すき焼きやお好み焼きによく使われる「観音ネギ」はどこの都道府県の名産?

焼いてよし、似てよし。刻んで薬味としても重宝されるネギ。私達の食卓には欠かせない野菜の一つです。また、美味しいだけでなく、風邪をひいたらネギを首に巻いて寝ると良い、とも言われるように、血行促進や疲労回復の効果も期待できる栄養価の高い野菜でもあります。

原産地は中国西部、中央アジアであるという説が有力だそうです。中国では紀元前の書物にもネギに関する記述、そして調理法が載っているとのこと。日本には奈良時代より以前に朝鮮半島から伝わったという話もあります。古くから人類には馴染み深い野菜なんですね。

甘みがつよく柔らかい「観音ネギ」

観音ネギは、広島市西区観音地区で栽培されている青ネギの品種です。ちなみに「観音」は「かんのん」ではなく、「かんおん」と読みます。「観音ネギ」は「かんおんネギ」ですね。太田川の三角州のきめ細かな砂地がねぎの栽培に適しており、明治の始めころに京都の九条ネギを改良した観音ねぎの栽培が盛んになったそうです。

普通のネギと比べて白色の部分がやや多く、独特の風味と甘みを持ち、非常に柔らかいという特徴を持っています。地元広島県の名物である広島風お好み焼きをはじめ、煮ると甘みがますのですき焼きや鍋、煮物に適しています。年中食べられますが、一段と美味しくなるのはやはり冬の時期。特徴の甘みがさらに増すこの時期、すき焼きや鍋ものに入れて体を温めたいですね。

観音地区はここにあります

地図でみると中洲であることがよくわかります。広島県を流れる太田川の河口域に位置しており、太田川放水路と天満川に挟まれたエリアに観音地区はあります。

栄養に富み、サラサラとした砂質土壌が観音ネギを甘みがつよい美味しいネギに育てています。

広島駅からは広島電鉄で天満町駅へ。だいたい2-30分のエリアです。広島平和記念資料館などにも近いので広島を訪れた際にちょっと足をのばして行ける場所ですね。

ご当地で味わうならやっぱり広島風お好み焼き?

広島のご当地グルメとして名前が上がるものといえばやはりお好み焼きでしょうか。具材を細く切り、小麦粉の生地に混ぜ込んで焼き上げる「混ぜ焼き」と違い、薄く伸ばした生地に野菜や肉を乗せながら焼き上げる「重ね焼き」が大きな特徴ですね。

昭和初期、駄菓子屋などで売られていた、水に溶いた小麦粉にネギや肉片などを混ぜて鉄板で焼いてソースを掛けたものが始まりと言われています。戦後の食糧難の時代にはお米よりもずっと手に入りやすい小麦粉を使ったこの料理が重宝され、安価でボリュームのあるキャベツも具材として使われるようになったのが広島風お好み焼きの原型と言われています。

その後、生活が豊かになるに連れてお肉をいれたり、中華麺をつかったりと料理として発展していき、現在では県民食として愛される食べ物となったそうです。今では広島県内には約2,000店ものお好み焼き店があるとか。

そしてそんな広島県民に愛される広島風お好み焼きにはやっぱり地元名産の観音ネギ。都内で人気の広島風お好み焼きやさんでは毎日広島から取り寄せているというお話も。

今まであまり注目していなかった方、今度は観音ネギを意識して広島風お好み焼きを味わってみてはいかがでしょうか。

ひろしまを体験できるブランドショップ

TAU -ひろしまブランドショップ-

銀座一丁目にあるブランドショップ「ひろしまブランドショップTAU」。広島の名産品を購入したり、地元食材をつかった飲食店で食事ができる、東京にいながら広島を体験できる場所です。

お店の名前になっている「TAU」、「たう」は届くという広島の方言です。日常にある多様な文化や伝統を多くの人に届けたいという思いがこめられているとか。

広島人気プロスポーツチームのグッズコーナーやイベントスペースもあり、ちょっと立ち寄ってみるだけでも面白いかもしれません。

ザ・ご当地検定の問題

Q. すき焼きやお好み焼きによく使われる「観音ネギ」はどこの都道府県の名産?

A.広島

Q. 広島市で栽培されている「観音ネギ」。なんと読む?

A.かんおんねぎ

Q. 銀座にある「ひろしまブランドショップTAU」。広島の方言で「たう」はどんな意味?

A.届く