かつての海軍のレシピを利用した「海軍コロッケ」は、何県のご当地グルメ?

皆さんは海軍グルメと言われて何を思い浮かべますか?よこすか海軍カレーなどでしょうか。実は東北に海軍のレシピを再現した海軍グルメがあります。今回は大湊のご当地グルメである海軍コロッケについてご紹介していきます。

大湊海軍コロッケとは

大湊海軍コロッケは青森県下北地方のご当地グルメで、戦前に大湊に配備されていた旧日本海軍の食事に出されていたのを再現したものです。海軍コロッケは大湊に配備されていた部隊だけでなく他の部隊でも食べられていましたが、生まれたのは大湊なのではないかと言われています。以前はむつ市内で行われる海上自衛隊のイベントで年に2回だけ、幻のメニューとして販売されていました。イベントの時にはあまりの美味しさに地元の人が長蛇の列を作るほどだったそうです。そこで、そんな海軍コロッケを観光客にも食べてもらいたい、海軍コロッケを通して下北地域の魅力を発信したいと「大湊海軍コロッケ」がご当地グルメとして誕生しました。

普通のコロッケとの一番の違いは油にあります。普通の洋食屋などではコロッケはラードを使って揚げるのが一般的ですが、海軍コロッケはヘッド(牛脂)で揚げます。ヘッドを使うことにより香ばしい香りと深いコクが得られるためです。ヘッドは他の油と混合してもよく、ヘッドを多く使うほどカリッとした食感になります。お店ごとに調理法が異なるため、それに合わせてヘッドの配合率も違います。そしてコロッケの具材もお店ごとに異なります。イカなどの海産物や、厳しい寒さで飼育されたことによりたっぷり脂が乗った「東通牛」など地元の厳選食材を使っているのも大湊海軍コロッケの特徴です。

さらに形にも美味しさの秘密が隠れています。大湊海軍コロッケは「小判型」と「まんじゅう型」の二種類の形があります。小判形は一般的なコロッケの形。一方、まんじゅう型は具材をジャガイモで包んでおり、その名の通りまんじゅうのような包み方です。旧海軍のレシピに載っているのはまんじゅう型の方です。

大湊の海軍とコロッケの歴史

大湊港は下北半島の中心部に位置している港です。田名部七奏のひとつであり、南部藩が積荷税を徴収する港として1600年代頃から栄えていました。明治以降は津軽海峡に対面しているため、明治35年の大湊水雷団の開設からは本州側の用地として旧日本海軍の軍港となっています。その後大湊水雷団は大湊警備部に昇格。大湊警備部は旧日本海軍の施設であるため閉鎖されましたが、大湊港には現在も海上自衛隊の大湊地方隊の基地があり、宗谷海峡と津軽海峡の防備警部するための拠点となっています。

大湊海軍コロッケはよこすか海軍カレーと同じように、いわゆる海軍グルメの一つです。海軍グルメは長い間海上生活を過ごす旧日本海軍軍人が病気を防げるようにと発案された、いわば健康食。明治時代末期の旧日本海軍では、イギリス海軍から技術と一緒に行動様式も導入したため、食事も西洋式が取り入れられます。海軍コロッケは明治時代に大湊に編成された旧日本海軍のメニューに採用され、乗組員の間で話題になりました。これが海軍コロッケが全国に広がっていったきっかけなのではないかと言われています。旧日本海軍のコロッケのレシピは「海軍割烹術参考書」や「海軍四等主計兵厨業教科書」などの旧日本海軍のレシピ本に実際に記載されています。

むつ市の魅力をご紹介

突然ですがむつ市出身の有名人をご存知ですか?俳優の松山ケンイチさんやキテレツ大百科の監督である早川啓二さんは青森県むつ市出身です。そんなむつ市は下北半島に位置し陸奥湾、津軽海峡、太平洋に囲まれているため海の幸が豊富。また自然も豊かで温泉も数多くあるため、羽を伸ばしてゆっくりするには最適な場所です。

青森県に訪れた際は海軍のレシピを再現したご当地グルメ「海軍コロッケ」をご賞味あれ!

大湊は海軍の町。明治時代から海軍とともに、昭和時代からは海上自衛隊とともに歩んできました。そんな大湊ならではのご当地グルメが海軍コロッケです。海軍のレシピを再現した海軍コロッケは絶品。青森県むつ市に訪れた際は是非ご堪能ください。

ザ・ご当地検定の問題

Q. かつての海軍のレシピを利用した「海軍コロッケ」は、どこのご当地グルメ?

A.青森県