「名古屋めし」でよく使われる「かしわ」って、何の肉のこと?

愛知県名古屋市の食文化といえば、名古屋めしですよね。ひつまぶしや味噌カツ、小倉トーストなどが有名ですが、どのような食べ物が名古屋めしに分類されるのでしょうか。名古屋めしの定義と共におすすめの店を紹介します。

名古屋コーチンを使った名古屋めしをご賞味あれ!

名古屋めしが全国区になったのは、2005年に催された「愛・地球博(日本国際博覧会)」がきっかけです。その後さらに名古屋めしをアピールしようと、2011年から「なごやめし博覧会」という回遊型食べ歩きイベントを開催。2014年には愛知県と名古屋市が共同で名古屋めしを地域ブランドに認定し、観光資源と位置づけてその魅力をPR中です。観光客誘致を目的として設立された「なごやめし普及促進協議会」によると、名古屋めしの定義は「愛知やその近郊で広く浸透している地域独特のメニュー」となっています。

ですから、古くから地域で愛されてきたメニューに限らず、新たなメニューが名古屋めしに加わる可能性は十分にあるということですね。また、名古屋市の料理に限定されるわけでなく、愛知県周辺の東海地域で作られるご当地グルメも含まれます。東海地域で作られる料理の特徴は、長期熟成によりコクがある豆味噌を使う頻度が高いことです。旨味のある料理が好まれる傾向にあるため、豆味噌を使っていなくとも味わい深い料理が多く生み出されています。

名古屋めしが有名になる以前、戦前までは、名古屋コーチンを使った料理が名古屋料理の定番でした。名古屋コーチンはしっかりとした歯ごたえに、コクのある味わいと香りの良い脂肪が特徴です。戦争の混乱によって名古屋コーチン料理は衰退してしまいましたが、現代では復活しており、様々な飲食店で味わうことができます。名古屋駅直結のJRゲートタワー12階に入る「鶏鉄板料理 かしわ」は、名古屋コーチンの鉄板焼や鶏ひつまぶし、薬膳水炊き鍋が人気のお店です。店主おすすめのメニューは「名古屋コーチンもも 鶏ひつまぶし御膳」だそう。最初は鶏ひつまぶしをそのまま食べて、次に薬味と温泉卵をかけて食べ、最後に鶏出汁をかけて食べるという3段階に分けた食べ方が推奨されています。ひつまぶし風味に親子丼風味、お茶漬け風味といった3種類の味が堪能でき、お腹も気持ちも満足できそうです。

昔から東海地域では、鶏肉のことを「かしわ」と呼んできました。元々は名古屋コーチンのように褐色の羽を持つ鶏に限定して呼んでいましたが、次第に鶏肉全般を呼ぶようになったといわれています。かしわは木の「柏」を指し、「鶏肉を食べる」という言い方を上品にしようということで言い換えたとされているものの、なぜ柏だったのかは定かではありません。かしわを使った名古屋めしでは、手羽先唐揚げが有名ですね。その他、鶏すき焼きであるひきずりやたたき、霜降りなど、様々な料理があります。

旨味の強い豆味噌をお土産にどうぞ

愛知県やその周辺を訪れた際のお土産に、豆味噌はいかがでしょうか。豆味噌は愛知県で生まれた味噌で、赤味噌や八丁味噌、名古屋味噌など色々な呼び名があります。原材料は大豆と塩だけで、麹は蒸した大豆を豆麹にして発酵させるのが特徴です。米麹を使うと、高温多湿の夏に酸化して酸っぱくなる酸敗という状態になるのが問題でしたが、大豆に直接麹菌をまぶす製法によって解消されました。この伝統的な製法を味噌玉製麹といい、長きにわたって継承されています。熟成期間は1~3年と長く、旨味成分であるグルタミン酸含有量が多いのが特長です。グツグツ煮ても風味が飛ばない上に、高温多湿の夏でも傷みにくく、長期にわたって保存できます。傷みにくいものはお土産に最適ですよね。また、自宅用に併せて買って、現地で食べた名古屋めしを再現してみるのもおすすめです。

名古屋めし食べ歩き旅行に出かけよう!

名古屋めしは、東海地域で長らく愛されてきたご当地グルメを指します。特に名古屋コーチンを始めとするかしわを使った料理は歴史が長いです。他にも様々な料理があるので、食べ歩きに出かけてみてはいかがでしょうか。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 名古屋のご当地料理、いわゆる「名古屋めし」でよく使われる「かしわ」とは、何の肉のこと?

A.鶏肉