然の味を生かして作られており、厳選した本物の素材を使用しているとのこと。開発当初から変わらない味は昔ながらのふりかけです。

「旅行の友」の歴史

ふりかけ「旅行の友」の歴史はかなり古く、その誕生は大正時代のこと。製造元の田中食品は、当時の陸・海軍に漬物を納めていましたが、軍から「持ち運びに便利な栄養価の高い保存食を」と新しい食品の開発を要請されました。その当時の一般的な食生活だと栄養不足気味であったということもあり、また「戦地で頑張る息子が食べるものに困らないように、栄養価の高いものをおいしく食べてもらいたい」という子供を思う親心と愛情から、さまざまな創意工夫の中で誕生したのが、小魚のふりかけ「旅行の友」なのです。

こうしてできあがったものを軍に納めたところ高い評価を得たことから、この栄養豊富でおいしい食品をぜひ一般の方々にも味わってもらいたいと、一般への発売が開始されました。

「旅行の友」のネーミングの由来

当時のお弁当のおかずと言えば梅干、たくあんといった漬け物を中心としたものだった為、栄養価も決して高いとはいえませんでした。そうした中、「旅行の友」は「栄養豊富」そして「食べてもおいしい」さらに「持ち運びに便利」と三拍子揃った食品として重宝されました。そうした特長を持つ商品だったことから、旅行などのお弁当に、いつでも手軽に使ってもらいたいという気持ちと、また、創業者である田中保太郎氏の妻の名前が「トモ」さんといい、創業者ご自身が出張する機会が多い中、商売と家事を両立してくれた妻への感謝の気持ちを込めて、旅行とトモをもって「旅行の友」と名付けられたということです。

パッケージの秘密

発売当初の「旅行の友」は、スチール製の缶に入れられていました。本体とフタの部分に分かれ、それぞれの上部に直径約5mmほどの穴が開いていて、フタを回すようにずらし、それぞれの穴を合わせて振れば、缶の中のふりかけが出る仕組みになっていたそうです。そして、発売当初のデザインは、「旅行」のネーミングにちなんで、蒸気機関車をモチーフとしたものでした。現在のデザインは切符をモチーフとしたもので昭和29年(1954年)から使用されており、当時としては画期的なデザインだったようです。

ごはんだけじゃない!色々使える「旅行の友」

「旅行の友」はごはんにふりかけて食べるだけではなく、アレンジレシピも豊富。釜玉うどんにかけたり、ペペロンチーノにしたり、パンにぴったりのマヨネーズと混ぜるだけのスプレッドなど、どれもおいしそうです。パンと合うふりかけなんて斬新ですね。田中食品のホームページやクックパッドの公式アカウントに掲載されているので、気になった方はチェックしてみましょう。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 広島県に本社を置く田中食品が製造する、主に西日本で販売されているふりかけは?

A. 旅行の友