広島名産の牡蠣を、広島ならではのとある形のお弁当箱に詰め込んだ名物駅弁の名前は何というかご存じですか?
広島の名物駅弁!「しゃもじかきめし」?!
全国各地にご当地ゆかりのユニークな駅弁がありますが、広島のユニークな名物駅弁といえば「しゃもじかきめし」です。
日本一の牡蠣の産地である広島県が誇る美味しい牡蠣料理をふんだんに使ったお弁当で、真っ赤なしゃもじ型の容器に詰められている、なんともかわいらしい一品です。
9月の中旬から3月末ごろまでの冬季期間の限定販売品となっています。山陽本線広島駅の構内売店や山陽新幹線の車内販売などで購入が可能となっていますが、人気商品のため売り切れてしまうことも多いのだそう。味も抜群、見た目もおいしい「しゃもじかきめし」は、見つけたら購入必至です。
「しゃもじかきめし」の気になる中身は…?!
鮮度抜群の牡蠣をたっぷりと使った広島名物「しゃもじかきめし」のパッケージは、四角い紙箱です。美味しそうな「しゃもじかきめし」の写真とともに宮島の鳥居のシルエット、そして「広島の味」「開運」と記されています。パッケージだけでもまず縁起が良さそうですが、見てほしいのはその中のお弁当箱。
紙箱の中には、これぞ縁起の良い「宮島しゃもじ」を形どった真っ赤なプラスチックのお弁当箱が。蓋には金色で厳島神社の鳥居と五重塔などが描かれています。五重塔の下には鹿らしき動物の姿も…。「ひろしま駅弁」と製造メーカーの名前もしっかりと載っています。
そんな朱塗りしゃもじのお弁当箱。蓋を開けると、ぎっしりと牡蠣三昧の料理が詰まっていて思わずニンマリとしてしまうこと間違いなし。
まず目を引くのは、錦糸卵の上に並べられた大粒の煮牡蠣。臭みがないのは新鮮な証拠で、磯の香りとしっかりとした味付けに大満足です。
錦糸卵の下には、牡蠣のエキスたっぷりのスープで炊きこんだ牡蠣飯。こちらにもぷりぷりの牡蠣の身をたっぷりと炊き込んであり、薄味に仕上げられたご飯は、青のりや紅ショウガも良いアクセントになります。
ジューシーでぷりっとした身が嬉しいカキフライには、広島といえばのオタフクソースをかけていただきます。
そして絶品なのは、品良く柚子の香りが広がる牡蠣身のゆず味噌和え。後を引く美味しさです。
付け合わせにはじゃこ煮と広島菜漬けが添えられていて、こちらも広島の自慢の味を牡蠣料理と一緒に堪能できるという仕組みになっています。
なぜ宮島のお土産は「しゃもじ」?!
この赤いしゃもじ型のお弁当箱は、広島を代表する観光名所「厳島神社」の宮島しゃもじを象っています。広島のお土産や、広島カープの応援などでも使われていることから、広島・宮島とは深い関わりがある「しゃもじ」。しかも開運をもたらすアイテムとあって縁起のいいお弁当箱です。では、なぜ宮島のお土産は「しゃもじ」なのでしょうか?
それは江戸時代までさかのぼります。世の中から戦がなくなり平穏が訪れると「お伊勢参り」などの旅行ブームが起こりました。お伊勢参りの記念に特産品やお土産を買うということもこの頃に発展したのだそうです。当時では根付や煙草入れなどが人気だったようです。
風光明媚な宮島もそんな旅行ブームで人々が遠方から訪れるようになります。当初は色とりどりの「色楊枝」などをお土産として販売していたようですが、宮島神泉寺のお坊さんが、宮島のお土産は宮島の産業になるものを、と考案したのが「しゃもじ」でした。
宮島の弁天様が持つ琵琶に似せた「しゃもじ」というだけでも縁起がいいのですが、「しゃもじ」はご飯をすくうことから「敵を召し取る(飯取る)」という意味もあり、必勝祈願や合格祈願にも人気が出ました。
当時の宮島では稲作や畑作が禁じられていて、島民たちも山仕事を生業とする人が多く、手先が器用だったようです。お坊さんは島民に作り方などを広め「しゃもじ」は宮島の一大工芸品になったということです。
さらに、宮島のしゃもじは神木から作られているということで、使えば幸運や好運に恵まれると名声が広がっていきました。宮島のしゃもじが人気になるとしゃもじの生産も本格化します。やがてしゃもじ作りは宮島の一大産業へと発展していきました。
現在の「宮島しゃもじ」は約200年続く伝統工芸という一面に加え、木製しゃもじの日本一の生産量を誇るまでになりました。
ザ・ご当地検定の問題
Q.特徴的な形の容器に名産の牡蠣を詰め込んだ、広島の名物駅弁は?
A.しゃもじかきめし