別名を「殿様ネギ」という、群馬県特産のネギの品種は?

一般的に添え物や薬味としての印象が強いネギですが、料理の主役として楽しめるブランドネギがあることをご存知でしょうか?群馬県の特産として知られ、日本三大ネギの一つにも選ばれているネギをご紹介します。

下仁田の土や気候でしか生み出せない、不思議なネギ

下仁田ネギは、群馬県甘楽郡下仁田町が誇る特産品で、白ねぎの代表品種のひとつです。礫を含む粘質土壌を持つ下仁田とその近郊の、本当に限られた土地でしか美味しく育たないという、不思議なネギなんです。また、下仁田町は平野部が少ないため、ネギを育てられる畑の作付面積も広くありません。さらに、一般的な白ネギの場合は種植えから収穫まで約1年ですが、下仁田ネギは15ヶ月の期間が必要で、年に一度11月末~12月に収穫されます。そのため、原種の下仁田ネギは収穫高が非常に少なく、あまり出回らないため、幻のネギとして大変希少な存在になっています。

見た目は、白根部分が長さ20cmあまりと短く、直径が6cm~9cmのものもあるほど太いのが特徴です。200年以上の歴史を持ち、江戸の大名から「公務で使うから、ねぎ200本を至急送れ!送料はいくらでも構わない。」と依頼されたことも古文書に残されています。下仁田ネギが別名「殿様ネギ」と呼ばれるようになったのは、立派な外見と江戸の殿様が欲しがるほど美味なことが由来になったとされています。

下仁田ネギのオススメの食べ方・保存方法

下仁田ネギは、生で食べると一般的な長ネギの3倍もの辛味がありますが、火を通すと驚くほど甘くなるのが特徴です。また、そのとろ〜りとした食感と特有の風味は、他のネギでは味わうことができません。下仁田ネギの食べ方といえば「すき焼き」が有名です。普段ならお肉を取り合うすき焼きですが、下仁田ネギを入れればネギを取り合ってしまうほど、主役として美味しくいただけます。さらにネギは、肉の臭みをとったり、たんぱく質を分解・吸収しやすくしてくれる、嬉しい成分を持っているんですよ。すき焼きのほか、鍋料理全般に適した食材です。もちろん、焼いても・揚げても・蒸しても、メインの食材としても、メインを引き立たせる食材としても、食卓を美味しく盛り上げてくれます。

幻のネギである原種下仁田ネギは、スーパーにはほとんど出回らないと言われています。収穫の時期である11月〜3月頃に、産直センターや道の駅・農家直売の路地販売などの限られた場所で購入ができます。お歳暮時期にちょうど重なるため、贈答用としても人気です。泥がついたままの方が長持ちするため、下仁田ネギは泥つきで売られていることが多いです。そのまま自宅でも泥は落とさずに、乾燥を防ぐため新聞紙で包んで、できるだけ立てた状態で冷暗所か冷蔵庫の野菜室で保管すれば、1ヶ月くらいは保存ができますよ。

観光も楽しめる群馬県下仁田町

下仁田ネギを生み出した下仁田町周辺には、自然や歴史を感じられるスポットが豊富にあります。まずオススメなのが、赤城山・榛名山とともに上毛三山の一つとして数えられる「妙義山」です。荒々しい岩肌や奇岩が立ち並ぶことから、日本三大奇景の一つとしても知られています。気軽に挑める初心者向けのルートや、体力や経験を必要とする上級者向けのルートがあり、自分にあった登山を楽しむことができますよ。また、東南麓にあるさくらの里では、45種5000本の桜が植栽されており、開花の頃には多くの人が訪れます。

次にオススメなのが、2014年に世界遺産登録されたことでも有名な「富岡製糸場」です。当時、世界最大規模の器械製糸工場として、繭から生糸を作る作業が行われ、生糸の大量生産と品質向上を実現。そしてその技術を世に広め、世界の人々の生活や文化をさらに豊かにしたという歴史を持ちます。当時の姿のままの、木骨と赤レンガ造りのレトロな建造は、タイムスリップしたような感覚にさせてれますよ。ガイドツアーや音声ガイド機の貸し出しを利用すれば、さらに深く学ぶことができます。

下仁田ネギを味わいにぜひ群馬県へ!

甘くとろーりとした食感が楽しめ、殿様ネギの異名を持つ下仁田ネギ。他の地では作り出せない、この特産を生み出した下仁田周辺には、ここでしか体感できない観光スポットもたくさんあります。下仁田ネギと観光を堪能しに、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?

ザ・ご当地検定の問題

Q. 別名を「殿様ネギ」という、群馬県特産のネギの品種は?

A.下仁田ネギ

Q. 次のうち、群馬県の「上毛三山」に数えられないのは?

A. 諏訪山

Q. 日本三大奇景の一つとしても知られる、群馬県下仁田町の山は?

A. 妙義山