福井県と京都府を結ぶ街道のことを、福井で獲れるある魚の名前を使って何という?

魚の名前がついた福井県と京都府を結ぶ街道をご存じでしょうか?実際に訪れたことがある方は分かるかもしれませんが、そうでない方は何のことを指しているのか、いまいちよく分からないかもしれません。ここではその街道について紹介していきます。

鯖街道ってなに?

鯖街道とは、福井県小浜市と京都府京都市左京区までを結んでいる若狭街道のことを指しています。福井県では鯖の水揚げ量が多く、1974年には12697トンにものぼったといわれているのです。そのため、鯖が大量に獲れる福井県から、鯖をいろいろな地域に届けていました。しかし、交通手段が発達していなかった時代においては、福井県の若狭湾で水揚げされた鯖も、徒歩で輸送されなければならず、行商人が担いで各地に運んでいたという歴史が残っています。そのような時代に、福井県から京都府まで鯖を運ぶのに利用されたルートが若狭街道であったため、若狭街道の別名を「鯖街道」と呼ぶようになったのです。

鯖街道を使って福井県から京都府まで鯖を運ぶ道中には峠を越えなくてはいけなく、体力的にもつらい状態であったといわれています。特に冬は寒さで命を落としてしまう行商人もいたほど、過酷な道のりであったといえるでしょう。なお、鯖を運ぶ時には、まだ冷凍技術が生み出されていなかったので、塩でしめた生鯖をそのまま運んでいました。しかし、運んでいる間に鯖に塩がしみ込み、美味しく食べられる塩加減になったことで、京都の人々に支持される食材となったようです。

また、鯖街道を使って京都まで運ばれたものは、鯖だけではなかったといわれています。当時のものとみられる木簡には、鯛の寿司をはじめとして、さまざまな海産物が運ばれていたことが分かる記載が残っています。海産物のほかにも、塩も輸入していたという記録もあり、京都で暮らす人々にとって、鯖街道を経由して運ばれてくる食材は、食生活を豊かにする上で、欠かせないものであったのかもしれません。

ちなみに、鯖街道は、2015年に文化庁によって選定された日本遺産のうちの1つとして選ばれています。時代が進むにつれて、徐々に交通網や冷凍技術も発達していったことから、行商人が峠を越えて鯖を運ぶことはなくなりましたが、鯖街道には鯖寿司の製造をしているお店など、鯖に関係のあるお店も多く誕生しているようです。

福井県とはどのような地域なのか

福井県は県内全域が温暖湿潤気候であるものの、日本海側気候の影響も受けるため、豪雪地帯として有名なところです。福井県大野市では年間降雪量500cmを超えるほどの雪を観測しています。また、年間の降水日数も多く、170日ほどは雨が降るともいわれるため、福井県民の間では、「お弁当は忘れても傘は忘れてはいけない」という認識があるようです。福井県にある若狭湾の海岸線はリアス式海岸として有名ですが、このほかにも、いくつかの湾があるほか、周囲0.1km以上の無人島も58島存在しているのが特徴です。

福井県には、定期便はないものの、福井空港があるほか、北陸本線や小浜線をはじめ、各種鉄道が通っています。交通の便も良く、毎年多くの観光客が福井県に訪れているのです。さらに、産業大国としても有名な福井県では、鯖江市を中心としてメガネフレームなど、眼鏡の生産が盛んになっています。そのため、眼鏡産業においては、全国生産の90パーセント以上の割合を占めているのが特筆すべき点といえるでしょう。このほかにも、繊維や刃物、漆器の生産が盛んで、中でも業務用漆器においては、国内シェア約8割を誇っています。

福井県に行ったら、鯖街道を訪れよう

鯖街道は、交通網が発展していなかった時代の人々の生活において、重要な役割を果たした街道となっています。当時の面影を残すかのように、今でも鯖に関係のあるお店が軒を連ねているので、福井県に行った際には、ぜひ鯖街道に訪れてみてください。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 福井県と京都府を結ぶ街道のことを、福井で獲れるある魚の名前を使って何という?

A. 鯖街道