秋田県の特産品である魚醤とは?

日本には三大魚醤が存在することをご存知でしょうか。「石川県のいしる」、「香川県のいかなご醤油」、そしてこの記事でご紹介する魚醤です。秋田で歴史ある調味料として知られています。

秋田県の特産品である魚醤

しょっつるが作られたのは、江戸時代初期といわれています。その当時より秋田県では、県魚であるハタハタの漁が盛んにおこなわれていて、しょっつるの製造にも多く使用されていました。しかし、その後の乱獲により、1970年代よりハタハタの漁獲量が激減したことを受け、地元漁師は全面禁漁を実施。解禁後も独自の厳しい漁獲管理を行うことで、今では漁獲量が回復した、という歴史があるのです。地元民の努力が、伝統ある味を守り続けているといえます。また1トンのハタハタより生産できる魚醤は500リットル程度。品質維持のために、大量生産を目的とはせず、1~2年という長い年月をかけて製造をしています。

そんなハタハタしょっつるの最大の特徴は、なんといっても臭いと味でしょう。ハタハタで作ったしょっつるには、一般的な魚醤特有の臭いはせず、旨味成分のグルタミン酸や甘み成分のアラニンなどが多く含まれているため、火を通せば甘さとコクが際立ちます。調味料としての利用頻度も高く、しょっつるを使った「しょっつる鍋」は秋田を代表する郷土料理です。秋田県出身の佐々木希さんが、テレビでしょっつる鍋を食し、そのおいしさをレポートしていました。

しょっつるはインターネット上で購入することができ、その味を家庭でも楽しむことができます。また東京都の有楽町にある秋田ふるさと館には、秋田の銘菓・食品・酒・民工芸品がずらりと並んでいて、そこでもしょっつるを買うことができます。

ご当地グルメ「男鹿しょっつる焼きそば」

様々な料理に利用されるしょっつる。秋田県にはそんなしょっつるを使ったご当地グルメも存在します。その名も「男鹿しょっつる焼きそば」。秋田の焼きそばといえば、横手焼きそばを思い浮かべる人もいるかもしれませんが、男鹿しょっつる焼きそばは、粉末ワカメと昆布だし入りのほのかに磯の香が漂う特製麺に、しょっつるのタレで塩味としょうゆ味をプラスした海鮮焼きそばです。具材にお肉を使わずに、イカ・エビ・カニなどをトッピングすることも特徴。また提供するお店ごとに味・具材を工夫していて、色々なお店を巡って食べ比べを楽しむこともできます。

男鹿地方周辺の観光スポット

秋田県には多くの観光スポットがありますが、先ほどご紹介した「男鹿しょっつる焼きそば」で有名な男鹿地方もその一つ。男鹿で最も有名なものといえば、やはり「なまはげ」でしょう。なまはげとは伝統的な民俗行事で、怖い面をかぶり包丁をもった鬼が「泣く子はいねがー」といいながら家をまわります。家主は正装してなまはげを迎え入れ、一年間の悪事を釈明し、お酒などを振る舞い送り返すのです。なまはげは大みそかの行事ですが、男鹿真山伝承館ではなまはげの実演を観賞でき、時期に関係なくなまはげを楽しめます。また、なまはげ館では、地域によって異なる複数のなまはげの面を見ることができたり、歴史について学んだりすることもできます。

男鹿地方は日本海に面している半島で、そこでしか見ることができないのが、潮瀬崎と呼ばれる岩礁地帯にある「ゴジラ岩」。そのシルエットはまさに特撮怪獣映画キャラクターのゴジラにそっくりで、特に口元に夕日と夕雲を重ねた「火を噴くゴジラ」はとても人気があります。ファンでなくとも一度は訪れる価値のある場所でしょう。

秋田は歴史と伝統の宝庫

しょっつるを初めとした歴史ある味や、なまはげを代表とする伝統行事で観光客を魅了する秋田県。豊かな自然に囲まれ、日々の忙しさを忘れることもできるでしょう。興味のある方は一度秋田県を訪れてみてはいかがでしょうか。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 秋田県の特産品である魚醤といえば?

A.しょっつる

Q. 秋田県の有名な魚醤「しょっつる」は、どんな魚から作られる?

A.ハタハタ