福島県の鶏「川俣シャモ」のPRとして行われているのは、何の世界一?

「川俣シャモ(軍鶏)」のルーツは、おもてなしの心にありました。福島県の「田舎ならではの最高の食材で、心と身体を養っていただきたい」との思いから川俣シャモが生まれました。首都圏では高級食材として認められているブランドシャモなのです。

川俣シャモの「シャモ」とは

福島県伊達郡川俣町は、阿武隈山地北部の静かな丘陵地帯で、澄んだ空気と清らかな水に恵まれています。江戸時代この地域は絹織物で栄え「絹長者」がおり、闘鶏用としてシャモ(軍鶏)が普及しました。闘鶏が廃れると、シャモは食用となりました。新たに品種改良され、昭和58年に「川俣シャモ」が誕生しました。飼育には、シャモファームの定めたマニュアルの元、種鶏管理・孵化・育雛・肥育・出荷までを一元管理して、川俣地区だけで飼育されています。

シャモというのは、闘鶏用であるためオスは闘争心が強く、ケージの中で縄張りを持ちどちらかが死ぬまでケンカをするため、大規模飼育が難しいとされています。川俣シャモは、20~25羽と少数飼いし、自然のなかで放し飼いにしています。そのため、肉質は脂っぽくないのにコクがあり、硬すぎず適度な弾力があるのが特徴です。

世界一長い焼き鳥とは

川俣町で開催されているのが、「川俣シャモまつりin川俣」です。町おこしを目的に平成16年に企画開催されたのが始まりです。まつりのイベントの一つとして「世界一長い焼き鳥」があるわけですが、当初は10mの記録だったようです。その後、全国各地で開催され、県内外からの挑戦者と競い合っています。

ルールは「一本の串のみを使う、肉は地元特産を使う(鳥だけに限定しない)、折れずに焼き上げる」の3つ。平成21年の第7回まつりで、川俣町は見事、24.24mの記録を樹立し優勝し世界一の記録となりましたが、その後、埼玉県東松山市が25.55mと記録を塗り替えました。そこで新しいイベント「世界一長い川俣シャモの丸焼き」を企画し、一本の串で103羽のシャモを丸焼きにして新しい記録をつくりました。たくさんの人が集まり協力して焼き上げ、判定が終われば、自分が焼いた美味しいシャモを食べることができます。

また、PC時代を築き上げるべく企画「シャモロボコン」もあります。手作りロボコンをシャモの形に自由にデザインし、風船を割って競い合うという内容です。東京工業大学・東北大学・福島工業専門学校の学生やOB有志が企画し、地元の子供たちと参加します。

川俣町はシャモ、シルク、コスキン

福島県川俣町の三代名物は、シャモとシルクとコスキンと言えます。「シャモ」とは前述した川俣シャモのことで、「シルク」は川俣シルクのことです。絹の里ともいわれ、川俣で生産されるシルクは高級品となっています。川俣地区に養蚕が伝わったのは、天才といわれる養蚕技術を持った「小手姫」という皇后です。この地を安住の地と見出され、地元の民にその技術を教えられたそうです。小手姫は、伝説として伝えられ今は「機織神社(はたおりじんじゃ)」に祀られています。

「コスキン」とは「コスキン・エン・ハポン」という中南米音楽祭のことです。アルゼンチンのコスキン市で開催されている国民的音楽祭を、日本の川俣町でも開催しています。フォルクローレ(民族音楽のこと)を楽しむまつりで、日本では「コンドルはとんでいく」と言えばわかりやすいでしょう。古くから川俣シルクなどで栄え、文化意識が高く、コスキン市と川俣町の景観が似ていることから交流があったことから開催されるようになりました。大人も子供も歌ったり踊ったりと地域交流の場となっています。

川俣シャモを味わいに出かけよう!

川俣町は、福島中央北部に位置し福島市に隣接しています。東北自動車道福島西I.C、二本松I.Cから約22キロ、東北新幹線福島駅から約20キロの距離です。独特の触感と豊かな風味の川俣シャモを味わいに川俣町に出かけましょう。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 福島県の鶏「川俣シャモ」のPRとして行われているのは、どんなものの世界一?

A.長い焼き鳥