『秋田音頭』の中で、秋田名物として唄われている納豆とは?

日本の各地にその土地に合った名物が様々生み出されています。秋田県の名物のひとつとしては、秋田県で古くから伝わる納豆が有名です。その特徴や食べ方など、魅力を紹介していくので参考にしてください。

秋田名物の納豆とおいしい食べ方

桧山納豆は、秋田県で古くから伝わる納豆の製法を守り作り続けられている名物のひとつです。わらで包みふっくらとした大豆が特徴の納豆であり、秋田県の観光土産として購入する人も多くいる、多くの人々に愛されている名物といえるでしょう。手をかけて作られているため、古くから続く製造所の数は少ないですが、全国で通販を利用する人もいるほどの人気があります。桧山納豆は、大豆を直接わらに包んで納豆菌で発酵させるという昔ながらの製法によって作られ、これにより生まれる香ばしい大豆の風味と濃厚な味わいが特徴的な納豆です。

一粒一粒が大きく、甘く香ばしい香りが魅力的な大豆を丁寧に蒸していき、一度蒸して香りを出した手編みしたわら包みの中に手際よく包み込み、わら包みごと発酵機の中へ入れます。そして熟成させたら桧山納豆の完成です。桧山納豆の決め手は、様々ありますが、大豆とわらの二つが大きいです。地元の能代で栽培された「あきた白神大豆」は、ふっくらとした大粒で、香り豊かで味も濃厚です。そしてわらは、コメどころで有名な秋田県の中でも特産品ともいえる、あきたこまちを杭かけして自然乾燥させたものを使用しています。

舟形に手作りで編んだわらを高温の蒸気で蒸して殺菌した後に、くぼみに大豆を入れてからわらふたをします。このわらで包んで丁寧に発酵することによって、しっかりと熟成され噛み応えと粘りの誕生につながるとされています。わらだけでできたパッケージは、納豆菌を育てることにも最適ですが、見た目の美しさも一級品です。昔ながらの製法と見た目にひかれて購入し、その味に骨抜きになりはまってしまうという人もいるほどです。
この秋田県名物桧山納豆のおすすめの食べ方は、塩といわれています。もちろん一般的なしょうゆやからしでも問題ありません。しかし、あきた白神大豆は味が濃く、味付けをしなくても大豆の味だけでも十分に楽しめます。

塩のみの味つけをすれば、その風味を逃すことなく、十分に生かすことができます。ごはんとして食べるだけではなく酒のつまみとしても魅力的です。また、秋田県で昔から親しまれている砂糖で食べてもおいしいとされています。

桧山納豆の歴史

桧山納豆の発祥は、はっきりとしたものはわかっていません。東北地方の納豆の始まりは、1083年ごろに八幡太郎義家に関するものが有名です。長期に続いた戦により、食糧不足に陥った中で、わらに包んだ煮豆を数日間置いておいたところ糸を引くようになったことが始まりとされています。これが義家らのみならず農民たちにも広まり、各家々で納豆を作られるようになったことが桧山納豆の始まりといわれています。また、檜山城主秋田安東の時代に、移り住んできた落人が製造方法を伝え、各家で伝わり続け、現在の桧山納豆となったという説もあります。

いずれにしても秋田県の桧山納豆は、江戸時代にはすでに秋田県の名物のひとつとして数えられていました。そのおいしさ、名物であることは秋田県の名物をうたった秋田音頭に出てくるほどです。秋田音頭とは、江戸時代の初期に作詞された民謡であり、「秋田名物八森はたはた男鹿で男鹿ブリコ能代春慶檜山納豆大館曲げワッパ」としっかりうたわれています。それほど味に評判があったということです。

自然豊かな秋田

秋田県の名物桧山納豆は、桧山、つまり現在の秋田市を含む秋田県の中央から北の一帯を指す地域で生まれた納豆です。室町から栄えていた地域であり、多くの人々で賑わっていました。この地域は、日本海側に位置しており、冬は豪雪、夏は高温多湿と高温乾燥した風であるやませが吹く、厳しい気候に見舞われています。しかし、この気候によって育まれた豊かな自然も、桧山の特徴です。様々な自然公園があり、観光地としても有名であるほか、農作物にも恵まれています。

豊かな自然の恵みの桧山納豆

桧山納豆は、古くから伝わる伝統的な製法で作られている納豆で、その味は秋田音頭で歌われるほどです。豊かな自然の中で育まれたあきた白神大豆と、あきたこまちのわらを使用した納豆は風味豊かな味わいがあるので、一度食べてみてはいかがでしょうか。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 『秋田音頭』の中で、秋田名物として唄われている納豆は?

A.桧山納豆